底面の半径が2、高さが5の直円柱を、底面の直径ABを含み、底面と60度の角をなす平面で切断したとき、小さい方の立体の体積Vを求める問題です。

解析学体積積分二重積分直円柱幾何学
2025/7/5

1. 問題の内容

底面の半径が2、高さが5の直円柱を、底面の直径ABを含み、底面と60度の角をなす平面で切断したとき、小さい方の立体の体積Vを求める問題です。

2. 解き方の手順

直円柱を切断した立体の体積は、積分を用いて求めることができます。
まず、底面の中心を原点とし、ABをx軸とします。すると、求める立体の高さは、z=xtan(60)=3xz = x\tan(60^\circ) = \sqrt{3}x と表せます。
底面の微小面積を dAdA とすると、dA=rdrdθdA = r dr d\theta となります。半径 rr は 0 から 2 まで動き、角度 θ\thetaπ/2\pi/2 から 3π/23\pi/2 まで動きます。
求める体積Vは、二重積分で表すことができます。
V=π/23π/2023(rcosθ)rdrdθV = \int_{\pi/2}^{3\pi/2} \int_{0}^{2} \sqrt{3} (r \cos\theta) r dr d\theta
V=3π/23π/2cosθdθ02r2drV = \sqrt{3} \int_{\pi/2}^{3\pi/2} \cos\theta d\theta \int_{0}^{2} r^2 dr
π/23π/2cosθdθ=[sinθ]π/23π/2=sin(3π/2)sin(π/2)=11=2\int_{\pi/2}^{3\pi/2} \cos\theta d\theta = [\sin\theta]_{\pi/2}^{3\pi/2} = \sin(3\pi/2) - \sin(\pi/2) = -1 - 1 = -2
02r2dr=[13r3]02=13(2303)=83\int_{0}^{2} r^2 dr = [\frac{1}{3}r^3]_{0}^{2} = \frac{1}{3}(2^3 - 0^3) = \frac{8}{3}
よって、体積Vは、
V=3×(2)×83=1633V = \sqrt{3} \times (-2) \times \frac{8}{3} = -\frac{16\sqrt{3}}{3}
しかし、この値は負の値であり、体積として不適切です。正しく積分範囲を設定する必要があります。
立体を底面から見て、高さはz=xtan(60)=3xz = |x|\tan(60^\circ) = \sqrt{3}|x|で表されます。底面の領域は、半径2の半円です。
直交座標で積分するために、x=rcosθx = r\cos\thetaとおくと、 rr は0から2まで動き、θ\thetaπ/2\pi/2から3π/23\pi/2まで動きます。
V=π/23π/2023rcosθrdrdθV = \int_{\pi/2}^{3\pi/2} \int_{0}^{2} \sqrt{3} |r\cos\theta| r dr d\theta
ここで、V=02π0RzrdrdθV = \int_{0}^{2\pi} \int_{0}^{R} z rdrd\thetaという公式を用いることが出来ます。この公式を用いて計算すると、V=23R3hV = \frac{2}{3} R^3 h となります。
この問題の場合、R = 2, h = 2tan(60)=232\tan(60^\circ) = 2\sqrt{3} となります。 よって、V=2323(23)=3233V = \frac{2}{3} 2^3 (2\sqrt{3}) = \frac{32\sqrt{3}}{3}
別の解き方として、平均の高さと底面積の積として求める方法があります。
底面積は、半径2の半円なので、12π(22)=2π\frac{1}{2}\pi(2^2) = 2\pi です。
AB上の中点の高さは、0です。A,B上の高さは32\sqrt{3} * 2 なので、平均の高さは 0+23+232=23\frac{0 + 2\sqrt{3} + 2\sqrt{3}}{2} = 2\sqrt{3} ではありません。
底面の直径ABをx軸とし、ABの中点を原点とする。平面は底面と60°の角をなすので、xにおける高さは3x\sqrt{3}|x|となる。2x2-2 \le x \le 2であり、y方向にはy=4x2y = \sqrt{4-x^2}となる。
V=223x24x2dx=2302x24x2dx=4302x4x2dxV = \int_{-2}^{2} \sqrt{3} |x| 2\sqrt{4-x^2} dx = 2\sqrt{3} \int_{0}^{2} x 2\sqrt{4-x^2} dx = 4\sqrt{3} \int_{0}^{2} x\sqrt{4-x^2} dx
ここで、u=4x2u = 4 - x^2とすると、du=2xdxdu = -2x dx より、xdx=12duxdx = -\frac{1}{2}du
積分範囲は、x=0x=0のときu=4u=4x=2x=2のときu=0u=0なので、
V=4340u(12)du=2340u12du=2304u12duV = 4\sqrt{3} \int_{4}^{0} \sqrt{u} (-\frac{1}{2})du = -2\sqrt{3} \int_{4}^{0} u^{\frac{1}{2}} du = 2\sqrt{3} \int_{0}^{4} u^{\frac{1}{2}} du
V=23[23u32]04=2323(432032)=433(8)=3233V = 2\sqrt{3} [\frac{2}{3} u^{\frac{3}{2}}]_{0}^{4} = 2\sqrt{3} \frac{2}{3} (4^{\frac{3}{2}} - 0^{\frac{3}{2}}) = \frac{4\sqrt{3}}{3} (8) = \frac{32\sqrt{3}}{3}

3. 最終的な答え

3233\frac{32\sqrt{3}}{3}

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