$E = \{(x, y) : (x, y) \in \mathbb{R}^2, x^2 + y^2 \le 1\}$とする。$f: E \rightarrow \mathbb{R}$ を $E$ 上の連続関数とし、$f$ の $E$ での最大値を $M$、最小値を $m$ とする。$m < M$ であるとする。このとき、$m < r < M$ を満たす任意の実数 $r$ に対して、$f(a, b) = r$ を満たす $(a, b) \in E$ が存在することを示せ。

解析学連続関数最大値最小値中間値の定理多変数関数
2025/7/5

1. 問題の内容

E={(x,y):(x,y)R2,x2+y21}E = \{(x, y) : (x, y) \in \mathbb{R}^2, x^2 + y^2 \le 1\}とする。f:ERf: E \rightarrow \mathbb{R}EE 上の連続関数とし、ffEE での最大値を MM、最小値を mm とする。m<Mm < M であるとする。このとき、m<r<Mm < r < M を満たす任意の実数 rr に対して、f(a,b)=rf(a, b) = r を満たす (a,b)E(a, b) \in E が存在することを示せ。

2. 解き方の手順

(1) 最大値 MM と最小値 mm の定義より、f(x1,y1)=Mf(x_1, y_1) = M となる (x1,y1)E(x_1, y_1) \in E と、f(x2,y2)=mf(x_2, y_2) = m となる (x2,y2)E(x_2, y_2) \in E が存在する。
(2) m<r<Mm < r < M である rr を任意に選ぶ。
(3) 2点 (x1,y1)(x_1, y_1)(x2,y2)(x_2, y_2) を結ぶ線分 LL を考える。この線分は EE に含まれるとは限らない。
(4) そこで、(x1,y1)(x_1, y_1)(x2,y2)(x_2, y_2) を結ぶ EE 内の連続なパス CC を構成する。具体的には、原点 (0,0)(0,0) を経由するパスを考える。(x1,y1)(x_1, y_1)(0,0)(0,0) を結ぶ線分 C1C_1 と、(0,0)(0,0)(x2,y2)(x_2, y_2) を結ぶ線分 C2C_2 を考える。x2+y21x^2 + y^2 \le 1 なので、原点と EE 内の任意の点を結ぶ線分は EE に含まれる。したがって、C1C_1C2C_2EE に含まれ、その結合である C=C1C2C = C_1 \cup C_2(x1,y1)(x_1, y_1) から (x2,y2)(x_2, y_2) への EE 内の連続なパスになる。
(5) CC をパラメータ表示する。C1C_1 上の点は t(0,0)+(1t)(x1,y1)=((1t)x1,(1t)y1)t(0,0) + (1-t)(x_1, y_1) = ((1-t)x_1, (1-t)y_1) (ただし 0t10 \le t \le 1)、 C2C_2 上の点は t(x2,y2)+(1t)(0,0)=(tx2,ty2)t(x_2, y_2) + (1-t)(0,0) = (tx_2, ty_2) (ただし 0t10 \le t \le 1) と表せる。
(6) 関数 g(t)g(t) を、g(t)=f((1t)x1,(1t)y1)g(t) = f((1-t)x_1, (1-t)y_1) (ただし 0t10 \le t \le 1) と g(t)=f((t1)x2,(t1)y2)g(t) = f((t-1)x_2, (t-1)y_2) (ただし 1t21 \le t \le 2) で定義する。関数 g(t)g(t)ff の連続性より連続関数である。
(7) g(0)=f(x1,y1)=Mg(0) = f(x_1, y_1) = M であり、g(1)=f(0,0)g(1) = f(0, 0) であり、g(2)=f(x2,y2)=mg(2) = f(x_2, y_2) = m である。
(8) f(0,0)f(0,0) について場合分けをする。
(9) (a) f(0,0)=rf(0,0) = r ならば、f(0,0)=rf(0, 0) = r である (0,0)E(0, 0) \in E が存在することを示せた。
(10) (b) f(0,0)>rf(0,0) > r ならば、M>f(0,0)>r>mM > f(0,0) > r > m である。このとき、g(0)=M>rg(0) = M > r かつ g(2)=m<rg(2) = m < r であるから、中間値の定理より、g(t)=rg(t) = r となる t(0,2)t \in (0, 2) が存在する。0<t<10 < t < 1 なら、f((1t)x1,(1t)y1)=rf((1-t)x_1, (1-t)y_1) = r となる ((1t)x1,(1t)y1)E((1-t)x_1, (1-t)y_1) \in E が存在し、1<t<21 < t < 2 なら、f((t1)x2,(t1)y2)=rf((t-1)x_2, (t-1)y_2) = r となる ((t1)x2,(t1)y2)E((t-1)x_2, (t-1)y_2) \in E が存在する。
(11) (c) f(0,0)<rf(0,0) < r ならば、M>r>f(0,0)>mM > r > f(0,0) > m である。このとき、g(0)=M>rg(0) = M > r かつ g(2)=m<rg(2) = m < r であるから、中間値の定理より、g(t)=rg(t) = r となる t(0,2)t \in (0, 2) が存在する。0<t<10 < t < 1 なら、f((1t)x1,(1t)y1)=rf((1-t)x_1, (1-t)y_1) = r となる ((1t)x1,(1t)y1)E((1-t)x_1, (1-t)y_1) \in E が存在し、1<t<21 < t < 2 なら、f((t1)x2,(t1)y2)=rf((t-1)x_2, (t-1)y_2) = r となる ((t1)x2,(t1)y2)E((t-1)x_2, (t-1)y_2) \in E が存在する。
(12) したがって、m<r<Mm < r < M を満たす任意の実数 rr に対して、f(a,b)=rf(a, b) = r を満たす (a,b)E(a, b) \in E が存在する。

3. 最終的な答え

m<r<Mm < r < M を満たす任意の実数 rr に対して、f(a,b)=rf(a, b) = r を満たす (a,b)E(a, b) \in E が存在する。

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