極値を求める一般的な手順は以下の通りです。
(1) 偏微分を計算し、 fx=0 と fy=0 を満たす (x,y) を求める(停留点)。 (2) ヘッセ行列(または二階偏微分)を計算する。
(3) 停留点におけるヘッセ行列の行列式を評価し、極大値、極小値、または鞍点を判定する。
各関数について、具体的に計算を進めます。
(1) f(x,y)=e5x+y(2x+3y) fx=e5x+y(2)+5e5x+y(2x+3y)=e5x+y(2+10x+15y) fy=e5x+y(3)+e5x+y(2x+3y)=e5x+y(3+2x+3y) fx=0 かつ fy=0 を解く。 2+10x+15y=0 3+2x+3y=0 連立方程式を解くと、x=−1/4、y=−1/3 よって停留点は(−1/4,−1/3) fxx=e5x+y(10)+5e5x+y(2+10x+15y)=e5x+y(10+10+50x+75y)=e5x+y(20+50x+75y) fyy=e5x+y(3)+e5x+y(3+2x+3y)=e5x+y(6+2x+3y) fxy=e5x+y(15)+5e5x+y(3+2x+3y)=e5x+y(15+15+10x+15y)=e5x+y(30+10x+15y) 停留点における2階偏微分を計算すると、
fxx(−1/4,−1/3)=e−5/4−1/3(20−50/4−75/3)=e−19/12(20−25/2−25)=e−19/12(20−12.5−25)=−17.5e−19/12 fyy(−1/4,−1/3)=e−19/12(6−2/4−3/3)=e−19/12(6−0.5−1)=4.5e−19/12 fxy(−1/4,−1/3)=e−19/12(30−10/4−15/3)=e−19/12(30−2.5−5)=22.5e−19/12 ヘッセ行列の行列式は、
D=fxxfyy−fxy2=(−17.5)(4.5)e−38/12−(22.5)2e−38/12=e−19/6(−78.75−506.25)=−585e−19/6<0 よって、停留点(−1/4,−1/3)は鞍点です。 (2) f(x,y)=e−x2−y2 fx=−2xe−x2−y2 fy=−2ye−x2−y2 fx=0 かつ fy=0 より、 x=0 かつ y=0 。よって停留点は (0,0)。 fxx=−2e−x2−y2+4x2e−x2−y2=(4x2−2)e−x2−y2 fyy=−2e−x2−y2+4y2e−x2−y2=(4y2−2)e−x2−y2 fxy=4xye−x2−y2 停留点における2階偏微分は、
fxx(0,0)=−2 fyy(0,0)=−2 fxy(0,0)=0 ヘッセ行列の行列式は、
D=fxxfyy−fxy2=(−2)(−2)−02=4>0 fxx(0,0)=−2<0 より、停留点 (0,0) で極大値をとり、f(0,0)=1。 (3) f(x,y)=xy+x1+y1 fx=y−x21 fy=x−y21 fx=0 かつ fy=0 より、y=x21 かつ x=y21。 x=(1/x2)21=x4 x(x3−1)=0 x=0 または x=1。x=0は定義できないため、x=1 となり、y=1。 よって停留点は (1,1)。 fxx=x32 fyy=y32 停留点における2階偏微分は、
fxx(1,1)=2 fyy(1,1)=2 fxy(1,1)=1 ヘッセ行列の行列式は、
D=fxxfyy−fxy2=(2)(2)−12=3>0 fxx(1,1)=2>0 より、停留点 (1,1) で極小値をとり、f(1,1)=1+1+1=3。 (4) f(x,y)=x2+2x−xy2+y2 fx=2x+2−y2 fy=−2xy+2y fx=0 かつ fy=0 より、2x+2−y2=0 かつ 2y(1−x)=0。 y=0 または x=1。 y=0 のとき、2x+2=0 より x=−1。停留点は (−1,0)。 x=1 のとき、2+2−y2=0 より y2=4、y=±2。停留点は (1,2) と (1,−2)。 fyy=−2x+2 fxy=−2y 停留点における2階偏微分は、
(−1,0) のとき、fxx=2, fyy=4, fxy=0 (1,2) のとき、fxx=2, fyy=0, fxy=−4 (1,−2) のとき、fxx=2, fyy=0, fxy=4 ヘッセ行列の行列式は、
(−1,0) のとき、D=(2)(4)−02=8>0, fxx=2>0 より、極小値をとる。f(−1,0)=1−2=−1。 (1,2) のとき、D=(2)(0)−(−4)2=−16<0 より、鞍点。 (1,−2) のとき、D=(2)(0)−(4)2=−16<0 より、鞍点。