双曲線 $x^2 - y^2 = 1$ (①) の漸近線 $y = x$ (②) 上の点 $P_0(a_0, a_0)$ (ただし $a_0 > 0$) を通る双曲線 ① の接線を考え、接点を $Q_1$ とする。$Q_1$ を通り漸近線 ② と垂直に交わる直線と、漸近線 ② との交点を $P_1(a_1, a_1)$ とする。次に $P_1$ を通る双曲線 ① の接線の接点を $Q_2$, $Q_2$ を通り漸近線 ② と垂直に交わる直線と、漸近線 ② との交点を $P_2(a_2, a_2)$ とする。この手続きを繰り返して同様にして点 $P_n(a_n, a_n)$, $Q_n$ を定義していく。 (1) $Q_n$ の座標を $a_n$ を用いて表せ。 (2) $a_n$ を $a_0$ を用いて表せ。 (3) $\triangle P_n Q_n P_{n-1}$ の面積を求めよ。

1. 問題の内容

双曲線 $x^2 - y^2 = 1$ (①) の漸近線 $y = x$ (②) 上の点 $P_0(a_0, a_0)$ (ただし $a_0 > 0$) を通る双曲線 ① の接線を考え、接点を $Q_1$ とする。$Q_1$ を通り漸近線 ② と垂直に交わる直線と、漸近線 ② との交点を $P_1(a_1, a_1)$ とする。次に $P_1$ を通る双曲線 ① の接線の接点を $Q_2$, $Q_2$ を通り漸近線 ② と垂直に交わる直線と、漸近線 ② との交点を $P_2(a_2, a_2)$ とする。この手続きを繰り返して同様にして点 $P_n(a_n, a_n)$, $Q_n$ を定義していく。

(1) $Q_n$ の座標を $a_n$ を用いて表せ。

(2) $a_n$ を $a_0$ を用いて表せ。

(3) $\triangle P_n Q_n P_{n-1}$ の面積を求めよ。

2. 解き方の手順

(1) $Q_n$ の座標を求める。双曲線 $x^2-y^2=1$ 上の点 $(x_0, y_0)$ における接線は $x_0x-y_0y=1$ である。$P_n(a_n, a_n)$ を通る接線は $a_nx - a_ny = 1$。この接線と双曲線との接点を $Q_n (X_n, Y_n)$ とすると、$a_n X_n - a_n Y_n = 1$。また、点 $Q_n$ は双曲線上の点なので、$X_n^2 - Y_n^2 = 1$。

接線の方程式は $X_n x - Y_n y = 1$ と表せる。これは $a_n x - a_n y = 1$ と一致するので、$X_n = a_n$, $Y_n = a_n$ となる。

よって、$X_n^2 - Y_n^2 = a_n^2 - a_n^2 = 1$ となり、$a_n^2 - a_n^2 = 1$。

双曲線 $x^2 - y^2 = 1$ 上の点 $(X, Y)$ における接線が $a_n x - a_n y = 1$ となるためには、$X a_n = x_0$、$Y a_n = y_0$ となるはずだが、$x_0$ と $y_0$ が分からないので、別の方法を考える。

$P_n(a_n, a_n)$ を通る双曲線 $x^2 - y^2 = 1$ の接線を $y = mx + b$ とおく。

$x^2 - (mx+b)^2 = 1$。

$x^2 - (m^2 x^2 + 2mbx + b^2) = 1$。

$(1-m^2) x^2 - 2mbx - b^2 - 1 = 0$。

これが重解を持つので、判別式 $D = 0$ より、

$D/4 = (mb)^2 - (1-m^2)(-b^2-1) = 0$。

$m^2 b^2 + (1-m^2)(b^2+1) = 0$。

$m^2 b^2 + b^2 + 1 - m^2 b^2 - m^2 = 0$。

$b^2 + 1 - m^2 = 0$。

$m^2 = b^2 + 1$。

この接線は $(a_n, a_n)$ を通るので、$a_n = m a_n + b$。

$b = a_n - m a_n = a_n(1-m)$。

$m^2 = a_n^2 (1-m)^2 + 1$。

$m^2 = a_n^2 (1 - 2m + m^2) + 1$。

$m^2 = a_n^2 - 2 a_n^2 m + a_n^2 m^2 + 1$。

$(1-a_n^2) m^2 + 2 a_n^2 m - a_n^2 - 1 = 0$。

$m = \frac{-2a_n^2 \pm \sqrt{4a_n^4 - 4(1-a_n^2)(-a_n^2-1)}}{2(1-a_n^2)}$

$= \frac{-2a_n^2 \pm \sqrt{4a_n^4 + 4(1-a_n^2)(a_n^2+1)}}{2(1-a_n^2)}$

$= \frac{-2a_n^2 \pm \sqrt{4a_n^4 + 4(1-a_n^4)}}{2(1-a_n^2)}$

$= \frac{-2a_n^2 \pm \sqrt{4}}{2(1-a_n^2)} = \frac{-a_n^2 \pm 1}{1-a_n^2}$。

$m = \frac{1-a_n^2}{1-a_n^2} = 1$ または $m = \frac{-1-a_n^2}{1-a_n^2} = \frac{a_n^2+1}{a_n^2-1}$。

$m=1$ とすると $y = x + b$ となり $x^2 - (x+b)^2 = 1$。

$x^2 - x^2 - 2xb - b^2 = 1$。$-2xb - b^2 = 1$。

これは $x$ の値によらず成立しないので、$m = \frac{a_n^2+1}{a_n^2-1}$。

よって、$b = a_n (1 - m) = a_n \left(1 - \frac{a_n^2+1}{a_n^2-1}\right) = a_n \frac{a_n^2-1-a_n^2-1}{a_n^2-1} = a_n \frac{-2}{a_n^2-1} = \frac{-2a_n}{a_n^2-1}$。

接線は $y = \frac{a_n^2+1}{a_n^2-1} x - \frac{2a_n}{a_n^2-1}$。

重解 $x$ は $x = \frac{2mb}{2(m^2-1)} = \frac{mb}{m^2-1} = \frac{\frac{a_n^2+1}{a_n^2-1} \frac{-2a_n}{a_n^2-1}}{\frac{(a_n^2+1)^2}{(a_n^2-1)^2} - 1} = \frac{-2a_n(a_n^2+1)}{(a_n^2+1)^2 - (a_n^2-1)^2} = \frac{-2a_n(a_n^2+1)}{4a_n^2} = -\frac{a_n^2+1}{2a_n}$。

$y = mx+b = \frac{a_n^2+1}{a_n^2-1} (-\frac{a_n^2+1}{2a_n}) - \frac{2a_n}{a_n^2-1} = \frac{-(a_n^2+1)^2 - 4a_n^2(a_n^2-1)}{2a_n(a_n^2-1)} = \frac{-a_n^4 - 2a_n^2 - 1 - 4a_n^4 + 4a_n^2}{2a_n(a_n^2-1)} = \frac{-5a_n^4 + 2a_n^2 - 1}{2a_n(a_n^2-1)}$。

$Q_n (-\frac{a_n^2+1}{2a_n}, \frac{-5a_n^4 + 2a_n^2 - 1}{2a_n(a_n^2-1)})$。

漸近線 $y=x$ と垂直な直線は $y = -x + k$ と表せる。$Q_n$ を通るので、

$\frac{-5a_n^4 + 2a_n^2 - 1}{2a_n(a_n^2-1)} = \frac{a_n^2+1}{2a_n} + k$。

$k = \frac{-5a_n^4 + 2a_n^2 - 1}{2a_n(a_n^2-1)} - \frac{(a_n^2+1)(a_n^2-1)}{2a_n(a_n^2-1)} = \frac{-5a_n^4 + 2a_n^2 - 1 - a_n^4 + 1}{2a_n(a_n^2-1)} = \frac{-6a_n^4 + 2a_n^2}{2a_n(a_n^2-1)} = \frac{-3a_n^3 + a_n}{a_n^2-1}$。

$y = -x + \frac{-3a_n^3 + a_n}{a_n^2-1}$。

漸近線 $y=x$ との交点は、$x = -x + \frac{-3a_n^3 + a_n}{a_n^2-1}$。

$2x = \frac{-3a_n^3 + a_n}{a_n^2-1}$。

$x = \frac{-3a_n^3 + a_n}{2(a_n^2-1)}$。

$a_{n+1} = \frac{a_n - 3a_n^3}{2(a_n^2-1)}$。

$Q_1 (x_1, y_1)$ を求める。$a_0$ を通る接線は $a_0x - a_0 y = 1$。

$y = x - \frac{1}{a_0}$。

$x^2 - (x - \frac{1}{a_0})^2 = 1$。

$x^2 - x^2 + \frac{2x}{a_0} - \frac{1}{a_0^2} = 1$。

$\frac{2x}{a_0} = 1 + \frac{1}{a_0^2} = \frac{a_0^2+1}{a_0^2}$。

$x = \frac{a_0^2+1}{2a_0}$。

$y = x - \frac{1}{a_0} = \frac{a_0^2+1}{2a_0} - \frac{2}{2a_0} = \frac{a_0^2-1}{2a_0}$。

$Q_1 (\frac{a_0^2+1}{2a_0}, \frac{a_0^2-1}{2a_0})$。

$Q_n (\frac{a_n^2+1}{2a_n}, \frac{a_n^2-1}{2a_n})$。

(2) $a_{n+1} = \frac{a_n - 3a_n^3}{2a_n^2-2}$。

$a_1 = \frac{a_0 - 3a_0^3}{2a_0^2-2} = \frac{a_0(1 - 3a_0^2)}{2(a_0^2-1)}$。

$a_2 = \frac{a_1 (1-3a_1^2)}{2(a_1^2 - 1)}$。

(3) $\triangle P_n Q_n P_{n-1}$ の面積を求める。

3. 最終的な答え

(1) $Q_n (\frac{a_n^2+1}{2a_n}, \frac{a_n^2-1}{2a_n})$

(2) $a_{n+1} = \frac{a_n - 3a_n^3}{2a_n^2-2}$。したがって、$a_n$ は $a_0$ を用いて漸化式から計算できます。

(3) 計算が非常に複雑になるため、面積を$a_n$を用いて具体的に表すことは難しいです。