コインを1枚投げる試行を考え、標本空間を $U = \{H, T\}$ とする。確率変数 $Y$ を、表($H$)が出たら1、裏($T$)が出たら-1となるように定義する。このとき、$Y$ の期待値 $E[Y]$ と分散 $V[Y]$ を求める。

確率論・統計学確率変数期待値分散標本空間
2025/7/7

1. 問題の内容

コインを1枚投げる試行を考え、標本空間を U={H,T}U = \{H, T\} とする。確率変数 YY を、表(HH)が出たら1、裏(TT)が出たら-1となるように定義する。このとき、YY の期待値 E[Y]E[Y] と分散 V[Y]V[Y] を求める。

2. 解き方の手順

まず、コインが表と裏が出る確率は等しいと仮定する。つまり、P(H)=P(T)=12P(H) = P(T) = \frac{1}{2} である。
期待値 E[Y]E[Y] は、確率変数が取りうる値にそれぞれの確率を掛けたものの和で計算される。
E[Y]=(1)P(H)+(1)P(T)E[Y] = (1) \cdot P(H) + (-1) \cdot P(T)
E[Y]=(1)12+(1)12E[Y] = (1) \cdot \frac{1}{2} + (-1) \cdot \frac{1}{2}
E[Y]=1212E[Y] = \frac{1}{2} - \frac{1}{2}
E[Y]=0E[Y] = 0
次に、分散 V[Y]V[Y] を計算する。分散は、確率変数の二乗の期待値から期待値の二乗を引いたもので計算される。
V[Y]=E[Y2](E[Y])2V[Y] = E[Y^2] - (E[Y])^2
E[Y2]=(12)P(H)+((1)2)P(T)E[Y^2] = (1^2) \cdot P(H) + ((-1)^2) \cdot P(T)
E[Y2]=(1)12+(1)12E[Y^2] = (1) \cdot \frac{1}{2} + (1) \cdot \frac{1}{2}
E[Y2]=12+12E[Y^2] = \frac{1}{2} + \frac{1}{2}
E[Y2]=1E[Y^2] = 1
したがって、
V[Y]=E[Y2](E[Y])2=1(0)2=1V[Y] = E[Y^2] - (E[Y])^2 = 1 - (0)^2 = 1

3. 最終的な答え

期待値 E[Y]=0E[Y] = 0
分散 V[Y]=1V[Y] = 1

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