関数 $f(x)$ が積分方程式 $f(x) = x^2 - x\int_0^1 f(t)dt + 2\int_0^x f'(t)dt$ を満たすとき、 (1) $f(x)$ が2次関数であることを示す。 (2) $f(x)$ を求める。

解析学積分方程式関数二次関数積分
2025/7/7

1. 問題の内容

関数 f(x)f(x) が積分方程式 f(x)=x2x01f(t)dt+20xf(t)dtf(x) = x^2 - x\int_0^1 f(t)dt + 2\int_0^x f'(t)dt を満たすとき、
(1) f(x)f(x) が2次関数であることを示す。
(2) f(x)f(x) を求める。

2. 解き方の手順

(1) A=01f(t)dtA = \int_0^1 f(t)dtB=20xf(t)dtB = 2\int_0^x f'(t)dt とおく。f(x)=x2xA+Bf(x) = x^2 - xA + B となる。
ここで、B=20xf(t)dt=2[f(t)]0x=2(f(x)f(0))B = 2\int_0^x f'(t)dt = 2[f(t)]_0^x = 2(f(x) - f(0)) である。
よって、f(x)=x2xA+2f(x)2f(0)f(x) = x^2 - xA + 2f(x) - 2f(0) となり、f(x)=x2+xA+2f(0)f(x) = -x^2 + xA + 2f(0) となる。
これは xx の二次式であるから、f(x)f(x) は2次関数である。
(2) f(x)=ax2+bx+cf(x) = ax^2 + bx + c とおく。
f(x)=2ax+bf'(x) = 2ax + b である。
f(t)=at2+bt+cf(t) = at^2 + bt + c なので、01f(t)dt=01(at2+bt+c)dt=[at33+bt22+ct]01=a3+b2+c\int_0^1 f(t)dt = \int_0^1 (at^2 + bt + c)dt = [\frac{at^3}{3} + \frac{bt^2}{2} + ct]_0^1 = \frac{a}{3} + \frac{b}{2} + c
0xf(t)dt=0x(2at+b)dt=[at2+bt]0x=ax2+bx\int_0^x f'(t)dt = \int_0^x (2at + b) dt = [at^2 + bt]_0^x = ax^2 + bx
与えられた式に代入すると、
ax2+bx+c=x2x(a3+b2+c)+2(ax2+bx)ax^2 + bx + c = x^2 - x(\frac{a}{3} + \frac{b}{2} + c) + 2(ax^2 + bx)
ax2+bx+c=(1+2a)x2+(a3b2c+2b)xax^2 + bx + c = (1+2a)x^2 + (-\frac{a}{3} - \frac{b}{2} - c+2b)x
係数を比較すると、
a=1+2aa = 1+2a
b=a3b2c+2bb = -\frac{a}{3} - \frac{b}{2} - c+2b
c=0c = 0
a=1a = -1
b=a3b2c+2b=13b2+2b=13+32bb = -\frac{a}{3} - \frac{b}{2} - c+2b = \frac{1}{3} - \frac{b}{2}+2b = \frac{1}{3} + \frac{3}{2}b
12b=13-\frac{1}{2}b = \frac{1}{3}
b=23b = -\frac{2}{3}
f(x)=x223xf(x) = -x^2 - \frac{2}{3}x

3. 最終的な答え

(1) f(x)f(x)は2次関数である。
(2) f(x)=x223xf(x) = -x^2 - \frac{2}{3}x

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