与えられた命題を、全称記号 $\forall$ や存在記号 $\exists$ などの論理記号を用いて表現します。ただし、否定の記号 $\neg$ は使用できません。 (1) 数列 $\{a_n\}$ は有界列でない。 (2) 数列 $\{a_n\}$ は収束列でない。 (3) $\mathbb{R}$ の部分集合 $A$ で定義された関数 $f: A \rightarrow \mathbb{R}$ は $A$ の点 $a$ で連続でない。

解析学論理記号数列関数の連続性有界列収束列
2025/7/8

1. 問題の内容

与えられた命題を、全称記号 \forall や存在記号 \exists などの論理記号を用いて表現します。ただし、否定の記号 ¬\neg は使用できません。
(1) 数列 {an}\{a_n\} は有界列でない。
(2) 数列 {an}\{a_n\} は収束列でない。
(3) R\mathbb{R} の部分集合 AA で定義された関数 f:ARf: A \rightarrow \mathbb{R}AA の点 aa で連続でない。

2. 解き方の手順

それぞれの命題の否定を、論理記号を用いて表現します。
(1) 数列 {an}\{a_n\} が有界列であるとは、ある実数 M>0M > 0 が存在して、すべての nn に対して anM|a_n| \leq M が成り立つことです。したがって、「数列 {an}\{a_n\} は有界列でない」とは、そのような MM が存在しないことを意味します。すなわち、任意の M>0M > 0 に対して、ある nn が存在して an>M|a_n| > M となることです。
(2) 数列 {an}\{a_n\} が収束列であるとは、ある実数 α\alpha が存在して、任意の ϵ>0\epsilon > 0 に対して、ある自然数 NN が存在して、n>Nn > N ならば anα<ϵ|a_n - \alpha| < \epsilon が成り立つことです。したがって、「数列 {an}\{a_n\} は収束列でない」とは、そのような α\alpha が存在しないことを意味します。すなわち、任意の α\alpha に対して、ある ϵ>0\epsilon > 0 が存在して、任意の自然数 NN に対して、ある n>Nn > N が存在して anαϵ|a_n - \alpha| \geq \epsilon となることです。
(3) 関数 f:ARf: A \rightarrow \mathbb{R}AA の点 aa で連続であるとは、任意の ϵ>0\epsilon > 0 に対して、ある δ>0\delta > 0 が存在して、xAx \in A かつ xa<δ|x - a| < \delta ならば f(x)f(a)<ϵ|f(x) - f(a)| < \epsilon が成り立つことです。したがって、「関数 f:ARf: A \rightarrow \mathbb{R}AA の点 aa で連続でない」とは、ある ϵ>0\epsilon > 0 が存在して、任意の δ>0\delta > 0 に対して、ある xAx \in A が存在して、xa<δ|x - a| < \delta かつ f(x)f(a)ϵ|f(x) - f(a)| \geq \epsilon が成り立つことです。

3. 最終的な答え

(1) M>0,nN s.t. an>M\forall M > 0, \exists n \in \mathbb{N} \text{ s.t. } |a_n| > M
(2) αR,ϵ>0,NN,n>N s.t. anαϵ\forall \alpha \in \mathbb{R}, \exists \epsilon > 0, \forall N \in \mathbb{N}, \exists n > N \text{ s.t. } |a_n - \alpha| \geq \epsilon
(3) ϵ>0,δ>0,xA s.t. xa<δ and f(x)f(a)ϵ\exists \epsilon > 0, \forall \delta > 0, \exists x \in A \text{ s.t. } |x - a| < \delta \text{ and } |f(x) - f(a)| \geq \epsilon