まず、方程式の整数解を α,β,γ とおくと、解と係数の関係より、 \begin{align*}
\alpha + \beta + \gamma &= -a \\
\alpha \beta + \beta \gamma + \gamma \alpha &= b \\
\alpha \beta \gamma &= 5
\end{align*}
α,β,γ は整数なので、αβγ=5 を満たす整数の組 (α,β,γ) は、符号を考慮すると、 (1,1,5),(1,−1,−5),(−1,−1,5) のいずれかである。 また、b>0 であることから、αβ+βγ+γα=b>0 を満たす必要がある。 (i) (α,β,γ)=(1,1,5) のとき、 αβ+βγ+γα=1+5+5=11>0 であり、b=11。 α+β+γ=1+1+5=7 なので、a=−7。 このとき、方程式は x3−7x2+11x−5=0 となり、(x−1)2(x−5)=0 と因数分解されるので、解は x=1,5 (重解)。 (ii) (α,β,γ)=(1,−1,−5) のとき、 αβ+βγ+γα=−1+5−5=−1<0 なので、b>0 を満たさない。 (iii) (α,β,γ)=(−1,−1,5) のとき、 αβ+βγ+γα=1−5−5=−9<0 なので、b>0 を満たさない。 したがって、(i) の場合のみが条件を満たす。