この問題は、以下の2つのパートに分かれています。 パート1は、初期値問題である微分方程式を解く問題です。 (1) $y'' + y = 1, \quad y(0) = 0, \quad y'(0) = 0$ (2) $2y'' - y' + y = 0, \quad y(0) = 0, \quad y'(0) = 7$ パート2は、電磁場中を運動する荷電粒子の運動方程式に関する問題です。 (1) 電界 $\mathbf{E} = (E_0, 0, 0)$、磁束密度 $\mathbf{B} = (B_0, 0, 0)$、速度 $\mathbf{v} = (v_x, v_y, v_z)$ のとき、$v_x$, $v_y$, $v_z$ についての微分方程式を求める。 (2) 時間 $t=0$ における速度 $\mathbf{v}(0) = (v_0, 0, v_1)$ のとき、$v_x$, $v_y$, $v_z$ を求める。 (3) 前問(2)の結果を図示し、荷電粒子の運動について述べる。

応用数学微分方程式初期値問題ローレンツ力荷電粒子電磁場
2025/7/8

1. 問題の内容

この問題は、以下の2つのパートに分かれています。
パート1は、初期値問題である微分方程式を解く問題です。
(1) y+y=1,y(0)=0,y(0)=0y'' + y = 1, \quad y(0) = 0, \quad y'(0) = 0
(2) 2yy+y=0,y(0)=0,y(0)=72y'' - y' + y = 0, \quad y(0) = 0, \quad y'(0) = 7
パート2は、電磁場中を運動する荷電粒子の運動方程式に関する問題です。
(1) 電界 E=(E0,0,0)\mathbf{E} = (E_0, 0, 0)、磁束密度 B=(B0,0,0)\mathbf{B} = (B_0, 0, 0)、速度 v=(vx,vy,vz)\mathbf{v} = (v_x, v_y, v_z) のとき、vxv_x, vyv_y, vzv_z についての微分方程式を求める。
(2) 時間 t=0t=0 における速度 v(0)=(v0,0,v1)\mathbf{v}(0) = (v_0, 0, v_1) のとき、vxv_x, vyv_y, vzv_z を求める。
(3) 前問(2)の結果を図示し、荷電粒子の運動について述べる。

2. 解き方の手順

パート1:
(1) y+y=1,y(0)=0,y(0)=0y'' + y = 1, \quad y(0) = 0, \quad y'(0) = 0
まず、同次方程式 y+y=0y'' + y = 0 の一般解を求めます。特性方程式は λ2+1=0\lambda^2 + 1 = 0 であり、解は λ=±i\lambda = \pm i です。したがって、同次方程式の一般解は yh(x)=C1cosx+C2sinxy_h(x) = C_1 \cos x + C_2 \sin x となります。
次に、非同次方程式 y+y=1y'' + y = 1 の特殊解を求めます。定数関数 yp(x)=Ay_p(x) = A を仮定すると、yp=0y_p'' = 0 となり、0+A=10 + A = 1 より A=1A = 1 です。したがって、yp(x)=1y_p(x) = 1 が特殊解です。
一般解は y(x)=yh(x)+yp(x)=C1cosx+C2sinx+1y(x) = y_h(x) + y_p(x) = C_1 \cos x + C_2 \sin x + 1 となります。
初期条件 y(0)=0y(0) = 0 より C1+1=0C_1 + 1 = 0 なので、C1=1C_1 = -1 です。
y(x)=C1sinx+C2cosxy'(x) = -C_1 \sin x + C_2 \cos x であり、初期条件 y(0)=0y'(0) = 0 より C2=0C_2 = 0 です。
したがって、y(x)=cosx+1=1cosxy(x) = -\cos x + 1 = 1 - \cos x です。
(2) 2yy+y=0,y(0)=0,y(0)=72y'' - y' + y = 0, \quad y(0) = 0, \quad y'(0) = 7
特性方程式は 2λ2λ+1=02\lambda^2 - \lambda + 1 = 0 であり、解は λ=1±184=1±i74\lambda = \frac{1 \pm \sqrt{1 - 8}}{4} = \frac{1 \pm i\sqrt{7}}{4} です。
したがって、一般解は y(x)=ex4(C1cos(74x)+C2sin(74x))y(x) = e^{\frac{x}{4}}(C_1 \cos(\frac{\sqrt{7}}{4}x) + C_2 \sin(\frac{\sqrt{7}}{4}x)) です。
初期条件 y(0)=0y(0) = 0 より C1=0C_1 = 0 です。
y(x)=C2ex4sin(74x)y(x) = C_2 e^{\frac{x}{4}} \sin(\frac{\sqrt{7}}{4}x)
y(x)=C2(14ex4sin(74x)+ex474cos(74x))y'(x) = C_2 (\frac{1}{4} e^{\frac{x}{4}} \sin(\frac{\sqrt{7}}{4}x) + e^{\frac{x}{4}} \frac{\sqrt{7}}{4} \cos(\frac{\sqrt{7}}{4}x))
初期条件 y(0)=7y'(0) = 7 より C274=7C_2 \frac{\sqrt{7}}{4} = 7 なので、C2=287=47C_2 = \frac{28}{\sqrt{7}} = 4\sqrt{7} です。
したがって、y(x)=47ex4sin(74x)y(x) = 4\sqrt{7} e^{\frac{x}{4}} \sin(\frac{\sqrt{7}}{4}x) です。
パート2:
(1) ローレンツ力は F=q(E+v×B)\mathbf{F} = q(\mathbf{E} + \mathbf{v} \times \mathbf{B}) であり、運動方程式は mdvdt=q(E+v×B)m \frac{d\mathbf{v}}{dt} = q(\mathbf{E} + \mathbf{v} \times \mathbf{B}) です。
E=(E0,0,0)\mathbf{E} = (E_0, 0, 0), B=(B0,0,0)\mathbf{B} = (B_0, 0, 0), v=(vx,vy,vz)\mathbf{v} = (v_x, v_y, v_z) を代入すると、
mddt(vx,vy,vz)=q((E0,0,0)+(vx,vy,vz)×(B0,0,0))m \frac{d}{dt} (v_x, v_y, v_z) = q((E_0, 0, 0) + (v_x, v_y, v_z) \times (B_0, 0, 0))
クロス積 v×B=(0,vzB0,vyB0)\mathbf{v} \times \mathbf{B} = (0, -v_z B_0, v_y B_0) なので、
mdvxdt=qE0m \frac{dv_x}{dt} = qE_0
mdvydt=qvzB0m \frac{dv_y}{dt} = -q v_z B_0
mdvzdt=qvyB0m \frac{dv_z}{dt} = q v_y B_0
したがって、
dvxdt=qE0m\frac{dv_x}{dt} = \frac{qE_0}{m}
dvydt=qB0mvz\frac{dv_y}{dt} = -\frac{qB_0}{m} v_z
dvzdt=qB0mvy\frac{dv_z}{dt} = \frac{qB_0}{m} v_y
(2) 初期条件 v(0)=(v0,0,v1)\mathbf{v}(0) = (v_0, 0, v_1) を使います。
dvxdt=qE0m\frac{dv_x}{dt} = \frac{qE_0}{m} より、vx(t)=qE0mt+C1v_x(t) = \frac{qE_0}{m} t + C_1 です。初期条件 vx(0)=v0v_x(0) = v_0 より、C1=v0C_1 = v_0 です。したがって、vx(t)=qE0mt+v0v_x(t) = \frac{qE_0}{m} t + v_0 です。
ω=qB0m\omega = \frac{qB_0}{m} とおくと、
dvydt=ωvz\frac{dv_y}{dt} = -\omega v_z
dvzdt=ωvy\frac{dv_z}{dt} = \omega v_y
これを解くために、vy=ωvzv_y'' = -\omega v_z'dvzdt=ωvy\frac{dv_z}{dt} = \omega v_y を代入すると、vy=ω2vyv_y'' = -\omega^2 v_y となります。
これは単振動の式であり、vy(t)=Acos(ωt)+Bsin(ωt)v_y(t) = A \cos(\omega t) + B \sin(\omega t) となります。
初期条件 vy(0)=0v_y(0) = 0 より、A=0A = 0 なので、vy(t)=Bsin(ωt)v_y(t) = B \sin(\omega t) です。
vz(t)=1ωvy(t)=1ωBωcos(ωt)=Bcos(ωt)v_z(t) = -\frac{1}{\omega} v_y'(t) = -\frac{1}{\omega} B \omega \cos(\omega t) = -B \cos(\omega t)
初期条件 vz(0)=v1v_z(0) = v_1 より、B=v1-B = v_1 なので、B=v1B = -v_1 です。
したがって、vy(t)=v1sin(ωt)v_y(t) = -v_1 \sin(\omega t) であり、vz(t)=v1cos(ωt)v_z(t) = v_1 \cos(\omega t) です。
(3) vx(t)=qE0mt+v0v_x(t) = \frac{qE_0}{m} t + v_0 は等加速度運動を表します。vy(t)=v1sin(ωt)v_y(t) = -v_1 \sin(\omega t)vz(t)=v1cos(ωt)v_z(t) = v_1 \cos(\omega t) は、yy-zz 平面上での等速円運動を表します。したがって、荷電粒子の運動は、xx 軸方向に加速しながら、yy-zz 平面上を円運動するらせん運動となります。

3. 最終的な答え

パート1:
(1) y(x)=1cosxy(x) = 1 - \cos x
(2) y(x)=47ex4sin(74x)y(x) = 4\sqrt{7} e^{\frac{x}{4}} \sin(\frac{\sqrt{7}}{4}x)
パート2:
(1)
dvxdt=qE0m\frac{dv_x}{dt} = \frac{qE_0}{m}
dvydt=qB0mvz\frac{dv_y}{dt} = -\frac{qB_0}{m} v_z
dvzdt=qB0mvy\frac{dv_z}{dt} = \frac{qB_0}{m} v_y
(2)
vx(t)=qE0mt+v0v_x(t) = \frac{qE_0}{m} t + v_0
vy(t)=v1sin(qB0mt)v_y(t) = -v_1 \sin(\frac{qB_0}{m} t)
vz(t)=v1cos(qB0mt)v_z(t) = v_1 \cos(\frac{qB_0}{m} t)
(3) 荷電粒子の運動は、xx 軸方向に加速しながら、yy-zz 平面上を円運動するらせん運動。

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