(a) 質量 $m$ の小球を初速度 $v_0$ で鉛直上向きに投げ上げたとき、速度に比例する空気抵抗(比例定数 $k$)が作用する。小球の速度と位置を時刻 $t$ の関数として求める。 (b) (a) において、小球の最高点の高さを求め、$k$ が十分に小さいとき $\frac{v_0^2}{2g}$ となることを示す。 (c) 半径 $2a$ と半径 $3a$ の金属球面 A, B で構成される球体コンデンサーの電気容量を求める。 (d) (c) の球体コンデンサーを電圧 $V_0$ の電池で充電した後、内半径 $2a$、外半径 $\frac{5a}{2}$、誘電率 $2\epsilon_0$ の球殻を挿入した。挿入後のコンデンサーのエネルギーを計算し、挿入前後でのエネルギーの変化を求める。
2025/7/15
1. 問題の内容
(a) 質量 の小球を初速度 で鉛直上向きに投げ上げたとき、速度に比例する空気抵抗(比例定数 )が作用する。小球の速度と位置を時刻 の関数として求める。
(b) (a) において、小球の最高点の高さを求め、 が十分に小さいとき となることを示す。
(c) 半径 と半径 の金属球面 A, B で構成される球体コンデンサーの電気容量を求める。
(d) (c) の球体コンデンサーを電圧 の電池で充電した後、内半径 、外半径 、誘電率 の球殻を挿入した。挿入後のコンデンサーのエネルギーを計算し、挿入前後でのエネルギーの変化を求める。
2. 解き方の手順
(a) 運動方程式を立てて解く。
小球に働く力は重力 と空気抵抗 である。したがって、運動方程式は
この微分方程式を解く。 の初期条件を用いる。
初期条件より、
位置 は を積分して求める。
より、
(b) 最高点では より、
が十分に小さいとき、 を用いる。
となることは示せない。
より、
最高点は
(c) 球体コンデンサーの電気容量は であり、, なので、
(d) 挿入前のエネルギーは
球殻挿入後の電気容量を計算する。内半径 , 外半径 の誘電体内の電場は であり、半径 から までの領域の電場は である。
電位差 は
挿入後のエネルギーは
エネルギーの変化は
エネルギーは増加する。
3. 最終的な答え
(a)
(b) 最高点の高さ:
(c) 電気容量:
(d) 挿入後のエネルギー:
エネルギーは 増加する。