複素数平面上に異なる3点 $z, z^2, z^3$ がある。 (1) $z, z^2, z^3$ が同一直線上にあるような $z$ をすべて求めよ。 (2) $z, z^2, z^3$ が二等辺三角形の頂点になるような $z$ の全体を複素数平面上に図示せよ。 また、$z, z^2, z^3$ が正三角形の頂点になるような $z$ をすべて求めよ。

代数学複素数複素数平面幾何学三角不等式
2025/7/9

1. 問題の内容

複素数平面上に異なる3点 z,z2,z3z, z^2, z^3 がある。
(1) z,z2,z3z, z^2, z^3 が同一直線上にあるような zz をすべて求めよ。
(2) z,z2,z3z, z^2, z^3 が二等辺三角形の頂点になるような zz の全体を複素数平面上に図示せよ。
また、z,z2,z3z, z^2, z^3 が正三角形の頂点になるような zz をすべて求めよ。

2. 解き方の手順

(1) z,z2,z3z, z^2, z^3 が同一直線上にある条件は、
z2zz3z\frac{z^2 - z}{z^3 - z} が実数であることと同値である。
z2zz3z=z(z1)z(z21)=z1(z1)(z+1)=1z+1\frac{z^2 - z}{z^3 - z} = \frac{z(z-1)}{z(z^2-1)} = \frac{z-1}{(z-1)(z+1)} = \frac{1}{z+1}.
1z+1\frac{1}{z+1} が実数であるとき、z+1z+1 も実数となる。したがって、zz の虚部が 00 である。
つまり、zz は実数である。
z,z2,z3z, z^2, z^3 が異なる点であることから、zz2z \neq z^2 かつ zz3z \neq z^3 かつ z2z3z^2 \neq z^3 である必要がある。
これは、z0,1,1z \neq 0, 1, -1 であることを意味する。
zz が実数のとき、z2zz3z\frac{z^2-z}{z^3-z} は実数になる。
したがって、zz は実数であり、z0,1,1z \neq 0, 1, -1 である。
(2) z,z2,z3z, z^2, z^3 が二等辺三角形になる条件は、
zz2=z2z3|z - z^2| = |z^2 - z^3| または zz2=zz3|z - z^2| = |z - z^3| または z2z3=zz3|z^2 - z^3| = |z - z^3| が成り立つことである。
zz2=z2z3z(1z)=z2(1z)z=z2|z - z^2| = |z^2 - z^3| \Leftrightarrow |z(1-z)| = |z^2(1-z)| \Leftrightarrow |z| = |z^2| または z=1z=1.
z=z2z=z2z(z1)=0|z| = |z^2| \Leftrightarrow |z| = |z|^2 \Leftrightarrow |z|(|z| - 1) = 0.
z=0|z| = 0z=0z = 0 を意味するが、これは異なる点であるという条件に反する。したがって、z=1|z| = 1
zz2=zz3z(1z)=z(1z2)1z=1z21z=(1z)(1+z)|z - z^2| = |z - z^3| \Leftrightarrow |z(1-z)| = |z(1-z^2)| \Leftrightarrow |1-z| = |1-z^2| \Leftrightarrow |1-z| = |(1-z)(1+z)|.
1z=(1z)(1+z)1z(11+z)=0|1-z| = |(1-z)(1+z)| \Leftrightarrow |1-z|(1 - |1+z|) = 0.
1z=0|1-z| = 0z=1z = 1 を意味するが、異なる点であるという条件に反する。したがって、1+z=1|1+z| = 1. これは、中心が 1-1, 半径が 11 の円を表す。
z2z3=zz3z2(1z)=z(1z2)z1z=1z2z1z=(1z)(1+z)|z^2 - z^3| = |z - z^3| \Leftrightarrow |z^2(1-z)| = |z(1-z^2)| \Leftrightarrow |z||1-z| = |1-z^2| \Leftrightarrow |z||1-z| = |(1-z)(1+z)|.
z1z=(1z)(1+z)1z(z1+z)=0|z||1-z| = |(1-z)(1+z)| \Leftrightarrow |1-z|(|z| - |1+z|) = 0.
1z=0|1-z| = 0z=1z = 1 を意味するが、異なる点であるという条件に反する。したがって、z=1+z|z| = |1+z|.
これは、001-1 を結ぶ線分の垂直二等分線を表す。つまり、Re(z)=12\mathrm{Re}(z) = -\frac{1}{2}
z=1|z|=1 は原点を中心とする半径1の円、z+1=1|z+1|=1は-1を中心とする半径1の円、Re(z)=1/2\mathrm{Re}(z) = -1/2 は実部が-1/2の直線。これらを複素平面上に図示する。
正三角形になるのは z=e±iπ3z = e^{\pm i \frac{\pi}{3}} のとき。

3. 最終的な答え

(1) zz は実数であり、z0,1,1z \neq 0, 1, -1 である。
(2) 図示は省略。正三角形の頂点になるのは z=e±iπ3=1±i32z = e^{\pm i \frac{\pi}{3}} = \frac{1 \pm i\sqrt{3}}{2} のとき。

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