(1) 3枚の100円硬貨を同時に投げ、表が出た硬貨の合計金額をもらえるゲームを行う。このゲームで得られる金額の期待値を求める。 (2) 20個の品物の中に3個の不良品が含まれている。この中から同時に2個を取り出すとき、取り出した2個に含まれる不良品の個数の期待値を求める。

確率論・統計学期待値確率組み合わせ
2025/7/9

1. 問題の内容

(1) 3枚の100円硬貨を同時に投げ、表が出た硬貨の合計金額をもらえるゲームを行う。このゲームで得られる金額の期待値を求める。
(2) 20個の品物の中に3個の不良品が含まれている。この中から同時に2個を取り出すとき、取り出した2個に含まれる不良品の個数の期待値を求める。

2. 解き方の手順

(1) 3枚の硬貨を投げたとき、表が出る枚数は0枚、1枚、2枚、3枚のいずれかである。それぞれの確率と、その場合に得られる金額を考える。
表が0枚の確率: (30)(12)0(12)3=18\binom{3}{0} (\frac{1}{2})^0 (\frac{1}{2})^3 = \frac{1}{8}, 得られる金額は0円
表が1枚の確率: (31)(12)1(12)2=38\binom{3}{1} (\frac{1}{2})^1 (\frac{1}{2})^2 = \frac{3}{8}, 得られる金額は100円
表が2枚の確率: (32)(12)2(12)1=38\binom{3}{2} (\frac{1}{2})^2 (\frac{1}{2})^1 = \frac{3}{8}, 得られる金額は200円
表が3枚の確率: (33)(12)3(12)0=18\binom{3}{3} (\frac{1}{2})^3 (\frac{1}{2})^0 = \frac{1}{8}, 得られる金額は300円
期待値は、それぞれの金額にその確率をかけたものの和である。
E=0×18+100×38+200×38+300×18=0+300+600+3008=12008=150E = 0 \times \frac{1}{8} + 100 \times \frac{3}{8} + 200 \times \frac{3}{8} + 300 \times \frac{1}{8} = \frac{0 + 300 + 600 + 300}{8} = \frac{1200}{8} = 150
(2) 20個の品物の中に3個の不良品がある。2個取り出すとき、不良品の個数は0個、1個、2個のいずれかである。それぞれの確率を考える。
不良品が0個の確率: (172)(202)=17×16220×192=17×1620×19=17×45×19=6895\frac{\binom{17}{2}}{\binom{20}{2}} = \frac{\frac{17 \times 16}{2}}{\frac{20 \times 19}{2}} = \frac{17 \times 16}{20 \times 19} = \frac{17 \times 4}{5 \times 19} = \frac{68}{95}
不良品が1個の確率: (31)(171)(202)=3×1720×192=3×17×220×19=3×1710×19=51190×2=102190=5195\frac{\binom{3}{1}\binom{17}{1}}{\binom{20}{2}} = \frac{3 \times 17}{\frac{20 \times 19}{2}} = \frac{3 \times 17 \times 2}{20 \times 19} = \frac{3 \times 17}{10 \times 19} = \frac{51}{190} \times 2 = \frac{102}{190}= \frac{51}{95}
不良品が2個の確率: (32)(202)=320×192=3×220×19=310×19=3190\frac{\binom{3}{2}}{\binom{20}{2}} = \frac{3}{\frac{20 \times 19}{2}} = \frac{3 \times 2}{20 \times 19} = \frac{3}{10 \times 19} = \frac{3}{190}
期待値は、それぞれの個数にその確率をかけたものの和である。
E=0×6895+1×5195+2×3190=0+5195+6190=102190+6190=108190=5495=0.5684...E = 0 \times \frac{68}{95} + 1 \times \frac{51}{95} + 2 \times \frac{3}{190} = 0 + \frac{51}{95} + \frac{6}{190} = \frac{102}{190} + \frac{6}{190} = \frac{108}{190} = \frac{54}{95} = 0.5684...
別解として、期待値の線形性を用いる。
1個を取り出すとき、それが不良品である確率は 320\frac{3}{20}である。
2個取り出すとき、不良品の個数の期待値は 2×320=620=310=0.32 \times \frac{3}{20} = \frac{6}{20} = \frac{3}{10} = 0.3

3. 最終的な答え

(1) 150円
(2) 3/10 = 0.3個

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