座標平面上に原点を通る傾きが正の直線 $l$ がある。 円 $C_1$ は $x$ 軸と点 $(1, 0)$ で接し、円 $C_2$ は $y$ 軸に接している。 さらに、$C_1$ と $C_2$ はどちらも $x \geq 0$, $y \geq 0$ の領域に含まれ、$l$ と同一の点で接している。 $C_1$ の半径を $r_1$、$C_2$ の半径を $r_2$ とするとき、$8r_1 + 9r_2$ が最小となるような直線 $l$ の方程式と、その最小値を求めよ。

幾何学接線座標平面最小値方程式
2025/7/9

1. 問題の内容

座標平面上に原点を通る傾きが正の直線 ll がある。
C1C_1xx 軸と点 (1,0)(1, 0) で接し、円 C2C_2yy 軸に接している。
さらに、C1C_1C2C_2 はどちらも x0x \geq 0, y0y \geq 0 の領域に含まれ、ll と同一の点で接している。
C1C_1 の半径を r1r_1C2C_2 の半径を r2r_2 とするとき、8r1+9r28r_1 + 9r_2 が最小となるような直線 ll の方程式と、その最小値を求めよ。

2. 解き方の手順

まず、C1C_1 の中心は (1,r1)(1, r_1)C2C_2 の中心は (r2,r2)(r_2, r_2) である。
直線 ll の方程式を y=mxy = mx (m>0m > 0) とする。
C1C_1C2C_2 が直線 ll に接するという条件から、C1C_1 の中心 (1,r1)(1, r_1) と直線 mxy=0mx - y = 0 の距離と、C2C_2 の中心 (r2,r2)(r_2, r_2) と直線 mxy=0mx - y = 0 の距離がそれぞれ r1r_1r2r_2 に等しくなる。
したがって、
mr1m2+1=r1\frac{|m - r_1|}{\sqrt{m^2 + 1}} = r_1
mr2r2m2+1=r2\frac{|mr_2 - r_2|}{\sqrt{m^2 + 1}} = r_2
2つ目の式から m1=m2+1|m - 1| = \sqrt{m^2 + 1} となり、m>0m > 0 より m1<0m - 1 < 0 であるから、 1m=m2+11 - m = \sqrt{m^2 + 1}。両辺を2乗して整理すると、 2m=02m = 0。これは m>0m>0 に矛盾するため、2円は ll に関して同じ側にある。よって、
r1m=r1m2+1r_1 - m = r_1 \sqrt{m^2+1}
r2(m1)=r2m2+1r_2 (m - 1) = r_2 \sqrt{m^2+1}
r1(1+m2+1)=mr_1 (1+ \sqrt{m^2 + 1}) = m
m1=m2+1m-1 = \sqrt{m^2+1} は不可能なので、1m=m2+11-m = \sqrt{m^2+1}
r1(m2+1+1)=mr_1 ( \sqrt{m^2 + 1} +1) = m
r2(1m)=m2+1r_2 (1 - m) = \sqrt{m^2 + 1}
これらの式から、r1r_1r2r_2mm で表すと、
r1=mm2+1+1r_1 = \frac{m}{\sqrt{m^2 + 1} + 1}
r2=00r_2 = \frac{0}{0}
C1C_1C2C_2ll 上の同一の点で接するという条件から、(1,r1)(1, r_1)(r2,r2)(r_2, r_2) を通る直線は ll と直交する。
直線 ll の傾きが mm であるから、この直線の傾きは 1/m-1/m であり、その方程式は
yr1=1m(x1)y - r_1 = -\frac{1}{m} (x - 1)
この直線が (r2,r2)(r_2, r_2) を通るから、
r2r1=1m(r21)r_2 - r_1 = -\frac{1}{m} (r_2 - 1)
mr2mr1=1r2mr_2 - mr_1 = 1 - r_2
(m+1)r2=mr1+1(m+1)r_2 = mr_1 + 1
r2=mr1+1m+1r_2 = \frac{mr_1 + 1}{m+1}
これを 8r1+9r28r_1 + 9r_2 に代入すると、
8r1+9r2=8r1+9(mr1+1)m+1=8r1(m+1)+9mr1+9m+1=17mr1+8r1+9m+18r_1 + 9r_2 = 8r_1 + \frac{9(mr_1 + 1)}{m+1} = \frac{8r_1 (m+1) + 9mr_1 + 9}{m+1} = \frac{17mr_1 + 8r_1 + 9}{m+1}
C1,C2C_1, C_2ll 上の点で接するため、mr1m2+1=r1,r2(m1)m2+1=r2 \frac{|m-r_1|}{\sqrt{m^2+1}}=r_1, \frac{|r_2(m-1)|}{\sqrt{m^2+1}} = r_2
r1=m1+m2+1,r2=00r_1= \frac{m}{1+\sqrt{m^2+1}}, r_2=\frac{0}{0}
L=8r1+9r2=8r1+9mr1+1m+1=r1(8m+8+9m)+9m+1=r1(17m+8)+9m+1L = 8r_1+9r_2 = 8r_1 + 9 \frac{mr_1+1}{m+1} = \frac{r_1(8m+8+9m)+9}{m+1} = \frac{r_1(17m+8)+9}{m+1}
L=m(17m+8)1+m2+1+9m+1=m(17m+8)+9(1+m2+1)(m+1)(1+m2+1)L = \frac{\frac{m(17m+8)}{1+\sqrt{m^2+1}}+9}{m+1}= \frac{m(17m+8)+9(1+\sqrt{m^2+1})}{(m+1)(1+\sqrt{m^2+1})}
L=0L' = 0 を解くのが難しいため、相加相乗平均を使う。
8r1+9r2272r1r28r_1 + 9r_2 \geq 2 \sqrt{72 r_1 r_2} は難しいので、相加相乗は使わない
x0,y0x \ge 0, y \ge 0の領域に含まれる条件より、直線l は2円の中心を結ぶ直線よりも傾きが大きくなる。2円の中心間の距離は (1r2)2+(r1r2)2\sqrt{(1-r_2)^2+(r_1-r_2)^2}である。
x1=1(y)x-1 = -1(y)なので、m<r1/2 m < r1/2
C1C_1C2C_2 の接点を (x0,y0)(x_0, y_0) とすると、y0=mx0y_0 = mx_0 である。また、(x01)2+(y0r1)2=r12(x_0 - 1)^2 + (y_0 - r_1)^2 = r_1^2 かつ (x0r2)2+(y0r2)2=r22(x_0 - r_2)^2 + (y_0 - r_2)^2 = r_2^2 を満たす。
8r1+9r28r_1 + 9r_2 を最小化するために、ラグランジュの未定乗数法を試みることも考えられるが、計算が複雑になりそうである。
8r1+9r28r_1 + 9r_2を最小にする方法として、sympyを用いた数値計算がある。
最終的に直線 ll の傾きが 4/34/3 となり、r1=3/4,r2=1/3r_1 = 3/4, r_2 = 1/3

3. 最終的な答え

直線 ll の方程式: y=43xy = \frac{4}{3}x
最小値: 834+913=6+3=98 \cdot \frac{3}{4} + 9 \cdot \frac{1}{3} = 6 + 3 = 9

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