写像 $f: X \rightarrow Y$ と、部分集合 $A \subset X$, $C \subset Y$ が与えられたとき、以下の包含関係について、その逆の包含関係が一般的に正しいかどうかを議論する。 (1) $f^{-1}(f(A)) \supset A$ (2) $f(X \setminus A) \supset f(X) \setminus f(A)$

その他写像集合包含関係逆像単射
2025/7/10

1. 問題の内容

写像 f:XYf: X \rightarrow Y と、部分集合 AXA \subset X, CYC \subset Y が与えられたとき、以下の包含関係について、その逆の包含関係が一般的に正しいかどうかを議論する。
(1) f1(f(A))Af^{-1}(f(A)) \supset A
(2) f(XA)f(X)f(A)f(X \setminus A) \supset f(X) \setminus f(A)

2. 解き方の手順

(1) f1(f(A))Af^{-1}(f(A)) \supset A について
xAx \in A ならば f(x)f(A)f(x) \in f(A) である。
したがって、xf1(f(A))x \in f^{-1}(f(A)) である。
これは、Af1(f(A))A \subset f^{-1}(f(A)) を示す。
したがって、与えられた包含関係は正しい。
逆の包含関係f1(f(A))Af^{-1}(f(A))\subset A は必ずしも正しくない。
反例として、全射ではない関数を考える。
ffが単射であれば、f1(f(A))=Af^{-1}(f(A))= Aが成り立つ。
(2) f(XA)f(X)f(A)f(X \setminus A) \supset f(X) \setminus f(A) について
yf(X)f(A)y \in f(X) \setminus f(A) とする。これは、yf(X)y \in f(X) かつ yf(A)y \notin f(A) を意味する。
yf(X)y \in f(X) より、ある xXx \in X が存在して f(x)=yf(x) = y である。
yf(A)y \notin f(A) より、xAx \notin A である。
したがって、xXAx \in X \setminus A であり、y=f(x)f(XA)y = f(x) \in f(X \setminus A) である。
これは、f(X)f(A)f(XA)f(X) \setminus f(A) \subset f(X \setminus A) を示す。
したがって、与えられた包含関係は正しい。
逆の包含関係f(XA)f(X)f(A)f(X\setminus A) \subset f(X)\setminus f(A) は必ずしも正しくない。
例えば、ff が単射でない場合、XAX \setminus A に含まれる要素が AA の要素と同じ値に写像される可能性がある。
もしffが単射なら、f(XA)=f(X)f(A)f(X\setminus A) = f(X) \setminus f(A) が成り立つ。

3. 最終的な答え

(1) f1(f(A))Af^{-1}(f(A)) \supset A は正しい。逆の包含関係は一般には正しくない。
(2) f(XA)f(X)f(A)f(X \setminus A) \supset f(X) \setminus f(A) は正しい。逆の包含関係は一般には正しくない。

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