都市ごみ焼却で発生する焼却灰の熱灼減量について、分別回収終了後の熱灼減量を測定したところ、測定数12、標本平均3.82、標本標準偏差0.346という結果が得られた。以前の平均値は4.00であった。 (1) 分別回収終了後、終了前と比較して熱灼減量がどう変化すると予想されるか、その理由を30字以内で記述する。 (2) (1)を踏まえて仮説検定(片側)を行う場合の帰無仮説と対立仮説を示す。 (3) 5%有意水準で検定(片側)を行う。検定統計量T、棄却域の境界値(臨界値)、判定を求める。

確率論・統計学仮説検定t検定統計的推測母平均片側検定
2025/7/10

1. 問題の内容

都市ごみ焼却で発生する焼却灰の熱灼減量について、分別回収終了後の熱灼減量を測定したところ、測定数12、標本平均3.82、標本標準偏差0.346という結果が得られた。以前の平均値は4.00であった。
(1) 分別回収終了後、終了前と比較して熱灼減量がどう変化すると予想されるか、その理由を30字以内で記述する。
(2) (1)を踏まえて仮説検定(片側)を行う場合の帰無仮説と対立仮説を示す。
(3) 5%有意水準で検定(片側)を行う。検定統計量T、棄却域の境界値(臨界値)、判定を求める。

2. 解き方の手順

(1) 分別回収を終了したことで、燃えやすい容器包装ごみが混ざって焼却されるため、燃え残りが少なくなり、熱灼減量は減少すると予想される。
(2)
* 帰無仮説 H0H_0: μ4.00\mu \ge 4.00 (分別回収終了後の母平均は以前の母平均以上である)
* 対立仮説 H1H_1: μ<4.00\mu < 4.00 (分別回収終了後の母平均は以前の母平均より小さい)
(3)
* 検定統計量Tの計算:
T=xˉμ0s/nT = \frac{\bar{x} - \mu_0}{s / \sqrt{n}}
ここで、xˉ\bar{x}は標本平均(3.82)、μ0\mu_0は以前の母平均(4.00)、sは標本標準偏差(0.346)、nは測定数(12)である。
T=3.824.000.346/12=0.180.346/12=0.180.09991.80T = \frac{3.82 - 4.00}{0.346 / \sqrt{12}} = \frac{-0.18}{0.346 / \sqrt{12}} = \frac{-0.18}{0.0999} \approx -1.80
* 棄却域の境界値(臨界値)の計算:
自由度 n1=121=11n-1 = 12-1 = 11 のt分布において、有意水準5%の片側検定を行う。t分布表から、t(0.05, 11) = 1.796。よって棄却域の境界値は -1.796。
* 判定:
検定統計量T = -1.80は棄却域の境界値-1.796よりも小さいので、帰無仮説は棄却される。

3. 最終的な答え

(1) 減少する。燃えやすい容器包装ごみが混ざるため。
(2)
* 帰無仮説 H0H_0: μ4.00\mu \ge 4.00
* 対立仮説 H1H_1: μ<4.00\mu < 4.00
(3)
* 検定統計量: T=1.80T = -1.80
* 棄却域の境界値(臨界値): t11=1.80t_{11} = -1.80
* 判定: 帰無仮説は棄却される。

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