2つのメーカーA, Bで製造された部品の長さについて、Aの部品は72個の標本で平均2.52cm、標準偏差0.12cm、Bの部品は64個の標本で平均2.49cm、標準偏差0.08cmである。2つのメーカーの部品の長さに差があるかどうかを、有意水準5%と1%で検定する問題。

1. 問題の内容

2つのメーカーA, Bで製造された部品の長さについて、Aの部品は72個の標本で平均2.52cm、標準偏差0.12cm、Bの部品は64個の標本で平均2.49cm、標準偏差0.08cmである。2つのメーカーの部品の長さに差があるかどうかを、有意水準5%と1%で検定する問題。

2. 解き方の手順

まず、帰無仮説と対立仮説を設定する。

帰無仮説 $H_0: \mu_1 = \mu_2$ （AとBの部品の長さの母平均は等しい）

対立仮説 $H_1: \mu_1 \neq \mu_2$ （AとBの部品の長さの母平均は等しくない）

次に、検定統計量Zを計算する。

$Z = \frac{|\bar{x_1} - \bar{x_2}|}{\sqrt{\frac{\sigma_1^2}{n_1} + \frac{\sigma_2^2}{n_2}}}$

ここで、$\bar{x_1} = 2.52, \bar{x_2} = 2.49, \sigma_1 = 0.12, \sigma_2 = 0.08, n_1 = 72, n_2 = 64$である。

$Z = \frac{|2.52 - 2.49|}{\sqrt{\frac{0.12^2}{72} + \frac{0.08^2}{64}}} = \frac{0.03}{\sqrt{\frac{0.0144}{72} + \frac{0.0064}{64}}} = \frac{0.03}{\sqrt{0.0002 + 0.0001}} = \frac{0.03}{\sqrt{0.0003}} = \frac{0.03}{0.01732} \approx 1.732$

有意水準5%の場合の棄却域の境界値は、両側検定なので$z_{\alpha/2} = 1.96$である。

有意水準1%の場合の棄却域の境界値は、両側検定なので$z_{\alpha/2} = 2.58$である。

判定

有意水準5%の場合、$|Z| = 1.732 < 1.96$なので、帰無仮説を棄却できない。したがって、2つのメーカーの部品の長さには差があるとは判断できない。

有意水準1%の場合、$|Z| = 1.732 < 2.58$なので、帰無仮説を棄却できない。したがって、2つのメーカーの部品の長さには差があるとは判断できない。

3. 最終的な答え

検定統計量: Z = 1.732

棄却域の境界値

(1) z = 1.96 (有意水準5%の場合)

(2) z = 2.58 (有意水準1%の場合)

判定

(1) 有意水準5%の場合：差があるとは判断できない

(2) 有意水準1%の場合：差があるとは判断できない