$f(x)$ は $x$ の多項式で表される関数で、$f(x) + 2f'(x) = 6x$ かつ $f(0) = 1$ を満たすとき、以下の問いに答える。 (1) $f(x)$ の次数を求めよ。 (2) $f(x)$ を求めよ。

代数学微分方程式多項式関数微分関数
2025/7/10

1. 問題の内容

f(x)f(x)xx の多項式で表される関数で、f(x)+2f(x)=6xf(x) + 2f'(x) = 6x かつ f(0)=1f(0) = 1 を満たすとき、以下の問いに答える。
(1) f(x)f(x) の次数を求めよ。
(2) f(x)f(x) を求めよ。

2. 解き方の手順

(1)
f(x)f(x) の次数を nn とすると、f(x)f(x) の最高次の項は axnax^n (ただし a0a \neq 0) と表せる。
f(x)f'(x) の次数は n1n-1 である。
f(x)+2f(x)=6xf(x) + 2f'(x) = 6x であるから、左辺の次数は f(x)f(x) の次数と f(x)f'(x) の次数のうち高い方になる。
もし n>1n > 1 ならば、f(x)+2f(x)f(x) + 2f'(x) の次数は nn になるはずだが、f(x)+2f(x)=6xf(x) + 2f'(x) = 6x の次数は 1 であるから矛盾する。
したがって、n1n \leq 1 である。
n=0n=0 とすると、f(x)f(x) は定数関数となり、f(x)=cf(x)=c(ただし cc は定数)と表せる。
このとき、f(x)=0f'(x) = 0 であるから、f(x)+2f(x)=c=6xf(x) + 2f'(x) = c = 6x となる。
これは xx の関数であるから、定数関数であることに矛盾する。
よって、n=1n = 1 である。
(2)
f(x)f(x) の次数は 1 であるから、f(x)=ax+bf(x) = ax + b (ただし a,ba, b は定数) とおく。
f(x)=af'(x) = a であるから、
f(x)+2f(x)=ax+b+2a=6xf(x) + 2f'(x) = ax + b + 2a = 6x
ax+(b+2a)=6xax + (b+2a) = 6x
係数を比較すると、
a=6a = 6
b+2a=0b + 2a = 0 より、b+12=0b + 12 = 0 なので、b=12b = -12
したがって、f(x)=6x12f(x) = 6x - 12
f(0)=1f(0) = 1 を満たすか確認する。
f(0)=6(0)12=12f(0) = 6(0) - 12 = -12
f(0)=1f(0) = 1 であるから、これは誤りである。
f(x)=ax+bf(x) = ax + b とおいたとき、f(x)=af'(x) = a
f(x)+2f(x)=ax+b+2a=6xf(x) + 2f'(x) = ax + b + 2a = 6x
よって、a=6a = 6 かつ b+2a=0b + 2a = 0 でなければならない。
f(0)=b=1f(0) = b = 1
b+2a=1+2(6)=130b + 2a = 1 + 2(6) = 13 \neq 0
f(x)f(x) が多項式関数であること、f(x)+2f(x)=6xf(x) + 2f'(x) = 6x であること、f(0)=1f(0)=1 であることの3つを全て満たすことは不可能である。
問題文中の f(x)+2f(x)=6xf(x) + 2f'(x) = 6xf(x)+2xf(x)=6xf(x) + 2xf'(x) = 6x である場合を考える。
f(x)=ax+bf(x) = ax + b とおく。
f(x)=af'(x) = a
f(x)+2xf(x)=ax+b+2xa=(3a)x+b=6xf(x) + 2xf'(x) = ax + b + 2xa = (3a)x + b = 6x
3a=63a = 6 より a=2a = 2
b=0b = 0
f(x)=2xf(x) = 2x となり、f(0)=0f(0) = 0 となるので、f(0)=1f(0) = 1 を満たさない。
問題文中の f(x)+2f(x)=6xf(x) + 2f'(x) = 6xf(x)+2f(x)=6f(x) + 2f'(x) = 6 である場合を考える。
f(x)=ax+bf(x) = ax + b とおく。
f(x)=af'(x) = a
f(x)+2f(x)=ax+b+2a=6f(x) + 2f'(x) = ax + b + 2a = 6
a=0a = 0 より、f(x)f(x) は定数関数である。
f(x)=bf(x) = b
f(0)=b=1f(0) = b = 1
b+2a=1=6b + 2a = 1 = 6 となり矛盾する。
もう一度問題をよく見ると、f(x)+2f(x)=6xf(x) + 2f'(x) = 6x である。
f(x)=ax+bf(x) = ax+b とおく。
f(x)=af'(x) = a
f(x)+2f(x)=ax+b+2a=6xf(x) + 2f'(x) = ax + b + 2a = 6x
a=6,b+2a=0a = 6, b + 2a = 0
b+12=0,b=12b + 12 = 0, b = -12
f(x)=6x12f(x) = 6x - 12
f(0)=121f(0) = -12 \neq 1
f(x)=ax2+bx+cf(x) = ax^2 + bx + c と仮定する。
f(x)=2ax+bf'(x) = 2ax + b
f(x)+2f(x)=ax2+bx+c+2(2ax+b)=ax2+(b+4a)x+c+2b=6xf(x) + 2f'(x) = ax^2 + bx + c + 2(2ax + b) = ax^2 + (b+4a)x + c + 2b = 6x
a=0,b+4a=6,c+2b=0a = 0, b+4a = 6, c+2b = 0
a=0,b=6,c=12a = 0, b = 6, c = -12
f(x)=6x12f(x) = 6x - 12
f(0)=121f(0) = -12 \neq 1
f(x)f(x) の次数を決定する際に、最高次の項の係数が0になる可能性を考慮する必要がある。
f(x)=ax+bf(x) = ax+b とおいた場合、f(x)=af'(x)=a
f(x)+2f(x)=ax+b+2a=6xf(x)+2f'(x) = ax+b+2a = 6x
より、a=6a=6 かつ b+2a=0b+2a = 0 である必要がある。
f(0)=b=1f(0)=b=1 であり、b+2a=0b+2a=0 より 1+2(6)=13=01+2(6) = 13 = 0 となり矛盾する。
したがって、条件を満たす多項式関数は存在しない。

3. 最終的な答え

(1) 条件を満たす f(x)f(x) は存在しないので、次数も存在しない。
(2) 条件を満たす f(x)f(x) は存在しない。

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