実数 $m$ に対して、方程式 $|x|(x-4) = 2x + m$ が異なる3つの実数解を持つような $m$ の値の範囲を求める問題です。

代数学絶対値方程式グラフ二次方程式解の個数
2025/7/10

1. 問題の内容

実数 mm に対して、方程式 x(x4)=2x+m|x|(x-4) = 2x + m が異なる3つの実数解を持つような mm の値の範囲を求める問題です。

2. 解き方の手順

まず、y=x(x4)y = |x|(x-4) のグラフを描きます。
x0x \geq 0 のとき、y=x(x4)=x24xy = x(x-4) = x^2 - 4x です。このグラフは下に凸な放物線で、頂点は (2,4)(2, -4) です。
x<0x < 0 のとき、y=x(x4)=x2+4xy = -x(x-4) = -x^2 + 4x です。このグラフは上に凸な放物線で、頂点は (2,4)(2, 4) です。しかし、この領域では x<0x < 0 なので、x=2x=2 は定義域に含まれません。頂点の座標は実際には (2,4)(2,4)ではありません。y=(x24x+4)+4=(x2)2+4y = -(x^2-4x+4)+4 = -(x-2)^2+4.
次に、y=2x+my = 2x + m のグラフを描きます。これは傾きが2で、yy切片が mm の直線です。
y=x(x4)y = |x|(x-4) のグラフと y=2x+my = 2x + m のグラフが3つの異なる交点を持つような mm の範囲を求めます。
x>0x>0 のとき、x24x=2x+mx^2-4x = 2x+m より、x26xm=0x^2-6x-m = 0
x<0x<0 のとき、x2+4x=2x+m-x^2+4x = 2x+m より、x22x+m=0x^2-2x+m = 0
x26xm=0x^2-6x-m = 0 の判別式をD1D_1とすると、D1=(6)24(1)(m)=36+4mD_1 = (-6)^2 - 4(1)(-m) = 36 + 4m
x22x+m=0x^2-2x+m = 0 の判別式をD2D_2とすると、D2=(2)24(1)(m)=44mD_2 = (-2)^2 - 4(1)(m) = 4 - 4m
D1>0D_1 > 0 より 36+4m>036+4m>0 なので、m>9m > -9
D2>0D_2 > 0 より 44m>04-4m>0 なので、m<1m < 1
また、x26xm=0x^2-6x-m = 0 の解を x1,x2x_1, x_2 とすると、x1+x2=6x_1+x_2 = 6, x1x2=mx_1x_2 = -m
x22x+m=0x^2-2x+m = 0 の解を x3,x4x_3, x_4 とすると、x3+x4=2x_3+x_4 = 2, x3x4=mx_3x_4 = m
グラフを描いて考えると、放物線 y=x24xy = x^2-4x の頂点の yy 座標は -4 であり、y=2x+my = 2x+m が頂点を通るとき、2×2+m=42 \times 2 + m = -4 より、4+m=44+m = -4 で、m=8m = -8。このとき、解は2個。
放物線 y=x2+4xy = -x^2+4x は原点を通る。x=0x=0 のとき、0=2(0)+m0 = 2(0)+m なので、m=0m=0。このとき解は2個。
y=x24xy = x^2-4xx=0x=0 の時、y=0y=0なので、 2(0)+m=02(0)+m = 0, m=0m = 0.
条件を満たすには、m>9m > -9 かつ m<1m<1 で、且つ、 x>0x > 0となる解を1つ、x<0x<0となる解を2つ持てばよい。m=0m=0の時は、x>0x>0となる解がx=6x=6x<0x<0となる解がx=0x=0x=2x=2 (不適)。
3つの実数解を持つ条件は、x22x+m=0x^2-2x+m = 0 が2つの負の解を持ち、x26xm=0x^2-6x-m=0が正の解を持つことです。
D2>0D_2>0より、m<1m<1
x3x4>0x_3x_4>0より、m>0m>0
x3+x4<0x_3+x_4<0より、2<02<0 (不適)。
したがって、0<m<10<m<1の場合、x22x+m=0x^2-2x+m=0 は2つの解を持ち、それらの解の和が2>02>0なので、0<x<20<x<2.
m=0m=0の場合、解は0, 2。 mmが増加すると、解は虚数となる。
D1=36+4m>0D_1 = 36+4m > 0, m>9m > -9.
m=0m=0のとき、 x(x4)=2x|x|(x-4)=2xx(x4)=2xx(x-4)=2xより、x26x=0x^2-6x=0, x(x6)=0x(x-6)=0. x=0,6x=0,6. x(x4)=2x-x(x-4)=2xより、x2+4x=2x-x^2+4x=2x, x22x=0x^2-2x=0, x(x2)=0x(x-2)=0, x=0,2x=0,2.よって解はx=0,2,6x=0, 2, 6.
異なる3つの解を持つのは、0<m<30 < m < 3

3. 最終的な答え

0<m<30 < m < 3

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