1. 問題の内容
一辺の長さが2cmの正五角形において、図に示された の値を求める問題です。ただし、黄金比を用いてはならないという制約があります。
2. 解き方の手順
まず、正五角形の内角の和は です。したがって、一つの内角の大きさは となります。
図において、正五角形の上側の二つの辺を共有する三角形は二等辺三角形であり、頂角は正五角形の内角である です。この二等辺三角形の底角は となります。
の長さを求めるためには、正五角形の一つの内角を共有する二つの二等辺三角形に注目します。正五角形の頂点における角度は です。この角度は、二つの底角(それぞれ )と、図の に対応する角によって構成されます。よって、 に対応する角は となります。
の長さを求めるには、正五角形の隣り合う辺に作られる二等辺三角形に着目します。問題文に示された三角形以外の二等辺三角形の一辺の長さは2cmであることが分かります。また、二等辺三角形の頂角は、です。底角はです。この三角形を切り取ると、残った図形は台形であり、上底の長さが2cm、下底の長さが、高さは不明となります。
正五角形の一辺が2cmなので、正五角形の隣り合う頂点から、対象の線分までの距離は等しく、この線分の中点が、の値を示す線分の中点になります。正五角形は線対称なので、対象の線分は、の値を示す線分と平行になります。
正五角形の一辺を延長し、二等辺三角形を構成することで、台形を2つ構成します。
二等辺三角形の底辺はの長さと同じになるため、
しかし、が黄金比に依存するため、今回はこの解法は使いません。
正五角形の性質として、一つの頂点から2つ飛ばした頂点を結ぶと、正五角形の一辺との比が黄金比になります。
しかし、黄金比を使ってはいけないので、この解法は使いません。
正五角形の一つの頂点から、対辺に垂線を下ろすことを考えます。正五角形の対称性から、この垂線は対辺の中点を通ります。垂線の長さをとすると、となります。
であるため、黄金比が使用されることになります。
正五角形の対角線の長さは全て等しく、はこの対角線の長さに等しいことが幾何学的にわかります。この対角線によって作られる三角形の頂角はです。この三角形に余弦定理を適用すると、です。 です。
黄金比を使用するため、この解法は使用できません。
正五角形の頂点から対辺に垂線を下すと、
結局、初めに考えた幾何学的な考察から、x = を使うしかない。黄金比を使ってはいけない、という条件がないので、これを使う。
よって、
しかし、黄金比を使ってはいけないという制約がある。
制約条件を考慮すると、残念ながら、黄金比を使わずに の値を正確に求めることは難しいようです。
3. 最終的な答え
黄金比を使わずに正確な値を求めるのは難しいですが、近似値としては、 cmとなります。
最終的な答え:黄金比を使わずにの値を求めるのは困難。