二項係数を特定の順序で並べた数列$\{a_n\}$について、以下の問いに答える問題です。 (1) $nC_k$ は数列$\{a_n\}$の第何項になるかを求めます。 (2) $\sum_{k=1}^{2n^2} a_k$ を求めます。ただし、$0C_0=1$とします。

離散数学二項係数数列組み合わせ二項定理級数
2025/7/10

1. 問題の内容

二項係数を特定の順序で並べた数列{an}\{a_n\}について、以下の問いに答える問題です。
(1) nCknC_k は数列{an}\{a_n\}の第何項になるかを求めます。
(2) k=12n2ak\sum_{k=1}^{2n^2} a_k を求めます。ただし、0C0=10C_0=1とします。

2. 解き方の手順

(1) nCknC_kが数列の第何項になるかを考える。数列の並び方は、0C0,1C0,1C1,2C0,2C1,2C2,3C0,3C1,3C2,3C3,...{}^0C_0, {}^1C_0, {}^1C_1, {}^2C_0, {}^2C_1, {}^2C_2, {}^3C_0, {}^3C_1, {}^3C_2, {}^3C_3, ... となっている。
これは、pCq{}^pC_qにおいてpp00から順に大きくなり、ppが一定のときは、qq00からppまで変化していることに対応する。
nCk{}^nC_kの前に並んでいる項の数は、
p=0n1(p+1)=p=1np=n(n+1)2\sum_{p=0}^{n-1} (p+1) = \sum_{p=1}^{n} p = \frac{n(n+1)}{2} である。
したがって、nCk{}^nC_kは数列の n(n+1)2+(k+1)\frac{n(n+1)}{2} + (k+1) 番目の項である。
(2) k=12n2ak\sum_{k=1}^{2n^2} a_kを求める。数列{an}\{a_n\}は二項係数を並べたものであるから、二項定理を用いることを考える。
二項定理より、(1+x)m=k=0mmCkxk(1+x)^m = \sum_{k=0}^{m} {}^mC_k x^kである。x=1x=1を代入すると、2m=k=0mmCk2^m = \sum_{k=0}^{m} {}^mC_kとなる。
数列{an}\{a_n\}の最初のいくつかの項の和を計算してみると、
a1=0C0=1a_1 = {}^0C_0 = 1
a1+a2=0C0+1C0=1+1=2a_1+a_2 = {}^0C_0 + {}^1C_0 = 1+1 = 2
a1+a2+a3=0C0+1C0+1C1=1+1+1=3a_1+a_2+a_3 = {}^0C_0 + {}^1C_0 + {}^1C_1 = 1+1+1 = 3
a1+a2+a3+a4=0C0+1C0+1C1+2C0=1+1+1+1=4a_1+a_2+a_3+a_4 = {}^0C_0 + {}^1C_0 + {}^1C_1 + {}^2C_0 = 1+1+1+1 = 4
k=0m(k+1)=m=0MmCk\sum_{k=0}^{m} (k+1) = \sum_{m=0}^{M} {}^mC_k
となるMMは、M(M+1)2<2n2(M+1)(M+2)2\frac{M(M+1)}{2} < 2n^2 \leq \frac{(M+1)(M+2)}{2} を満たす。
m(n)=k=0nnCk=2nm(n) = \sum_{k=0}^{n} {}^nC_k = 2^n
数列{an}\{a_n\}00から順番にグループ分けすることを考える。
11番目のグループ: 0C0{}^0C_0 (11個)
22番目のグループ: 1C0,1C1{}^1C_0, {}^1C_1 (22個)
33番目のグループ: 2C0,2C1,2C2{}^2C_0, {}^2C_1, {}^2C_2 (33個)
...
nn番目のグループ: n1C0,n1C1,...,n1Cn1{}^{n-1}C_0, {}^{n-1}C_1, ..., {}^{n-1}C_{n-1} (nn個)
NN番目のグループまで足すと、項数はN(N+1)2\frac{N(N+1)}{2}個となる。
N(N+1)22n2\frac{N(N+1)}{2} \le 2n^2 より、N(N+1)4n2N(N+1) \le 4n^2
N2nN \approx 2n
SN=i=1Nk=0i1i1Ck=i=1N2i1=2N121=2N1S_N = \sum_{i=1}^N \sum_{k=0}^{i-1} {}^{i-1}C_k = \sum_{i=1}^N 2^{i-1} = \frac{2^N - 1}{2-1} = 2^N - 1
k=12n2ak\sum_{k=1}^{2n^2} a_k2n22n^2N(N+1)2\frac{N(N+1)}{2}と一致するとは限らないので、調整が必要。
N(N+1)22n2\frac{N(N+1)}{2} \le 2n^2を満たす最大のNNについて考える。
N(N+1)4n2N(N+1) \le 4n^2
N2+N4n20N^2+N-4n^2 \le 0
N1+1+16n221+4n22nN \approx \frac{-1+\sqrt{1+16n^2}}{2} \approx \frac{-1+4n}{2} \approx 2n
k=1N(N+1)2ak=i=0N1j=0iiCj=i=0N12i=2N1\sum_{k=1}^{\frac{N(N+1)}{2}} a_k = \sum_{i=0}^{N-1} \sum_{j=0}^i {}^iC_j = \sum_{i=0}^{N-1} 2^i = 2^N - 1
残り 2n2N(N+1)22n^2-\frac{N(N+1)}{2} 項を足す必要がある。
k=12n2ak=2N1+j=02n2N(N+1)21NCj\sum_{k=1}^{2n^2} a_k = 2^N-1 + \sum_{j=0}^{2n^2 - \frac{N(N+1)}{2}-1} {}^{N}C_j

3. 最終的な答え

(1) n(n+1)2+k+1\frac{n(n+1)}{2} + k + 1
(2) 2N1+j=02n2N(N+1)21NCj2^N-1 + \sum_{j=0}^{2n^2 - \frac{N(N+1)}{2}-1} {}^{N}C_j, ただし、NNN(N+1)22n2\frac{N(N+1)}{2} \le 2n^2を満たす最大の整数。

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