座標空間内の4点 $O(0,0,0)$, $A(1,1,1)$, $B(-1,2,3)$, $C(a,-1,4)$ が与えられている。 (1) $a$ が全実数を動くとき、三角形 $ABC$ の面積の最小値とそのときの $a$ の値を求めよ。 (2) (1) で求めた $a$ の値をとるとき、四面体 $OABC$ の体積を求めよ。

幾何学ベクトル空間図形面積体積外積四面体
2025/7/12

1. 問題の内容

座標空間内の4点 O(0,0,0)O(0,0,0), A(1,1,1)A(1,1,1), B(1,2,3)B(-1,2,3), C(a,1,4)C(a,-1,4) が与えられている。
(1) aa が全実数を動くとき、三角形 ABCABC の面積の最小値とそのときの aa の値を求めよ。
(2) (1) で求めた aa の値をとるとき、四面体 OABCOABC の体積を求めよ。

2. 解き方の手順

(1) まず、ベクトル AB\overrightarrow{AB}AC\overrightarrow{AC} を求める。
AB=OBOA=(11,21,31)=(2,1,2)\overrightarrow{AB} = \overrightarrow{OB} - \overrightarrow{OA} = (-1-1, 2-1, 3-1) = (-2, 1, 2)
AC=OCOA=(a1,11,41)=(a1,2,3)\overrightarrow{AC} = \overrightarrow{OC} - \overrightarrow{OA} = (a-1, -1-1, 4-1) = (a-1, -2, 3)
次に、ベクトル AB\overrightarrow{AB}AC\overrightarrow{AC} の外積 AB×AC\overrightarrow{AB} \times \overrightarrow{AC} を計算する。
AB×AC=(212)×(a123)=((1)(3)(2)(2)(2)(a1)(2)(3)(2)(2)(1)(a1))=(3+42a2+64a+1)=(72a+45a)\overrightarrow{AB} \times \overrightarrow{AC} = \begin{pmatrix} -2 \\ 1 \\ 2 \end{pmatrix} \times \begin{pmatrix} a-1 \\ -2 \\ 3 \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} (1)(3) - (2)(-2) \\ (2)(a-1) - (-2)(3) \\ (-2)(-2) - (1)(a-1) \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} 3+4 \\ 2a-2+6 \\ 4-a+1 \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} 7 \\ 2a+4 \\ 5-a \end{pmatrix}
三角形 ABCABC の面積 SS は、外積の大きさの半分で与えられる。
S=12AB×AC=1272+(2a+4)2+(5a)2=1249+4a2+16a+16+2510a+a2=125a2+6a+90S = \frac{1}{2} |\overrightarrow{AB} \times \overrightarrow{AC}| = \frac{1}{2} \sqrt{7^2 + (2a+4)^2 + (5-a)^2} = \frac{1}{2} \sqrt{49 + 4a^2 + 16a + 16 + 25 - 10a + a^2} = \frac{1}{2} \sqrt{5a^2 + 6a + 90}
SS が最小となるのは、平方根の中身 5a2+6a+905a^2 + 6a + 90 が最小となるときである。
5a2+6a+90=5(a2+65a)+90=5(a2+65a+(35)2(35)2)+90=5(a+35)25(925)+90=5(a+35)295+90=5(a+35)2+45095=5(a+35)2+44155a^2 + 6a + 90 = 5(a^2 + \frac{6}{5}a) + 90 = 5(a^2 + \frac{6}{5}a + (\frac{3}{5})^2 - (\frac{3}{5})^2) + 90 = 5(a + \frac{3}{5})^2 - 5(\frac{9}{25}) + 90 = 5(a + \frac{3}{5})^2 - \frac{9}{5} + 90 = 5(a + \frac{3}{5})^2 + \frac{450-9}{5} = 5(a + \frac{3}{5})^2 + \frac{441}{5}
したがって、a=35a = -\frac{3}{5} のとき、5a2+6a+905a^2 + 6a + 90 は最小値 4415\frac{441}{5} をとる。
そのときの三角形 ABCABC の面積の最小値は、
Smin=124415=12215=21510S_{min} = \frac{1}{2} \sqrt{\frac{441}{5}} = \frac{1}{2} \cdot \frac{21}{\sqrt{5}} = \frac{21\sqrt{5}}{10}
(2) 四面体 OABCOABC の体積 VV は、ベクトル OA\overrightarrow{OA}, OB\overrightarrow{OB}, OC\overrightarrow{OC} で作られる行列式の絶対値の 16\frac{1}{6} 倍で与えられる。
a=35a = -\frac{3}{5} のとき、OC=(35,1,4)\overrightarrow{OC} = (-\frac{3}{5}, -1, 4) である。
V=161111233514=161(243(1))1((1)43(35))+1((1)(1)2(35))V = \frac{1}{6} | \begin{vmatrix} 1 & 1 & 1 \\ -1 & 2 & 3 \\ -\frac{3}{5} & -1 & 4 \end{vmatrix} | = \frac{1}{6} | 1(2\cdot4 - 3\cdot(-1)) - 1((-1)\cdot4 - 3\cdot(-\frac{3}{5})) + 1((-1)\cdot(-1) - 2\cdot(-\frac{3}{5})) |
=16(8+3)(4+95)+(1+65)=1611+495+1+65=161635=168035=16775=7730= \frac{1}{6} | (8+3) - (-4 + \frac{9}{5}) + (1 + \frac{6}{5}) | = \frac{1}{6} | 11 + 4 - \frac{9}{5} + 1 + \frac{6}{5} | = \frac{1}{6} | 16 - \frac{3}{5} | = \frac{1}{6} | \frac{80-3}{5} | = \frac{1}{6} \cdot \frac{77}{5} = \frac{77}{30}

3. 最終的な答え

(1) 三角形 ABCABC の面積の最小値は 21510\frac{21\sqrt{5}}{10} で、そのときの aa の値は 35-\frac{3}{5}
(2) 四面体 OABCOABC の体積は 7730\frac{77}{30}

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