関数 $f: \mathbb{R} \to \mathbb{R}$ について、以下の問いに答える問題です。 (1) $f$ が $x=a$ で連続であることの定義を $\epsilon$ と $\delta$ を用いて述べる。 (2) $f$ が $x=a$ で連続ならば、点 $a$ に収束する任意の数列 $\{x_n\}$ に対し、数列 $\{f(x_n)\}$ が $f(a)$ に収束することを示す。 (3) 逆に、点 $a$ に収束する任意の数列 $\{x_n\}$ に対し、数列 $\{f(x_n)\}$ が $f(a)$ に収束するならば、$f$ は $x=a$ で連続になることを示す。

1. 問題の内容

関数 $f: \mathbb{R} \to \mathbb{R}$ について、以下の問いに答える問題です。

(1) $f$ が $x=a$ で連続であることの定義を $\epsilon$ と $\delta$ を用いて述べる。

(2) $f$ が $x=a$ で連続ならば、点 $a$ に収束する任意の数列 $\{x_n\}$ に対し、数列 $\{f(x_n)\}$ が $f(a)$ に収束することを示す。

(3) 逆に、点 $a$ に収束する任意の数列 $\{x_n\}$ に対し、数列 $\{f(x_n)\}$ が $f(a)$ に収束するならば、$f$ は $x=a$ で連続になることを示す。

2. 解き方の手順

(1) $f$ が $x=a$ で連続であることの定義

任意の $\epsilon > 0$ に対して、ある $\delta > 0$ が存在し、 $|x - a| < \delta$ ならば $|f(x) - f(a)| < \epsilon$ が成り立つ。

(2) $f$ が $x=a$ で連続ならば、点 $a$ に収束する任意の数列 $\{x_n\}$ に対し、数列 $\{f(x_n)\}$ が $f(a)$ に収束することを示す。

$f$ は $x=a$ で連続なので、任意の $\epsilon > 0$ に対して、ある $\delta > 0$ が存在し、 $|x - a| < \delta$ ならば $|f(x) - f(a)| < \epsilon$ が成り立つ。

数列 $\{x_n\}$ は $a$ に収束するので、任意の $\delta > 0$ に対して、ある $N \in \mathbb{N}$ が存在し、$n > N$ ならば $|x_n - a| < \delta$ が成り立つ。

したがって、$n > N$ ならば $|x_n - a| < \delta$ であるから、 $|f(x_n) - f(a)| < \epsilon$ が成り立つ。

これは、数列 $\{f(x_n)\}$ が $f(a)$ に収束することを意味する。

(3) 逆に、点 $a$ に収束する任意の数列 $\{x_n\}$ に対し、数列 $\{f(x_n)\}$ が $f(a)$ に収束するならば、$f$ は $x=a$ で連続になることを示す。

背理法を用いて示す。$f$ が $x=a$ で連続でないと仮定する。

このとき、ある $\epsilon > 0$ が存在し、任意の $\delta > 0$ に対して、$|x - a| < \delta$ かつ $|f(x) - f(a)| \geq \epsilon$ となる $x$ が存在する。

特に、任意の $n \in \mathbb{N}$ に対して、$\delta = \frac{1}{n}$ とすると、$|x_n - a| < \frac{1}{n}$ かつ $|f(x_n) - f(a)| \geq \epsilon$ となる $x_n$ が存在する。

このとき、数列 $\{x_n\}$ は $a$ に収束する。なぜなら、$|x_n - a| < \frac{1}{n}$ より、$\lim_{n \to \infty} |x_n - a| = 0$ となるからである。

しかし、数列 $\{f(x_n)\}$ は $f(a)$ に収束しない。なぜなら、$|f(x_n) - f(a)| \geq \epsilon$ であるからである。

これは仮定に矛盾する。なぜなら、点 $a$ に収束する任意の数列 $\{x_n\}$ に対し、数列 $\{f(x_n)\}$ が $f(a)$ に収束すると仮定したからである。

したがって、$f$ は $x=a$ で連続である。

3. 最終的な答え

(1) $f$ が $x=a$ で連続であるとは、任意の $\epsilon > 0$ に対して、ある $\delta > 0$ が存在し、 $|x - a| < \delta$ ならば $|f(x) - f(a)| < \epsilon$ が成り立つことである。

(2) $f$ が $x=a$ で連続ならば、点 $a$ に収束する任意の数列 $\{x_n\}$ に対し、数列 $\{f(x_n)\}$ が $f(a)$ に収束する。

(3) 逆に、点 $a$ に収束する任意の数列 $\{x_n\}$ に対し、数列 $\{f(x_n)\}$ が $f(a)$ に収束するならば、$f$ は $x=a$ で連続である。