直角三角形ABCにおいて、点PはBからAへ、Aで折り返してBへ、点QはCからBへ、それぞれ毎秒2の速さで移動する。三角形PBQの面積を$S(t)$とする。 (1) $0 \le t \le 3$のとき、$S(t)$を求め、$3 \le t \le 6$のとき、$S(t)$を求める。 (2) $S(t) = 10$を満たす$t$の値を求める。 (3) $0 \le a \le 5$とする。関数$S(t)$の$a \le t \le a+1$における最大値を$M$、最小値を$m$とする。 (i) $0 \le a \le 2$のとき、$M$を求める。 (ii) $m = S(a)$となる$a$の値の範囲を求める。 (iii) $M - m = 8$となる$a$のうち、2番目に大きいものを求める。

1. 問題の内容

直角三角形ABCにおいて、点PはBからAへ、Aで折り返してBへ、点QはCからBへ、それぞれ毎秒2の速さで移動する。三角形PBQの面積を$S(t)$とする。

(1) $0 \le t \le 3$のとき、$S(t)$を求め、$3 \le t \le 6$のとき、$S(t)$を求める。

(2) $S(t) = 10$を満たす$t$の値を求める。

(3) $0 \le a \le 5$とする。関数$S(t)$の$a \le t \le a+1$における最大値を$M$、最小値を$m$とする。

(i) $0 \le a \le 2$のとき、$M$を求める。

(ii) $m = S(a)$となる$a$の値の範囲を求める。

(iii) $M - m = 8$となる$a$のうち、2番目に大きいものを求める。

2. 解き方の手順

(1)

$0 \le t \le 3$のとき、BP = $2t$, BQ = $12 - 2t$である。

$S(t) = \frac{1}{2} \times BP \times BQ = \frac{1}{2} \times 2t \times (12-2t) = t(12-2t) = 12t - 2t^2$.

$3 \le t \le 6$のとき、点PはAを折り返してBに向かっている。

BA = 6なので、点PがAに到達するまでの時間は3秒である。

したがって、PはAから$2(t-3)$だけBに向かっている。

BP = $6 - 2(t-3) = 6 - 2t + 6 = 12 - 2t$

BQ = $12 - 2t$

$S(t) = \frac{1}{2} \times BP \times BQ = \frac{1}{2} \times (12-2t) \times (12-2t) = (12-2t)^2 / 2 = 2(6-t)^2 = 2(t-6)^2 = 2(t^2 - 12t + 36) = 2t^2 - 24t + 72$

(2)

$S(t) = 10$となる$t$を求める。

$0 \le t \le 3$のとき、$12t - 2t^2 = 10 \implies 2t^2 - 12t + 10 = 0 \implies t^2 - 6t + 5 = 0 \implies (t-1)(t-5)=0$.

$t=1$ or $t=5$. $0 \le t \le 3$より、$t=1$.

$3 \le t \le 6$のとき、$2t^2 - 24t + 72 = 10 \implies 2t^2 - 24t + 62 = 0 \implies t^2 - 12t + 31 = 0$.

$t = \frac{12 \pm \sqrt{144 - 4 \times 31}}{2} = \frac{12 \pm \sqrt{144 - 124}}{2} = \frac{12 \pm \sqrt{20}}{2} = \frac{12 \pm 2\sqrt{5}}{2} = 6 \pm \sqrt{5}$.

$3 \le t \le 6$より、$t = 6 - \sqrt{5}$ ($6 - \sqrt{5} \approx 6 - 2.236 = 3.764$, $6 + \sqrt{5} \approx 8.236$).

したがって、$t=1$と$t=6-\sqrt{5}$。

(3)

(i) $0 \le a \le 2$のとき、$a \le t \le a+1$。

$S'(t) = 12 - 4t = 0 \implies t = 3$.

$S(0) = 0, S(3) = 12 \times 3 - 2 \times 3^2 = 36 - 18 = 18$.

$0 \le a \le 2$なので、$3 \notin [a, a+1]$.

$S(t) = 12t - 2t^2$ は、$t=3$で最大値をとるので、$t < 3$では単調増加、$t > 3$では単調減少する。

$S(a)$と$S(a+1)$の大きい方が$M$。

$S(a+1) - S(a) = 12(a+1) - 2(a+1)^2 - (12a - 2a^2) = 12a + 12 - 2(a^2 + 2a + 1) - 12a + 2a^2 = 12 - 2a^2 - 4a - 2 + 2a^2 = -4a + 10$.

$-4a+10 = 0$となるのは、$a = 2.5$のとき。

$0 \le a \le 2$のとき、$S(a+1) > S(a)$。

$M = S(a+1) = 12(a+1) - 2(a+1)^2 = 12a + 12 - 2(a^2 + 2a + 1) = 12a + 12 - 2a^2 - 4a - 2 = -2a^2 + 8a + 10$.

$a=2$のとき、$M = -2 \times 4 + 8 \times 2 + 10 = -8 + 16 + 10 = 18$.

(ii) $m = S(a)$

$S(t)$は$0 \le t \le 3$のとき、$S(t) = 12t - 2t^2$, $3 \le t \le 6$のとき、$S(t) = 2t^2 - 24t + 72$.

$a \le t \le a+1$

$0 \le a \le 3$のとき、最小値は$a$か$a+1$のどちらか。

$3 \le a \le 5$のとき、最小値は$a$か$a+1$のどちらか。

$a \le 3 \le a+1$のとき、最小値は$S(a)$か$S(a+1)$。

$2 \le a \le 3$のとき、最小値は$0$.

$m = S(a)$のとき、$S(a) \le S(a+1)$.

$0 \le a \le 3$のとき、$a+1 \le 3$, $12a - 2a^2 \le 12(a+1) - 2(a+1)^2$, $12a - 2a^2 \le -2a^2 + 8a + 10$, $4a \le 10$, $a \le 2.5$.

$3 \le a \le 5$のとき、$2a^2 - 24a + 72 \le 2(a+1)^2 - 24(a+1) + 72$, $2a^2 - 24a + 72 \le 2a^2 + 4a + 2 - 24a - 24 + 72$, $2a^2 - 24a + 72 \le 2a^2 - 20a + 50$, $-24a + 72 \le -20a + 50$, $22 \le 4a$, $a \ge 5.5$.

これはありえない。

$a \ge 3$のとき、$t=3$で$S(t)$は最大値。

$3 \le t \le 6$のとき、$S(t)$は$t=6$で最小値$0$.

$S(t) = 2t^2 - 24t + 72 = 2(t^2 - 12t + 36) = 2(t-6)^2$.

$a=5$のとき、$S(a) = 2(5-6)^2 = 2$, $S(6) = 0$.

$S(t)$は$3 \le a \le 5$で最小値を取る。

$m=S(a)$となるのは、$S(a) \le S(a+1)$.

$3 \le a \le 5$の範囲。

$3 \le a \le 5$のとき、$m=0$となる。この時のaの範囲は$2 \le a \le 3$。

$S(a) = 0$となるのは、$a=6$。ありえない。

$a \le 2.5$

$0 \le a \le 2.5$.

(iii)

$0 \le a \le 2$のとき、$M = -2a^2 + 8a + 10, m = S(a)$または$S(a+1)$。

$S(0) = 0, S(1) = 10, S(2) = 16, S(3) = 18$.

$M - m = 8$.

$M = -2a^2 + 8a + 10$

$M = S(a+1)$

最終的な答え

7: $12t-2t^2$

8: $2(6-t)^2$

9: $1, 6-\sqrt{5}$

10: 18

11: 2.5

12: 4