3次の整式 $P(x)$ があり、$P(x)$ を $x-2$ で割ると余りが 8, $(x-1)^2$ で割ると余りが $x+10$ である。$P(x)$ を $(x-2)(x-1)^2$ で割ったときの余りを求め、さらに $P(0) = 0$ であるとき、$P(x)$ を求める問題です。

1. 問題の内容

3次の整式 $P(x)$ があり、$P(x)$ を $x-2$ で割ると余りが 8, $(x-1)^2$ で割ると余りが $x+10$ である。$P(x)$ を $(x-2)(x-1)^2$ で割ったときの余りを求め、さらに $P(0) = 0$ であるとき、$P(x)$ を求める問題です。

2. 解き方の手順

(1) $P(x)$ を $(x-2)(x-1)^2$ で割ったときの余りを $ax^2+bx+c$ とする。ただし、$a, b, c$ は定数である。すると、

$P(x) = (x-2)(x-1)^2Q(x) + ax^2+bx+c$

と表せる。ここで $Q(x)$ はある整式。

(2) $P(x)$ を $x-2$ で割った余りが 8 であることから、余りの定理より、$P(2) = 8$。

$P(2) = a(2^2) + b(2) + c = 4a+2b+c = 8$

(3) $P(x)$ を $(x-1)^2$ で割った余りが $x+10$ であることから、

$P(x) = (x-1)^2 R(x) + x+10$

と表せる。ここで $R(x)$ はある整式。

$P(x) = (x-2)(x-1)^2Q(x) + ax^2+bx+c$

より、

$ax^2+bx+c = a(x-1)^2 + x+10$

$ax^2+bx+c = a(x^2-2x+1)+x+10 = ax^2+(-2a+1)x+a+10$

よって、$b = -2a+1$、$c = a+10$

(4) $4a+2b+c = 8$ に $b = -2a+1$、$c = a+10$ を代入すると、

$4a+2(-2a+1)+(a+10) = 8$

$4a-4a+2+a+10 = 8$

$a+12 = 8$

$a = -4$

(5) $a = -4$ より、$b = -2(-4)+1 = 9$、$c = -4+10 = 6$

よって、余りは $-4x^2+9x+6$

(6) $P(0) = 0$ より、

$P(0) = (0-2)(0-1)^2Q(0) + a(0)^2+b(0)+c = 0$

$-2Q(0) + 6 = 0$

$-2Q(0) = -6$

$Q(0) = 3$

$P(x) = (x-2)(x-1)^2 Q(x) -4x^2+9x+6$

$P(x)$は3次の整式なので、$Q(x)$は定数でなければならない。したがって、$Q(x)=3$

$P(x) = 3(x-2)(x-1)^2 -4x^2+9x+6$

$P(x) = 3(x-2)(x^2-2x+1) -4x^2+9x+6$

$P(x) = 3(x^3-2x^2+x-2x^2+4x-2) -4x^2+9x+6$

$P(x) = 3(x^3-4x^2+5x-2) -4x^2+9x+6$

$P(x) = 3x^3-12x^2+15x-6 -4x^2+9x+6$

$P(x) = 3x^3-16x^2+24x$

3. 最終的な答え

$P(x)$ を $(x-2)(x-1)^2$ で割った余りは $-4x^2+9x+6$

$P(x) = 3x^3 - 16x^2 + 24x$