6個の球を3つの箱に入れる場合の数を、球と箱の区別の有無、および空箱の許容によって求めます。具体的には、以下の3つの場合について考えます。 (1) 球に区別がなく、箱に区別があるとき (a) 空箱があってもよい (b) 空箱はない (2) 球にも箱にも区別があり、空箱はない (3) 球に区別があり、箱に区別がなく、空箱はない

離散数学組み合わせ重複組み合わせ第2種スターリング数包除原理
2025/7/13

1. 問題の内容

6個の球を3つの箱に入れる場合の数を、球と箱の区別の有無、および空箱の許容によって求めます。具体的には、以下の3つの場合について考えます。
(1) 球に区別がなく、箱に区別があるとき
(a) 空箱があってもよい
(b) 空箱はない
(2) 球にも箱にも区別があり、空箱はない
(3) 球に区別があり、箱に区別がなく、空箱はない

2. 解き方の手順

(1) 球に区別がなく、箱に区別があるとき
(a) 空箱があってもよい場合
これは、6個の球を3つの箱に入れる方法を求める問題で、空箱があってもよいので、重複組み合わせの問題として考えることができます。
nn個のものをrr個の箱に入れる場合の数は、重複組み合わせ n+r1Cr1{}_{n+r-1}C_{r-1} で計算できます。
この場合、n=6n=6 (球の数) , r=3r=3 (箱の数)なので、
6+31C31=8C2=8×72×1=28{}_{6+3-1}C_{3-1} = {}_{8}C_{2} = \frac{8 \times 7}{2 \times 1} = 28通り
(b) 空箱がない場合
これは、6個の球を3つの箱に入れる方法を求める問題で、空箱があってはいけないので、まず各箱に1個ずつ球を入れ、残りの3個の球を3つの箱に自由に配分する方法を考えます。
n=63=3n'=6-3=3個の球をr=3r=3個の箱に入れる場合の数は、重複組み合わせ n+r1Cr1{}_{n'+r-1}C_{r-1} で計算できます。
3+31C31=5C2=5×42×1=10{}_{3+3-1}C_{3-1} = {}_{5}C_{2} = \frac{5 \times 4}{2 \times 1} = 10通り
(2) 球にも箱にも区別があり、空箱はない場合
これは、6個の区別できる球を3つの区別できる箱に入れる方法を求める問題で、空箱があってはいけないので、各箱に少なくとも1個は球が入っている必要があります。
まず、6個の球を3つのグループに分ける方法を考えます。ありうる分け方は、(4,1,1), (3,2,1), (2,2,2)の3パターンです。
(4,1,1)のとき、グループ分けの方法は、6C4×2C1×1C1×12!=15{}_{6}C_{4} \times {}_{2}C_{1} \times {}_{1}C_{1} \times \frac{1}{2!} = 15通り。3つの箱への入れ方は3!=63! = 6通りなので、15×3=4515 \times 3 = 45
(3,2,1)のとき、グループ分けの方法は、6C3×3C2×1C1=20×3=60{}_{6}C_{3} \times {}_{3}C_{2} \times {}_{1}C_{1} = 20 \times 3 = 60通り。3つの箱への入れ方は3!=63! = 6通りなので、60×6=36060 \times 6 = 360通り。
(2,2,2)のとき、グループ分けの方法は、6C2×4C2×2C2×13!=15×6×1×16=15{}_{6}C_{2} \times {}_{4}C_{2} \times {}_{2}C_{2} \times \frac{1}{3!} = 15 \times 6 \times 1 \times \frac{1}{6} = 15通り。3つの箱への入れ方は3!=63! = 6通りなので、15×6=9015 \times 6 = 90通り。
しかし、これは箱の区別を無視しているので、グループに分けて箱に入れることを考えると、(4,1,1)の場合、6C4×2C1×1C1=6!4!1!1!12!=15{}_{6}C_{4} \times {}_{2}C_{1} \times {}_{1}C_{1} = \frac{6!}{4!1!1!} \frac{1}{2!} = 15通りに分け、3つの箱に分ける方法は 3!/2!=33!/2! = 3通りあります。したがって15×3=4515 \times 3 = 45通り。(3,2,1)の場合は、6!/(3!2!1!)=606!/(3!2!1!) = 60通りの分け方があり、3つの箱に分ける方法は3!=63! = 6通りあるので、60×6=36060 \times 6 = 360通り。(2,2,2)の場合は、6!/(2!2!2!)=906!/(2!2!2!) = 90通りに分け、3つの箱に分ける方法は3!=63!= 6通りありますが、同じ個数なので、60×6=90×6/6=1560 \times 6 = 90 \times 6 / 6=15 通り。箱の区別を考慮すると 15×16=1515 \times \frac{1}{6} =15通り。箱の区別はあり3個のグループを並べ替えるので 66をかける。6C2×4C2×2C2/(3!)(3!)=15{}_{6}C_{2} \times {}_{4}C_{2} \times {}_{2}C_{2} / (3! ) * (3!) = 15通り。
したがって、90/6×3!=9090 /6 \times 3!=90通り。
したがって、45+360+90=54045+360+90=540通りとなります。
もしくは包除原理を用いる。
3^6 - 3 * 2^6 + 3 = 729 - 192 + 3 = 540
(3) 球に区別があり、箱に区別がなく、空箱はない場合
これは、6個の区別できる球を3つの区別のない箱に入れる方法を求める問題で、空箱があってはいけないので、各箱に少なくとも1個は球が入っている必要があります。これは第2種スターリング数と呼ばれるものです。
S(n,k)=1k!i=0k(1)ikCi(ki)nS(n, k) = \frac{1}{k!} \sum_{i=0}^{k} (-1)^i {}_{k}C_{i} (k-i)^n
S(6,3)=13!i=03(1)i3Ci(3i)6=16[3C0(3)63C1(2)6+3C2(1)63C3(0)6]S(6, 3) = \frac{1}{3!} \sum_{i=0}^{3} (-1)^i {}_{3}C_{i} (3-i)^6 = \frac{1}{6} [{}_{3}C_{0} (3)^6 - {}_{3}C_{1} (2)^6 + {}_{3}C_{2} (1)^6 - {}_{3}C_{3} (0)^6 ]
=16[1×7293×64+3×11×0]=16[729192+3]=5406=90 = \frac{1}{6} [1 \times 729 - 3 \times 64 + 3 \times 1 - 1 \times 0 ] = \frac{1}{6} [729 - 192 + 3] = \frac{540}{6} = 90通り

3. 最終的な答え

(1) 球に区別がなく、箱に区別があるとき
(a) 空箱があってもよい:28通り
(b) 空箱はない:10通り
(2) 球にも箱にも区別があり、空箱はない:540通り
(3) 球に区別があり、箱に区別がなく、空箱はない:90通り

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