曲線 $y = \sqrt{x}$ ($x \geq 0$) を $C$ とする。点 $(0, 1)$ を $P_1$, 点 $(1, 1)$ を $T_1$ とする。$T_1$ における $C$ の接線が $y$ 軸と交わる点を $P_2$ とおき, $P_2$ を通り $x$ 軸に平行な直線が $C$ と交わる点を $T_2$ とおく。$T_2$ における $C$ の接線が $y$ 軸と交わる点を $P_3$ とおき, $P_3$ を通り $x$ 軸に平行な直線が $C$ と交わる点を $T_3$ とおく。以下, この操作を続け, $y$ 軸上に点列 $P_1, P_2, P_3, \dots, P_n, \dots$ をとり, $C$ 上に点列 $T_1, T_2, T_3, \dots, T_n, \dots$ をとる。 (1) $T_2$ と $T_3$ の座標を求めよ。 (2) $P_n$ と $T_n$ の座標を $n$ を用いて表せ。 (3) $\triangle T_n P_n P_{n+1}$ の面積を $S_n$ とするとき $\sum_{n=1}^{\infty} S_n$ を求めよ。

解析学接線数列面積無限級数微分
2025/7/14

1. 問題の内容

曲線 y=xy = \sqrt{x} (x0x \geq 0) を CC とする。点 (0,1)(0, 1)P1P_1, 点 (1,1)(1, 1)T1T_1 とする。T1T_1 における CC の接線が yy 軸と交わる点を P2P_2 とおき, P2P_2 を通り xx 軸に平行な直線が CC と交わる点を T2T_2 とおく。T2T_2 における CC の接線が yy 軸と交わる点を P3P_3 とおき, P3P_3 を通り xx 軸に平行な直線が CC と交わる点を T3T_3 とおく。以下, この操作を続け, yy 軸上に点列 P1,P2,P3,,Pn,P_1, P_2, P_3, \dots, P_n, \dots をとり, CC 上に点列 T1,T2,T3,,Tn,T_1, T_2, T_3, \dots, T_n, \dots をとる。
(1) T2T_2T3T_3 の座標を求めよ。
(2) PnP_nTnT_n の座標を nn を用いて表せ。
(3) TnPnPn+1\triangle T_n P_n P_{n+1} の面積を SnS_n とするとき n=1Sn\sum_{n=1}^{\infty} S_n を求めよ。

2. 解き方の手順

(1)
まず、y=xy = \sqrt{x} の導関数を求める。
y=12xy' = \frac{1}{2\sqrt{x}}
T1(1,1)T_1(1, 1) における接線の方程式は
y1=121(x1)y - 1 = \frac{1}{2\sqrt{1}}(x - 1)
y=12x+12y = \frac{1}{2}x + \frac{1}{2}
この接線が yy 軸と交わる点 P2P_2 の座標は (0,12)(0, \frac{1}{2})
P2P_2 を通り xx 軸に平行な直線と CC の交点 T2T_2yy 座標は 12\frac{1}{2} である。
y=xy = \sqrt{x} より 12=x\frac{1}{2} = \sqrt{x} なので、x=(12)2=14x = (\frac{1}{2})^2 = \frac{1}{4}
よって、T2(14,12)T_2(\frac{1}{4}, \frac{1}{2})
T2(14,12)T_2(\frac{1}{4}, \frac{1}{2}) における接線の方程式は
y12=1214(x14)y - \frac{1}{2} = \frac{1}{2\sqrt{\frac{1}{4}}}(x - \frac{1}{4})
y12=x14y - \frac{1}{2} = x - \frac{1}{4}
y=x+14y = x + \frac{1}{4}
この接線が yy 軸と交わる点 P3P_3 の座標は (0,14)(0, \frac{1}{4})
P3P_3 を通り xx 軸に平行な直線と CC の交点 T3T_3yy 座標は 14\frac{1}{4} である。
y=xy = \sqrt{x} より 14=x\frac{1}{4} = \sqrt{x} なので、x=(14)2=116x = (\frac{1}{4})^2 = \frac{1}{16}
よって、T3(116,14)T_3(\frac{1}{16}, \frac{1}{4})
(2)
P1(0,1),T1(1,1)P_1(0, 1), T_1(1, 1)
P2(0,12),T2(14,12)P_2(0, \frac{1}{2}), T_2(\frac{1}{4}, \frac{1}{2})
P3(0,14),T3(116,14)P_3(0, \frac{1}{4}), T_3(\frac{1}{16}, \frac{1}{4})
PnP_nyy 座標は 12n1\frac{1}{2^{n-1}} であり、座標は (0,12n1)(0, \frac{1}{2^{n-1}}) であると推測できる。
TnT_nxx 座標は (12n1)2=14n1(\frac{1}{2^{n-1}})^2 = \frac{1}{4^{n-1}} であり、yy 座標は 12n1\frac{1}{2^{n-1}} であると推測できる。
座標は (14n1,12n1)(\frac{1}{4^{n-1}}, \frac{1}{2^{n-1}}) である。
Pn(0,21n),Tn(41n,21n)P_n(0, 2^{1-n}), T_n(4^{1-n}, 2^{1-n}) と表せる。
数学的帰納法で証明する。
n=1のとき、P1(0,1),T1(1,1)P_1(0, 1), T_1(1, 1) で成立する。
n=kで成立すると仮定する。
Pk(0,21k),Tk(41k,21k)P_k(0, 2^{1-k}), T_k(4^{1-k}, 2^{1-k})
TkT_kにおける接線の方程式は
y21k=1241k(x41k)y - 2^{1-k} = \frac{1}{2\sqrt{4^{1-k}}}(x - 4^{1-k})
y21k=2k12(x41k)y - 2^{1-k} = \frac{2^{k-1}}{2}(x - 4^{1-k})
y21k=2k2(x41k)y - 2^{1-k} = 2^{k-2}(x - 4^{1-k})
y=2k2x2k241k+21ky = 2^{k-2}x - 2^{k-2}4^{1-k} + 2^{1-k}
y=2k2x2k2222k+21ky = 2^{k-2}x - 2^{k-2}2^{2-2k} + 2^{1-k}
y=2k2x2k+21ky = 2^{k-2}x - 2^{-k} + 2^{1-k}
y切片は、 Pk+1(0,2k+21k)=(0,2k(21))=(0,2k)P_{k+1}(0, - 2^{-k} + 2^{1-k}) = (0, 2^{-k} (2-1)) = (0, 2^{-k}).
これは 21(k+1)2^{1-(k+1)} であり、Pk+1(0,21(k+1))P_{k+1}(0, 2^{1-(k+1)}) となる。
Tk+1T_{k+1}yy 座標は 2k2^{-k}
y=xy = \sqrt{x} より x=(2k)2=22k=4kx = (2^{-k})^2 = 2^{-2k} = 4^{-k}
Tk+1(4k,2k)T_{k+1}(4^{-k}, 2^{-k}) となり、 Tk+1(41(k+1),21(k+1))T_{k+1}(4^{1-(k+1)}, 2^{1-(k+1)}) が成立する。
(3)
Pn(0,21n)P_n(0, 2^{1-n})
Pn+1(0,2n)P_{n+1}(0, 2^{-n})
Tn(41n,21n)T_n(4^{1-n}, 2^{1-n})
TnPnPn+1\triangle T_n P_n P_{n+1} の面積 Sn=1241n21n2n=1241n2n=1241n2n=12222n2n=12223n=213nS_n = \frac{1}{2} \cdot 4^{1-n} \cdot |2^{1-n} - 2^{-n}| = \frac{1}{2} \cdot 4^{1-n} \cdot |2^{-n}| = \frac{1}{2} \cdot 4^{1-n} \cdot 2^{-n} = \frac{1}{2} \cdot 2^{2-2n} \cdot 2^{-n} = \frac{1}{2} \cdot 2^{2-3n} = 2^{1-3n}
n=1Sn=n=1213n=n=12(23)n=n=12(18)n=218118=21878=217=27\sum_{n=1}^{\infty} S_n = \sum_{n=1}^{\infty} 2^{1-3n} = \sum_{n=1}^{\infty} 2 \cdot (2^{-3})^n = \sum_{n=1}^{\infty} 2 \cdot (\frac{1}{8})^n = 2 \cdot \frac{\frac{1}{8}}{1 - \frac{1}{8}} = 2 \cdot \frac{\frac{1}{8}}{\frac{7}{8}} = 2 \cdot \frac{1}{7} = \frac{2}{7}

3. 最終的な答え

(1) T2(14,12),T3(116,14)T_2(\frac{1}{4}, \frac{1}{2}), T_3(\frac{1}{16}, \frac{1}{4})
(2) Pn(0,21n),Tn(41n,21n)P_n(0, 2^{1-n}), T_n(4^{1-n}, 2^{1-n})
(3) 27\frac{2}{7}

「解析学」の関連問題

関数 $y = \arctan(\frac{v}{\mu})$ を $\mu$ で微分せよ。

微分arctan連鎖律導関数
2025/7/16

関数 $f(x, y)$ と $g(x, y)$ が与えられています。 $f(x,y) = \begin{cases} \frac{x}{y} \arctan(\frac{y}{x}) - \frac...

多変数関数極限偏微分合成関数
2025/7/16

$y = \arctan(\frac{u}{u})$ の微分を求める問題です。ここで、$\arctan(x)$は逆正接関数です。

微分逆正接関数導関数
2025/7/16

$\arctan(\frac{u}{u})$ の微分を計算します。

微分三角関数arctan
2025/7/16

$x = \log \sqrt{u^2 + v^2}$ の微分を求める問題です。ここでは、$\log$は自然対数(底が $e$)であると仮定します。また、$u$と$v$が独立変数であるかどうかは明記さ...

偏微分合成関数の微分対数関数
2025/7/16

与えられた式は $x = \log \sqrt{u^2 + v^2}$ です。この式をどのように扱うか、具体的な問題が不明なので、ここでは式の整理を行うことにします。

対数指数式の整理対数の性質
2025/7/16

与えられた条件の下で、以下の3つの命題を証明する。 (1) $\frac{\partial^2 f}{\partial x^2} + \frac{\partial^2 f}{\partial y^2}...

偏微分ラプラス方程式偏微分方程式座標変換
2025/7/16

与えられた関数や方程式から、指定された偏微分係数や導関数を求める問題です。具体的には、以下の4つの小問があります。 (1) $f(x,y) = \sin y + e^x - xy^2 = 0$ から ...

偏微分陰関数連立方程式合成関数
2025/7/16

以下の4つの定積分を計算します。 (1) $\int_{-1}^{0} 2^x 3^x \, dx$ (2) $\int_{0}^{\log 2} \frac{e^{4x} + 3e^{2x} - e...

定積分指数関数積分計算
2025/7/16

$\alpha$ の動径が第2象限、$\beta$ の動径が第1象限にあり、$\sin\alpha = \frac{2}{3}$, $\cos\beta = \frac{3}{5}$ のとき、$\si...

三角関数加法定理三角比象限
2025/7/16