1. 問題の内容
与えられた3つの行列を、それぞれ適切な正則行列を用いて対角化する問題です。
2. 解き方の手順
行列の対角化は、以下の手順で行います。
(1) 固有値を求める: 行列 の固有値 は、特性方程式 を解くことで得られます。ここで、 は単位行列です。
(2) 固有ベクトルを求める: 各固有値 に対して、 を満たす固有ベクトル を求めます。
(3) 対角化可能性の判定: 次の行列 が対角化可能であるためには、 個の線形独立な固有ベクトルを持つ必要があります。
(4) 対角化行列 と対角行列 を構成する: 固有ベクトルを並べて正則行列 を作り、固有値を対角成分に持つ対角行列 を作ります。
このとき、 となります。つまり、です。
以下、各行列について計算を行います。
(1)
特性方程式:
固有値:
固有ベクトル:
のとき、
のとき、
(2)
特性方程式:
固有値:
は3つの異なる固有値を持つので対角化可能です。固有ベクトルを求め、P, Dを計算できます。
(3)
特性方程式:
固有値: (重解)
固有空間の次元が2となるかを確認する必要があります。
の時
, つまり なので、.
この固有空間は次元2なので、対角化可能です。
3. 最終的な答え
(1)
(2) 固有値: .
(3) 固有値: . (重解)
固有ベクトルが求まれば、それを用いて同様に対角化できます。
行列(2)(3)については固有ベクトルを求めるところで計算ミスをしている可能性があります. 必要であれば、計算をやり直してください。