与えられた3つの行列を、適切な正則行列を用いて対角化する問題です。 (1) $\begin{pmatrix} 2 & 1 \\ -1 & 2 \end{pmatrix}$ (2) $\begin{pmatrix} 2 & -20 \\ 1 & -31 \\ 0 & -22 \end{pmatrix}$ これは正方行列ではないため、対角化できません。 (3) $\begin{pmatrix} 0 & -22 \\ 1 & -31 \\ 2 & -20 \end{pmatrix}$ これも正方行列ではないため、対角化できません。

はい、承知いたしました。画像にある3つの行列を対角化します。

1. 問題の内容

与えられた3つの行列を、適切な正則行列を用いて対角化する問題です。

(1) $\begin{pmatrix} 2 & 1 \\ -1 & 2 \end{pmatrix}$

(2) $\begin{pmatrix} 2 & -20 \\ 1 & -31 \\ 0 & -22 \end{pmatrix}$ これは正方行列ではないため、対角化できません。

(3) $\begin{pmatrix} 0 & -22 \\ 1 & -31 \\ 2 & -20 \end{pmatrix}$ これも正方行列ではないため、対角化できません。

2. 解き方の手順

行列 $A$ を対角化するには、以下の手順に従います。

(1) 固有値を求める。行列 $A$ の固有値 $\lambda$ は、特性方程式 $\det(A - \lambda I) = 0$ の解として求められます。ここで $I$ は単位行列です。

(2) 固有ベクトルを求める。各固有値 $\lambda$ に対して、$(A - \lambda I)v = 0$ を満たすベクトル $v$ が固有ベクトルとなります。

(3) 対角化可能性の確認。固有ベクトルが線形独立であるか確認します。n次正方行列$A$に対して、n個の線形独立な固有ベクトルが存在すれば、対角化可能です。

(4) 対角化。正則行列 $P$ を作り、その列ベクトルが線形独立な固有ベクトルとなるようにします。このとき、$P^{-1}AP$ は対角行列となり、その対角成分は固有値となります。

行列(1)の場合:

(1) 固有値を求める:

$A = \begin{pmatrix} 2 & 1 \\ -1 & 2 \end{pmatrix}$

$\det(A - \lambda I) = \det \begin{pmatrix} 2-\lambda & 1 \\ -1 & 2-\lambda \end{pmatrix} = (2-\lambda)^2 - (-1)(1) = \lambda^2 - 4\lambda + 4 + 1 = \lambda^2 - 4\lambda + 5 = 0$

$\lambda = \frac{4 \pm \sqrt{16 - 20}}{2} = \frac{4 \pm \sqrt{-4}}{2} = 2 \pm i$

(2) 固有ベクトルを求める:

$\lambda_1 = 2+i$の場合:

$\begin{pmatrix} 2-(2+i) & 1 \\ -1 & 2-(2+i) \end{pmatrix} \begin{pmatrix} x \\ y \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} -i & 1 \\ -1 & -i \end{pmatrix} \begin{pmatrix} x \\ y \end{pmatrix} = 0$

$-ix + y = 0 \Rightarrow y = ix$. よって、固有ベクトルは$v_1 = \begin{pmatrix} 1 \\ i \end{pmatrix}$。

$\lambda_2 = 2-i$の場合:

$\begin{pmatrix} 2-(2-i) & 1 \\ -1 & 2-(2-i) \end{pmatrix} \begin{pmatrix} x \\ y \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} i & 1 \\ -1 & i \end{pmatrix} \begin{pmatrix} x \\ y \end{pmatrix} = 0$

$ix + y = 0 \Rightarrow y = -ix$. よって、固有ベクトルは$v_2 = \begin{pmatrix} 1 \\ -i \end{pmatrix}$。

(3) 対角化:

$P = \begin{pmatrix} 1 & 1 \\ i & -i \end{pmatrix}$. このとき、$P^{-1} = \frac{1}{-2i} \begin{pmatrix} -i & -1 \\ -i & 1 \end{pmatrix} = \frac{1}{2i} \begin{pmatrix} -i & -1 \\ -i & 1 \end{pmatrix} = \frac{-i}{2} \begin{pmatrix} -i & -1 \\ -i & 1 \end{pmatrix} = \frac{1}{2} \begin{pmatrix} -1 & i \\ -1 & -i \end{pmatrix}$.

$P^{-1}AP = \begin{pmatrix} 2+i & 0 \\ 0 & 2-i \end{pmatrix}$.

3. 最終的な答え

(1)

$P = \begin{pmatrix} 1 & 1 \\ i & -i \end{pmatrix}$のとき、$P^{-1}AP = \begin{pmatrix} 2+i & 0 \\ 0 & 2-i \end{pmatrix}$

(2) 対角化不可能

(3) 対角化不可能