与えられた微分方程式 $y' - y = t$ を初期条件 $y(0) = 0$ の下で解く。

解析学微分方程式初期条件積分因子1階線形微分方程式部分積分
2025/7/14

1. 問題の内容

与えられた微分方程式 yy=ty' - y = t を初期条件 y(0)=0y(0) = 0 の下で解く。

2. 解き方の手順

この微分方程式は1階線形微分方程式なので、積分因子を求めることで解くことができる。
ステップ1:積分因子を求める。
微分方程式を y+p(t)y=q(t)y' + p(t)y = q(t) の形にすると、p(t)=1p(t) = -1q(t)=tq(t) = t となる。積分因子 μ(t)\mu(t) は、
μ(t)=ep(t)dt=e1dt=et\mu(t) = e^{\int p(t) dt} = e^{\int -1 dt} = e^{-t}
となる。
ステップ2:微分方程式の両辺に積分因子をかける。
etyety=tete^{-t}y' - e^{-t}y = te^{-t}
ステップ3:左辺を積の微分としてまとめる。
ddt(ety)=tet\frac{d}{dt}(e^{-t}y) = te^{-t}
ステップ4:両辺を積分する。
ddt(ety)dt=tetdt\int \frac{d}{dt}(e^{-t}y) dt = \int te^{-t} dt
ety=tetdte^{-t}y = \int te^{-t} dt
ステップ5:右辺を部分積分する。
tetdt=tet(et)dt=tetet+C\int te^{-t} dt = -te^{-t} - \int (-e^{-t}) dt = -te^{-t} - e^{-t} + C
したがって、
ety=tetet+Ce^{-t}y = -te^{-t} - e^{-t} + C
ステップ6:y(t)y(t) について解く。
y(t)=t1+Cety(t) = -t - 1 + Ce^{t}
ステップ7:初期条件 y(0)=0y(0) = 0 を用いて積分定数 CC を求める。
y(0)=01+Ce0=1+C=0y(0) = -0 - 1 + Ce^{0} = -1 + C = 0
したがって、C=1C = 1
ステップ8:解を求める。
y(t)=t1+ety(t) = -t - 1 + e^{t}

3. 最終的な答え

y(t)=ett1y(t) = e^t - t - 1

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