確率変数 $X$ の期待値を $E[X]$、分散を $V[X]$ とする。$X_1, X_2, ..., X_n$ はそれぞれ独立に $X$ と同じ分布に従う確率変数である。このとき、$X_1, X_2, ..., X_n$ の標本平均 $Y = \frac{X_1 + X_2 + ... + X_n}{n}$ について、以下の空欄を埋める。 (1) $Y$ は確率変数である。 (2) $E[Y] = E[\frac{X_1 + X_2 + ... + X_n}{n}] = $ (3) $V[Y] = V[\frac{X_1 + X_2 + ... + X_n}{n}] = $ (4) $n$ が大きくなるにつれて、

1. 問題の内容

確率変数 $X$ の期待値を $E[X]$、分散を $V[X]$ とする。$X_1, X_2, ..., X_n$ はそれぞれ独立に $X$ と同じ分布に従う確率変数である。このとき、$X_1, X_2, ..., X_n$ の標本平均 $Y = \frac{X_1 + X_2 + ... + X_n}{n}$ について、以下の空欄を埋める。

(1) $Y$ は確率変数である。

(2) $E[Y] = E[\frac{X_1 + X_2 + ... + X_n}{n}] =$

(3) $V[Y] = V[\frac{X_1 + X_2 + ... + X_n}{n}] =$

(4) $n$ が大きくなるにつれて、

2. 解き方の手順

(1) 標本平均は確率変数の和を定数で割ったものなので、確率変数である。

(2) 期待値の線形性より、

$E[Y] = E[\frac{X_1 + X_2 + ... + X_n}{n}] = \frac{1}{n}E[X_1 + X_2 + ... + X_n] = \frac{1}{n}(E[X_1] + E[X_2] + ... + E[X_n])$

$X_i$ は $X$ と同じ分布に従うので、$E[X_i] = E[X]$ である。したがって、

$E[Y] = \frac{1}{n}(E[X] + E[X] + ... + E[X]) = \frac{1}{n}(nE[X]) = E[X]$

(3) 分散の性質より、

$V[Y] = V[\frac{X_1 + X_2 + ... + X_n}{n}] = \frac{1}{n^2}V[X_1 + X_2 + ... + X_n]$

$X_i$ は独立なので、$V[X_1 + X_2 + ... + X_n] = V[X_1] + V[X_2] + ... + V[X_n]$

$X_i$ は $X$ と同じ分布に従うので、$V[X_i] = V[X]$ である。したがって、

$V[Y] = \frac{1}{n^2}(V[X] + V[X] + ... + V[X]) = \frac{1}{n^2}(nV[X]) = \frac{V[X]}{n}$

(4) $V[Y] = \frac{V[X]}{n}$ であるから、$n$ が大きくなるにつれて、$V[Y]$ は 0 に近づく。これは、標本平均 $Y$ が $E[X]$ の周りに集中することを意味する。

3. 最終的な答え

(1) 確率変数

(2) $E[X]$

(3) $\frac{V[X]}{n}$

(4) $Y$ の分散は小さくなる (または $Y$ は $E[X]$ に近づく)