$R^n$ のベクトルの組 $\{x_1, ..., x_r\}$ が一次独立であることと、行列 $G$ の行列式が 0 でないことが同値であることを示す問題です。ただし、$G$ はグラム行列であり、その $(i,j)$ 成分は ${}^tx_i x_j$ で与えられます。 $G = \begin{pmatrix} {}^tx_1x_1 & \cdots & {}^tx_1x_r \\ \vdots & \ddots & \vdots \\ {}^tx_rx_1 & \cdots & {}^tx_rx_r \end{pmatrix}$

代数学線形代数一次独立グラム行列行列式
2025/7/15

1. 問題の内容

RnR^n のベクトルの組 {x1,...,xr}\{x_1, ..., x_r\} が一次独立であることと、行列 GG の行列式が 0 でないことが同値であることを示す問題です。ただし、GG はグラム行列であり、その (i,j)(i,j) 成分は txixj{}^tx_i x_j で与えられます。
$G = \begin{pmatrix}
{}^tx_1x_1 & \cdots & {}^tx_1x_r \\
\vdots & \ddots & \vdots \\
{}^tx_rx_1 & \cdots & {}^tx_rx_r
\end{pmatrix}$

2. 解き方の手順

(→) {x1,...,xr}\{x_1, ..., x_r\} が一次独立であると仮定し、det(G)0det(G) \ne 0 を示す。
  背理法を用いて、det(G)=0det(G) = 0 と仮定する。このとき、Gx=0Gx = 0 となるような自明でないベクトル x=(c1cr)x = \begin{pmatrix} c_1 \\ \vdots \\ c_r \end{pmatrix} が存在する。
  つまり、Gx=0G x = 0 なので、任意の ii に対して j=1rtxixjcj=0\sum_{j=1}^r {}^tx_i x_j c_j = 0 が成り立つ。
  この式に cic_i をかけて、ii について足し合わせると、
  i=1rcij=1rtxixjcj=0\sum_{i=1}^r c_i \sum_{j=1}^r {}^tx_i x_j c_j = 0
  i=1rj=1rcitxixjcj=0\sum_{i=1}^r \sum_{j=1}^r c_i {}^tx_i x_j c_j = 0
  i=1rj=1rtcixixjcj=0\sum_{i=1}^r \sum_{j=1}^r {}^tc_i x_i x_j c_j = 0
  t(i=1rcixi)(j=1rcjxj)=0{}^t (\sum_{i=1}^r c_i x_i) (\sum_{j=1}^r c_j x_j) = 0
  i=1rcixi2=0\| \sum_{i=1}^r c_i x_i \|^2 = 0
  よって、i=1rcixi=0\sum_{i=1}^r c_i x_i = 0
  xx は自明でないベクトルだったので、cic_i の少なくとも一つは 0 ではない。これは {x1,...,xr}\{x_1, ..., x_r\} が一次独立であるという仮定に矛盾する。
  したがって、det(G)0det(G) \ne 0 である。
(←) det(G)0det(G) \ne 0 と仮定し、x1,...,xrx_1, ..., x_r が一次独立であることを示す。
  i=1rcixi=0\sum_{i=1}^r c_i x_i = 0 と仮定する。このとき、xjx_j に対して内積を取ると、
  txj(i=1rcixi)=0{}^tx_j (\sum_{i=1}^r c_i x_i) = 0
  i=1rcitxjxi=0\sum_{i=1}^r c_i {}^tx_j x_i = 0
  これを全ての jj について考えると、
  G(c1cr)=0G \begin{pmatrix} c_1 \\ \vdots \\ c_r \end{pmatrix} = 0
  det(G)0det(G) \ne 0 より、GG は正則なので、c1==cr=0c_1 = \cdots = c_r = 0 となる。
  したがって、x1,...,xrx_1, ..., x_r は一次独立である。

3. 最終的な答え

RnR^n のベクトルの組 {x1,...,xr}\{x_1, ..., x_r\} が一次独立であることと、行列 GG の行列式が 0 でないことは同値である。

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