$\alpha$ を絶対値が1の複素数とする。 (1) 複素数 $z$ が $z = \alpha^2 \overline{z}$ を満たすことと、$\frac{z}{\alpha}$ が実数であることは同値であることを証明する。また、このことを用いて、図形 $S$ が原点を通る直線であることを示す。ここで、図形 $S$ は $z = \alpha^2 \overline{z}$ を満たす複素数 $z$ の表す複素数平面上の図形である。 (2) 複素数平面上の点 $P(w)$ を直線 $S$ に関して対称移動した点を $Q(w')$ とする。このとき、$w'$ を $w$ と $\alpha$ を用いて表す。ただし、点 $P$ は直線 $S$ 上にないものとする。

代数学複素数複素数平面絶対値共役複素数図形
2025/7/15

1. 問題の内容

α\alpha を絶対値が1の複素数とする。
(1) 複素数 zzz=α2zz = \alpha^2 \overline{z} を満たすことと、zα\frac{z}{\alpha} が実数であることは同値であることを証明する。また、このことを用いて、図形 SS が原点を通る直線であることを示す。ここで、図形 SSz=α2zz = \alpha^2 \overline{z} を満たす複素数 zz の表す複素数平面上の図形である。
(2) 複素数平面上の点 P(w)P(w) を直線 SS に関して対称移動した点を Q(w)Q(w') とする。このとき、ww'wwα\alpha を用いて表す。ただし、点 PP は直線 SS 上にないものとする。

2. 解き方の手順

(1)
z=α2zz = \alpha^2 \overline{z} が成り立つことと、zα\frac{z}{\alpha} が実数であることの同値性を示す。
まず、z=α2zz = \alpha^2 \overline{z} が成り立つと仮定する。このとき、
z=α2z=α2z\overline{z} = \overline{\alpha^2 \overline{z}} = \overline{\alpha}^2 z
α\alpha の絶対値が1なので、αα=1\alpha \overline{\alpha} = 1 より α=1α\overline{\alpha} = \frac{1}{\alpha}。したがって、
z=1α2z\overline{z} = \frac{1}{\alpha^2} z
両辺に α2\alpha^2 をかけると、
α2z=z\alpha^2 \overline{z} = z
これは、z=α2zz = \alpha^2 \overline{z} と同じである。
次に、zα\frac{z}{\alpha} が実数であると仮定する。このとき、
zα=(zα)=zα=z1α=αz\frac{z}{\alpha} = \overline{\left(\frac{z}{\alpha}\right)} = \frac{\overline{z}}{\overline{\alpha}} = \frac{\overline{z}}{\frac{1}{\alpha}} = \alpha \overline{z}
よって、z=α2zz = \alpha^2 \overline{z}
したがって、z=α2zz = \alpha^2 \overline{z} が成り立つことと、zα\frac{z}{\alpha} が実数であることは同値である。
zα=k\frac{z}{\alpha} = k (kk は実数) とおくと、z=kαz = k\alpha となる。したがって、zzα\alpha の実数倍で表されるので、SS は原点を通る直線である。
(2)
P(w)P(w)SS に関する対称点を Q(w)Q(w') とする。
SS は原点を通る直線なので、SS 上の任意の点 zz は、z=kαz = k\alpha (kk は実数) と表せる。
wwww' の中点は SS 上にあるので、w+w2=kα\frac{w+w'}{2} = k\alpha と表せる。
www' - wSS と垂直なので、wwαi\frac{w'-w}{\alpha i} は実数である。したがって、wwα\frac{w'-w}{\alpha} は純虚数である。
w+w2α=k\frac{w+w'}{2\alpha} = k より、w+w=2kαw+w' = 2k\alpha であり、wwα\frac{w'-w}{\alpha} が純虚数であることから、wwα=im\frac{w'-w}{\alpha} = i mmmは実数)と表せる。
w=imα+ww' = im\alpha + w
www'-wSS と垂直であることから、wwα\frac{w'-w}{\alpha} は純虚数。
したがって、
(wwα)=wwα\overline{\left(\frac{w'-w}{\alpha}\right)} = -\frac{w'-w}{\alpha}
wwα=wwα\frac{\overline{w'}-\overline{w}}{\overline{\alpha}} = -\frac{w'-w}{\alpha}
ww1α=wwα\frac{\overline{w'}-\overline{w}}{\frac{1}{\alpha}} = -\frac{w'-w}{\alpha}
α(ww)=wwα\alpha(\overline{w'}-\overline{w}) = -\frac{w'-w}{\alpha}
α2(ww)=(ww)\alpha^2 (\overline{w'}-\overline{w}) = -(w'-w)
α2wα2w=w+w\alpha^2 \overline{w'} - \alpha^2 \overline{w} = -w' + w
w+α2w=w+α2ww' + \alpha^2 \overline{w'} = w + \alpha^2 \overline{w}
中点が SS 上にあることから w+w=2kαw+w' = 2k\alpha より w=2kαww' = 2k\alpha - w を用いる。
w+w2α\frac{w+w'}{2\alpha} が実数。
w=α2ww' = \alpha^2 \overline{w}

3. 最終的な答え

(1) z=α2zz = \alpha^2 \overline{z} が成り立つことと、zα\frac{z}{\alpha} が実数であることは同値である。また、図形 SS は原点を通る直線である。
(2) w=α2ww' = \alpha^2 \overline{w}

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