ある家庭の玄関に取り付けられる電球の寿命(単位:日)は正規分布 $N(180, 10^2)$ に従う。正月に新しい電球に取り替えたとき、年内に2回以上取り替えなければならない確率を求める。ここで、1つ目の電球の寿命を $X$、2つ目の電球の寿命を $Y$ とし、$X$ と $Y$ は独立とする。また、一年は365日であるとする。

確率論・統計学正規分布確率確率変数統計
2025/7/15

1. 問題の内容

ある家庭の玄関に取り付けられる電球の寿命(単位:日)は正規分布 N(180,102)N(180, 10^2) に従う。正月に新しい電球に取り替えたとき、年内に2回以上取り替えなければならない確率を求める。ここで、1つ目の電球の寿命を XX、2つ目の電球の寿命を YY とし、XXYY は独立とする。また、一年は365日であるとする。

2. 解き方の手順

XXYY は独立な正規分布に従う確率変数であり、XN(180,102)X \sim N(180, 10^2) および YN(180,102)Y \sim N(180, 10^2) である。
最初に交換した電球の寿命が XX 日であるとき、次に交換する電球の寿命は YY 日である。年内に2回以上取り替えるということは、X+Y<365X + Y < 365 となることを意味する。
X+YX + Y の分布を考える。XXYY が独立な正規分布に従うとき、X+YX + Y も正規分布に従い、その平均と分散はそれぞれの和になる。
平均: E[X+Y]=E[X]+E[Y]=180+180=360E[X + Y] = E[X] + E[Y] = 180 + 180 = 360
分散: Var[X+Y]=Var[X]+Var[Y]=102+102=100+100=200Var[X + Y] = Var[X] + Var[Y] = 10^2 + 10^2 = 100 + 100 = 200
したがって、X+YN(360,200)X + Y \sim N(360, 200) である。
標準偏差は 200=10214.14\sqrt{200} = 10\sqrt{2} \approx 14.14 である。
Z=X+Y360200Z = \frac{X + Y - 360}{\sqrt{200}} とすると、ZZ は標準正規分布 N(0,1)N(0, 1) に従う。
求める確率は P(X+Y<365)P(X + Y < 365) である。
P(X+Y<365)=P(X+Y360200<365360200)=P(Z<5200)P(X + Y < 365) = P(\frac{X + Y - 360}{\sqrt{200}} < \frac{365 - 360}{\sqrt{200}}) = P(Z < \frac{5}{\sqrt{200}})
P(Z<5102)=P(Z<122)=P(Z<24)P(Z<1.4144)P(Z<0.3535)P(Z < \frac{5}{10\sqrt{2}}) = P(Z < \frac{1}{2\sqrt{2}}) = P(Z < \frac{\sqrt{2}}{4}) \approx P(Z < \frac{1.414}{4}) \approx P(Z < 0.3535)
標準正規分布表より、P(Z<0.35)0.6368P(Z < 0.35) \approx 0.6368
P(Z<0.36)0.6406P(Z < 0.36) \approx 0.6406
線形補間を用いて、P(Z<0.3535)0.6368+(0.64060.6368)×0.350.6368+0.0038×0.350.6368+0.001330.63813P(Z < 0.3535) \approx 0.6368 + (0.6406 - 0.6368) \times 0.35 \approx 0.6368 + 0.0038 \times 0.35 \approx 0.6368 + 0.00133 \approx 0.63813
小数第3位で四捨五入すると、0.64となる。

3. 最終的な答え

0. 64

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