実数 $a$ を係数に持つ2次方程式 $x^2 + 2ax + (a-1) = 0$ の解を $\alpha, \beta$ とする。 (1) $\alpha$ と $\beta$ が異なる実数であることを示す。 (2) $\alpha$ と $\beta$ のうち、少なくとも1つは負であることを示す。 (3) $\alpha \le 0, \beta \le 0$ であるとき、$\alpha^2 + \beta^2$ の最小値を求める。

代数学二次方程式判別式解と係数の関係二次関数の最小値
2025/7/15

1. 問題の内容

実数 aa を係数に持つ2次方程式 x2+2ax+(a1)=0x^2 + 2ax + (a-1) = 0 の解を α,β\alpha, \beta とする。
(1) α\alphaβ\beta が異なる実数であることを示す。
(2) α\alphaβ\beta のうち、少なくとも1つは負であることを示す。
(3) α0,β0\alpha \le 0, \beta \le 0 であるとき、α2+β2\alpha^2 + \beta^2 の最小値を求める。

2. 解き方の手順

(1) 2次方程式 x2+2ax+(a1)=0x^2 + 2ax + (a-1) = 0 の判別式 DD を計算する。
D=(2a)24(1)(a1)=4a24a+4=4(a2a+1)D = (2a)^2 - 4(1)(a-1) = 4a^2 - 4a + 4 = 4(a^2 - a + 1)
a2a+1=(a12)2+34>0a^2 - a + 1 = (a - \frac{1}{2})^2 + \frac{3}{4} > 0 より D>0D > 0 である。
したがって、α\alphaβ\beta は異なる実数である。
(2) 解と係数の関係より、
α+β=2a\alpha + \beta = -2a
αβ=a1\alpha \beta = a - 1
ここで、もし α>0\alpha > 0 かつ β>0\beta > 0 と仮定すると、αβ>0\alpha \beta > 0 となる。
このとき、a1>0a - 1 > 0 より a>1a > 1 となる。
また、α+β=2a>0\alpha + \beta = -2a > 0 より a<0a < 0 となる。
これは a>1a > 1 と矛盾するので、α>0\alpha > 0 かつ β>0\beta > 0 とはならない。
したがって、α\alphaβ\beta のうち、少なくとも1つは負である。
(3) α0,β0\alpha \le 0, \beta \le 0 であるとき、α+β=2a0\alpha + \beta = -2a \le 0 より a0a \ge 0 である。
また、αβ=a10\alpha \beta = a - 1 \ge 0α,β\alpha, \beta が共に負の時のみ成立する。その場合、a1a \ge 1 である。
α2+β2=(α+β)22αβ=(2a)22(a1)=4a22a+2\alpha^2 + \beta^2 = (\alpha + \beta)^2 - 2\alpha \beta = (-2a)^2 - 2(a-1) = 4a^2 - 2a + 2
f(a)=4a22a+2f(a) = 4a^2 - 2a + 2 とする。
f(a)=4(a212a)+2=4(a14)24(116)+2=4(a14)2+74f(a) = 4(a^2 - \frac{1}{2}a) + 2 = 4(a - \frac{1}{4})^2 - 4(\frac{1}{16}) + 2 = 4(a - \frac{1}{4})^2 + \frac{7}{4}
a1a \ge 1 の範囲で f(a)f(a) は増加関数なので、a=1a = 1 のとき最小値をとる。
f(1)=4(1)22(1)+2=42+2=4f(1) = 4(1)^2 - 2(1) + 2 = 4 - 2 + 2 = 4
したがって、α2+β2\alpha^2 + \beta^2 の最小値は4である。
a=1a = 1 のとき、方程式は x2+2x=0x^2 + 2x = 0 となり、解は x=0,2x = 0, -2 なので、条件を満たす。

3. 最終的な答え

(1) α\alphaβ\beta は異なる実数である。(証明終わり)
(2) α\alphaβ\beta のうち、少なくとも1つは負である。(証明終わり)
(3) α2+β2\alpha^2 + \beta^2 の最小値は4である。

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