(1) 運動方程式を立てます。質点1と質点2の運動方程式は、それぞれ以下のようになります。
mlφ1¨=−mgφ1+k(lφ2−lφ1) mlφ2¨=−mgφ2−k(lφ2−lφ1) ここでmは質点の質量、lは糸の長さ、gは重力加速度、kは糸の張力に関連する定数です。 これらの式を整理すると、以下のようになります。
φ1¨=−lgφ1+mk(φ2−φ1) φ2¨=−lgφ2−mk(φ2−φ1) これを行列形式で表すと、以下のようになります。
dt2d2(φ1φ2)=(−lg−mkmkmk−lg−mk)(φ1φ2) A=(−lg−mkmkmk−lg−mk) (2) 行列Aの固有値を求めます。固有方程式は∣A−λI∣=0です。 −lg−mk−λmkmk−lg−mk−λ=0 (−lg−mk−λ)2−(mk)2=0 λ2+2(lg+mk)λ+(lg+mk)2−(mk)2=0 λ2+2(lg+mk)λ+l2g2+2lgmk=0 λ=−(lg+mk)±(lg+mk)2−(l2g2+2lgmk)=−(lg+mk)±mk 固有値はλ1=−lgとλ2=−lg−2mkです。 固有ベクトルを求めます。
λ1=−lgのとき、 (−mkmkmk−mk)(v1v2)=(00) v1=v2より、固有ベクトルは(11)です。 λ2=−lg−2mkのとき、 (mkmkmkmk)(v1v2)=(00) v1=−v2より、固有ベクトルは(1−1)です。 (3) 一般解を求めます。φ(t)=c1v1eλ1t+c2v2eλ2tですが、λが負なので、振動解となります。 φ(t)=c1(11)cos(ω1t+δ1)+c2(1−1)cos(ω2t+δ2) ここでω1=−λ1=lg、ω2=−λ2=lg+2mkです。 したがって、
φ1(t)=c1cos(ω1t+δ1)+c2cos(ω2t+δ2) φ2(t)=c1cos(ω1t+δ1)−c2cos(ω2t+δ2) (4) 基準振動の振動形態を図示します。
* 第1モード: φ1=φ2. 2つの振り子は同じ方向に同じ角度で振れます。このときの振動数はω1=lgです。 * 第2モード: φ1=−φ2. 2つの振り子は逆方向に同じ角度で振れます。このときの振動数はω2=lg+2mkです。このモードは、2つの振り子をつなぐ糸の張力によって振動数が高くなります。