条件の同値性を示すために、(1) ⇒ (2) ⇒ (3) ⇒ (1) の順に証明を行います。 dim⟨a1,...,an,b⟩=dim⟨a1,...,an⟩ であると仮定します。 ⟨a1,...,an⟩ を V とおくと、V は Rm の部分空間です。 dim⟨a1,...,an,b⟩=dimV より、⟨a1,...,an,b⟩=V が成り立ちます。 したがって、b∈⟨a1,...,an⟩ となり、b は a1,...,an の1次結合で表せます。 b が a1,...,an の1次結合で表せると仮定します。つまり、あるスカラー x1,...,xn が存在して、 b=x1a1+x2a2+...+xnan と表せます。これをベクトルと行列の形式で書くと、
b=[a1,...,an]x1x2⋮xn=Ax となります。ここで、x=x1x2⋮xn とおくと、Ax=b が成り立ちます。 したがって、連立方程式 Ax=b は解 x を持ちます。 連立方程式 Ax=b が解を持つと仮定します。つまり、Ax=b となるベクトル x が存在します。 このとき、b=Ax=x1a1+x2a2+...+xnan と表せるので、b は a1,...,an の1次結合で表せます。 したがって、b∈⟨a1,...,an⟩ が成り立ち、⟨a1,...,an,b⟩=⟨a1,...,an⟩ となります。 したがって、dim⟨a1,...,an,b⟩=dim⟨a1,...,an⟩ が成り立ちます。 以上の証明により、(1), (2), (3) は同値であることが示されました。