線形写像 $f: \mathbb{R}^n \to \mathbb{R}^m$ が与えられたとき、$\mathbb{R}^n$ のある基底 $\{a_1, \dots, a_n\}$ と $\mathbb{R}^m$ のある基底 $\{b_1, \dots, b_m\}$ をうまく選べば、その基底に関する $f$ の表現行列が標準形になることを示す問題です。ここで、標準形とは、対角成分が 1 か 0 で、それ以外の成分が全て 0 であるような行列のことです。

1. 問題の内容

線形写像 $f: \mathbb{R}^n \to \mathbb{R}^m$ が与えられたとき、$\mathbb{R}^n$ のある基底 $\{a_1, \dots, a_n\}$ と $\mathbb{R}^m$ のある基底 $\{b_1, \dots, b_m\}$ をうまく選べば、その基底に関する $f$ の表現行列が標準形になることを示す問題です。ここで、標準形とは、対角成分が 1 か 0 で、それ以外の成分が全て 0 であるような行列のことです。

2. 解き方の手順

(1) まず、$\mathbb{R}^n$ の任意の基底 $\{a'_1, \dots, a'_n\}$ と $\mathbb{R}^m$ の任意の基底 $\{b'_1, \dots, b'_m\}$ を選びます。

(2) これらの基底に関する $f$ の表現行列を $F$ とします。

(3) 行列 $F$ に対して、正則行列 $P$ と $Q$ を適切に選ぶことで、 $PFQ^{-1}$ が標準形になるようにします。これは、行列の基本変形を行うことに対応します。具体的には、$P$ は行基本変形、 $Q^{-1}$ は列基本変形に対応します。つまり、$P$ と $Q$ は基本行列の積で表されます。

(4) $\mathbb{R}^n$ の新しい基底 $\{a_1, \dots, a_n\}$ を、 $a_i = \sum_{j=1}^n Q_{ji} a'_j$ によって定めます。つまり、基底 $\{a'_1, \dots, a'_n\}$ から基底 $\{a_1, \dots, a_n\}$ への基底の変換行列が $Q$ となるようにします。

(5) $\mathbb{R}^m$ の新しい基底 $\{b_1, \dots, b_m\}$ を、 $b_i = \sum_{j=1}^m P_{ji}^{-1} b'_j$ によって定めます。つまり、基底 $\{b'_1, \dots, b'_m\}$ から基底 $\{b_1, \dots, b_m\}$ への基底の変換行列が $P^{-1}$ となるようにします。

(6) このようにして得られた基底 $\{a_1, \dots, a_n\}$ と $\{b_1, \dots, b_m\}$ に関する $f$ の表現行列は標準形になります。実際、これらの基底に関する $f$ の表現行列は $PFQ^{-1}$ であり、これは標準形になるように $P$ と $Q$ を選んだからです。

3. 最終的な答え

任意の線形写像 $f: \mathbb{R}^n \to \mathbb{R}^m$ に対して、$\mathbb{R}^n$ のある基底 $\{a_1, \dots, a_n\}$ と $\mathbb{R}^m$ のある基底 $\{b_1, \dots, b_m\}$ を適切に選ぶことで、$f$ の表現行列を標準形にできる。