$n$ を正整数とする。白石 $n$ 個と黒石 $n+1$ 個の合計 $2n+1$ 個の碁石が横一列に並んでいる。どのように並んでいても、ある黒石が存在し、その黒石とそれより右にある碁石をすべて除くと、残りは白石と黒石の数が同数になることを示せ。ただし、碁石が一つも残らない場合も同数とみなす。

離散数学組み合わせ論鳩ノ巣原理数学的帰納法整数
2025/7/17

1. 問題の内容

nn を正整数とする。白石 nn 個と黒石 n+1n+1 個の合計 2n+12n+1 個の碁石が横一列に並んでいる。どのように並んでいても、ある黒石が存在し、その黒石とそれより右にある碁石をすべて除くと、残りは白石と黒石の数が同数になることを示せ。ただし、碁石が一つも残らない場合も同数とみなす。

2. 解き方の手順

左から ii 番目の碁石について、左から ii 番目までの黒石の数から白石の数を引いた値を did_i とする。
d0=0d_0 = 0 と定義する。
did_i は黒石なら1増え、白石なら1減るので、必ず整数である。
d2n+1=(n+1)n=1d_{2n+1} = (n+1) - n = 1 である。
もし di=0d_i = 0 となる ii が存在すれば、左から ii 番目までの石を除くと、残りの黒石と白石の数は等しくなり、題意は満たされる。
did_i がすべて 00 でない場合を考える。
d2n+1=1d_{2n+1} = 1 なので、少なくとも1つの did_i は正である。
d0=0d_0 = 0 なので、負の値をとる did_i も存在すると仮定する。
このとき、 d0=0d_0=0 であり、d2n+1=1d_{2n+1} = 1 であるから、did_i が初めて正の値をとる場所が存在する。
その場所を kk とすると、dk10d_{k-1} \le 0 であり、dk>0d_k > 0 である。
dkdk1=1d_k - d_{k-1} = 1 であるから、dk1=0d_{k-1} = 0 または dk1=1d_{k-1} = -1 である。
did_i がすべて正である場合は、 did_i11 から n+1n+1 までの整数であり、k=1k=1 とする。
kk 番目の黒石より右の石を取り除くと、それより左の黒石の数から白石の数を引いた値は dk>0d_k > 0 である。
したがって、 kk 番目の黒石の左側には dkd_k だけ黒石が多いことになる。
残りの 2n+1k2n+1-k 個の石を取り除いた後、残っている石の数は k1k-1 個である。
k1k-1 個の石の中には、bb 個の黒石と ww 個の白石がある。
bw=dkb - w = d_k である。
b+w=k1b+w = k-1 である。
2b=dk+k12b = d_k + k - 1 となる。
dk+k1d_k + k - 1 が偶数であれば、2b2b は偶数となり、bb は整数となる。
一方、2w=k1dk2w = k-1 - d_k となる。
k1dkk-1 - d_k が偶数であれば、2w2w は偶数となり、ww は整数となる。
n+1n+1 個の黒石があるので、di=0d_i = 0 となる ii がない場合は、黒石が隣り合っている箇所が存在する。
このとき、その左側の黒石を取り除くと、白石と黒石の数は等しくなる。

3. 最終的な答え

白石 nn 個と黒石 n+1n+1 個の合計 2n+12n+1 個の碁石が横一列に並んでいるとき、ある黒石が存在し、その黒石とそれより右にある碁石をすべて除くと、残りは白石と黒石の数が同数になる。

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