クラメルの公式は、連立一次方程式の解を、係数行列と、係数行列の一つの列を定数ベクトルで置き換えた行列の行列式を使って表す公式です。
(1) の手順:
A=(1−22−1) ∣A∣=(1)(−1)−(2)(−2)=−1+4=3 x について解くために、A の1列目を定数ベクトルで置き換えた行列 Ax を以下のように定義します。 Ax=(−432−1) Ax の行列式 ∣Ax∣ は、 ∣Ax∣=(−4)(−1)−(2)(3)=4−6=−2 y について解くために、A の2列目を定数ベクトルで置き換えた行列 Ay を以下のように定義します。 Ay=(1−2−43) Ay の行列式 ∣Ay∣ は、 ∣Ay∣=(1)(3)−(−4)(−2)=3−8=−5 クラメルの公式より、
x=∣A∣∣Ax∣=3−2 y=∣A∣∣Ay∣=3−5 (2) の手順:
A=(312−2) ∣A∣=(3)(−2)−(2)(1)=−6−2=−8 x について解くために、A の1列目を定数ベクトルで置き換えた行列 Ax を以下のように定義します。 Ax=(082−2) Ax の行列式 ∣Ax∣ は、 ∣Ax∣=(0)(−2)−(2)(8)=0−16=−16 y について解くために、A の2列目を定数ベクトルで置き換えた行列 Ay を以下のように定義します。 Ay=(3108) Ay の行列式 ∣Ay∣ は、 ∣Ay∣=(3)(8)−(0)(1)=24−0=24 クラメルの公式より、
x=∣A∣∣Ax∣=−8−16=2 y=∣A∣∣Ay∣=−824=−3 (3) の手順:
連立方程式を行列の形で書き換えます。
$\begin{cases}
3x + y + 3z = 1 \\
0x - y + 2z = 2 \\
x + 0y - z = -2
\end{cases}$
A=3011−1032−1 ∣A∣=3((−1)(−1)−(2)(0))−1((0)(−1)−(2)(1))+3((0)(0)−(−1)(1))=3(1)−1(−2)+3(1)=3+2+3=8 x について解くために、A の1列目を定数ベクトルで置き換えた行列 Ax を以下のように定義します。 Ax=12−21−1032−1 Ax の行列式 ∣Ax∣ は、 ∣Ax∣=1((−1)(−1)−(2)(0))−1((2)(−1)−(2)(−2))+3((2)(0)−(−1)(−2))=1(1)−1(2)+3(−2)=1−2−6=−7 y について解くために、A の2列目を定数ベクトルで置き換えた行列 Ay を以下のように定義します。 Ay=30112−232−1 Ay の行列式 ∣Ay∣ は、 ∣Ay∣=3((2)(−1)−(2)(−2))−1((0)(−1)−(2)(1))+3((0)(−2)−(2)(1))=3(2)−1(−2)+3(−2)=6+2−6=2 z について解くために、A の3列目を定数ベクトルで置き換えた行列 Az を以下のように定義します。 Az=3011−1012−2 Az の行列式 ∣Az∣ は、 ∣Az∣=3((−1)(−2)−(2)(0))−1((0)(−2)−(2)(1))+1((0)(0)−(−1)(1))=3(2)−1(−2)+1(1)=6+2+1=9 クラメルの公式より、
x=∣A∣∣Ax∣=8−7 y=∣A∣∣Ay∣=82=41 z=∣A∣∣Az∣=89 (4) の手順:
A=2−11321−12−1 ∣A∣=2((2)(−1)−(2)(1))−3((−1)(−1)−(2)(1))+(−1)((−1)(1)−(2)(1))=2(−4)−3(−1)+(−1)(−3)=−8+3+3=−2 x について解くために、A の1列目を定数ベクトルで置き換えた行列 Ax を以下のように定義します。 Ax=−31−2321−12−1 Ax の行列式 ∣Ax∣ は、 ∣Ax∣=−3((2)(−1)−(2)(1))−3((1)(−1)−(2)(−2))+(−1)((1)(1)−(2)(−2))=−3(−4)−3(3)+(−1)(5)=12−9−5=−2 y について解くために、A の2列目を定数ベクトルで置き換えた行列 Ay を以下のように定義します。 Ay=2−11−31−2−12−1 Ay の行列式 ∣Ay∣ は、 ∣Ay∣=2((1)(−1)−(2)(−2))−(−3)((−1)(−1)−(2)(1))+(−1)((−1)(−2)−(1)(1))=2(3)−(−3)(−1)+(−1)(1)=6−3−1=2 z について解くために、A の3列目を定数ベクトルで置き換えた行列 Az を以下のように定義します。 Az=2−11321−31−2 Az の行列式 ∣Az∣ は、 ∣Az∣=2((2)(−2)−(1)(1))−3((−1)(−2)−(1)(1))+(−3)((−1)(1)−(2)(1))=2(−5)−3(1)+(−3)(−3)=−10−3+9=−4 クラメルの公式より、
x=∣A∣∣Ax∣=−2−2=1 y=∣A∣∣Ay∣=−22=−1 z=∣A∣∣Az∣=−2−4=2