次の極限を計算します: $\lim_{x \to -0} (1-e^x)^x$

解析学極限ロピタルの定理指数関数対数関数
2025/7/17

1. 問題の内容

次の極限を計算します:
limx0(1ex)x\lim_{x \to -0} (1-e^x)^x

2. 解き方の手順

まず、y=(1ex)xy = (1-e^x)^x とおきます。
両辺の自然対数をとると、
lny=xln(1ex)\ln y = x \ln(1-e^x)
ここで、x0x \to -0 のとき、ln(1ex)ln(11)=ln(0)=\ln(1-e^x) \to \ln(1-1) = \ln(0) = -\infty となり、xln(1ex)x \ln(1-e^x) は不定形 0()-0 \cdot (-\infty) となります。
したがって、lny=xln(1ex)=ln(1ex)1x\ln y = x \ln(1-e^x) = \frac{\ln(1-e^x)}{\frac{1}{x}} と変形します。このとき、x0x \to -0 のとき、分子は -\infty に、分母も -\infty に近づくので、ロピタルの定理を用いることができます。
limx0ln(1ex)1x\lim_{x \to -0} \frac{\ln(1-e^x)}{\frac{1}{x}}
=limx0ex1ex1x2= \lim_{x \to -0} \frac{\frac{-e^x}{1-e^x}}{-\frac{1}{x^2}}
=limx0exx21ex= \lim_{x \to -0} \frac{e^x x^2}{1-e^x}
これはまだ不定形 00\frac{0}{0} の形なので、再度ロピタルの定理を用います。
limx0exx21ex=limx0exx2+2xexex=limx0x2+2x1=0\lim_{x \to -0} \frac{e^x x^2}{1-e^x} = \lim_{x \to -0} \frac{e^x x^2 + 2xe^x}{-e^x} = \lim_{x \to -0} \frac{x^2+2x}{-1} = 0
したがって、limx0lny=0\lim_{x \to -0} \ln y = 0
ゆえに、limx0y=e0=1\lim_{x \to -0} y = e^0 = 1

3. 最終的な答え

limx0(1ex)x=1\lim_{x \to -0} (1-e^x)^x = 1

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