実数 $a, b$ について、$ab > 0$ のとき、以下の不等式の中から正しいものを選ぶ。 ① $a > b \Rightarrow a^2 < b^2$ ② $a > b \Rightarrow a^2 > b^2$ ③ $a^2 < b^2 \Rightarrow a < b$ ④ $a^2 < b^2 \Rightarrow a > b$ もし正しいものがなければ⑤を選ぶ。

1. 問題の内容

実数 $a, b$ について、$ab > 0$ のとき、以下の不等式の中から正しいものを選ぶ。

① $a > b \Rightarrow a^2 < b^2$

② $a > b \Rightarrow a^2 > b^2$

③ $a^2 < b^2 \Rightarrow a < b$

④ $a^2 < b^2 \Rightarrow a > b$

もし正しいものがなければ⑤を選ぶ。

2. 解き方の手順

$ab > 0$ より、$a$ と $b$ は同符号である。つまり、$a, b > 0$ または $a, b < 0$ である。

① $a > b \Rightarrow a^2 < b^2$ について：

$a, b > 0$ の場合は、$a > b$ ならば $a^2 > b^2$ となるので、これは誤り。

$a, b < 0$ の場合は、$a > b$ ならば $|a| < |b|$ となり、$a^2 < b^2$ となるので、これは正しい。

しかし、$a=1$, $b=-2$のとき、$ab = -2 < 0$となり、$ab > 0$を満たさない。

そのため、条件$ab>0$の元では、$a, b > 0$の場合のみを考えればよいので、誤り。

② $a > b \Rightarrow a^2 > b^2$ について：

$a, b > 0$ の場合は、$a > b$ ならば $a^2 > b^2$ となるので、これは正しい。

$a, b < 0$ の場合は、$a > b$ ならば $|a| < |b|$ となり、$a^2 < b^2$ となるので、これは誤り。

条件$ab>0$の元では、$a, b > 0$の場合のみを考えればよいので、正しい。

③ $a^2 < b^2 \Rightarrow a < b$ について：

$a, b > 0$ の場合、$a^2 < b^2$ ならば $a < b$ となるので、これは正しい。

$a, b < 0$ の場合、$a^2 < b^2$ ならば $|a| < |b|$ となり、$a > b$ となるので、これは誤り。

条件$ab>0$の元では、$a, b > 0$の場合のみを考えればよいので、正しい。

④ $a^2 < b^2 \Rightarrow a > b$ について：

$a, b > 0$ の場合、$a^2 < b^2$ ならば $a < b$ となるので、これは誤り。

$a, b < 0$ の場合、$a^2 < b^2$ ならば $|a| < |b|$ となり、$a > b$ となるので、これは正しい。

条件$ab>0$の元では、$a, b > 0$の場合のみを考えればよいので、誤り。

$a = -1, b = -2$のとき、$a^2=1$, $b^2=4$となり、$a^2 < b^2$だが、$a>b$となり、これは正しい。

$a = 2, b = 1$のとき、$a^2=4$, $b^2=1$となり、$a^2 > b^2$だが、$a>b$となり、これは正しい。

$a=1, b=2$のとき、$a^2=1$, $b^2=4$となり、$a^2 < b^2$で、$a < b$となり、③は正しい。

$a=2, b=1$のとき、$a^2=4$, $b^2=1$となり、$a^2 > b^2$で、$a > b$となり、②は正しい。

$a = -2, b = -1$のとき、$a < b$だが、$a^2 > b^2$であるため①は誤り。$a=-1, b=-2$とすると、$ab = 2>0$は満たされる。

$a = 1, b = 2$のとき、$a < b$で、$a^2 < b^2$であり、①は$a > b \Rightarrow a^2 < b^2$なので誤り。

$a, b$が同符号であることに注意すると、②が正しいことがわかる。

$a, b > 0$のとき、$a > b$ ならば $a^2 > b^2$である。

3. 最終的な答え

②