与えられた需要関数 $D(p) = 10 - p$ と供給関数 $S(p) = ap$ (ただし、$a$は正の定数)を持つ完全競争市場におけるくもの巣過程に関する問題です。 (1) 市場均衡における取引量 $Q^*$ と均衡価格 $p^*$ を求める。 (2) $t$日目の価格 $p_t$ を $t-1$日目の価格 $p_{t-1}$ を用いて表す漸化式を選択する。 (3) 得られた漸化式を変形して、恒等式 $p_t - [\ast] = -a(p_{t-1} - [\ast])$ を導き、 $[\ast]$ に当てはまるものを選択する。 (4) くもの巣過程が均衡価格に近づくための $a$ に関する条件を求める。

応用数学経済数学市場均衡くもの巣過程需要関数供給関数漸化式
2025/7/17

1. 問題の内容

与えられた需要関数 D(p)=10pD(p) = 10 - p と供給関数 S(p)=apS(p) = ap (ただし、aaは正の定数)を持つ完全競争市場におけるくもの巣過程に関する問題です。
(1) 市場均衡における取引量 QQ^* と均衡価格 pp^* を求める。
(2) tt日目の価格 ptp_tt1t-1日目の価格 pt1p_{t-1} を用いて表す漸化式を選択する。
(3) 得られた漸化式を変形して、恒等式 pt[]=a(pt1[])p_t - [\ast] = -a(p_{t-1} - [\ast]) を導き、 [][\ast] に当てはまるものを選択する。
(4) くもの巣過程が均衡価格に近づくための aa に関する条件を求める。

2. 解き方の手順

(1) 均衡点では、需要と供給が一致するので、D(p)=S(p)D(p) = S(p) となる pp を求める。
10p=ap10 - p = ap
10=(1+a)p10 = (1+a)p
p=101+ap^* = \frac{10}{1+a}
均衡取引量 QQ^* は、均衡価格を需要関数または供給関数に代入して求めます。
Q=S(p)=a101+a=10a1+aQ^* = S(p^*) = a \cdot \frac{10}{1+a} = \frac{10a}{1+a}
(2) くもの巣過程では、 tt期の供給量はt1t-1期の価格によって決定されます。
S(pt1)=apt1S(p_{t-1}) = ap_{t-1}
この供給量がtt期の需要量と一致するので、D(pt)=10ptD(p_t) = 10 - p_tとすると、10pt=apt110 - p_t = ap_{t-1} が成り立ちます。
したがって、pt=10apt1p_t = 10 - ap_{t-1} となります。これは選択肢aを変形したものです。
(3) pt=10apt1p_t = 10 - ap_{t-1}pt[]=a(pt1[])p_t - [\ast] = -a(p_{t-1} - [\ast])の形に変形するため、ptp_tが均衡価格pp^*に収束すると仮定すると、pt=pt1=pp_t = p_{t-1} = p^* となります。
p=10app^* = 10 - ap^*
p=101+ap^* = \frac{10}{1+a}
したがって、pt101+a=a(pt1101+a)p_t - \frac{10}{1+a} = -a(p_{t-1} - \frac{10}{1+a})
(4) くもの巣過程が均衡価格に近づくためには、ptp_tpp^* に収束する必要があります。漸化式 ptp=a(pt1p)p_t - p^* = -a(p_{t-1} - p^*) を考えると、a<1|a| < 1 であれば、ptp_tpp^* に収束します。
したがって、a<1a < 1 であれば良いことになります。

3. 最終的な答え

(Q*, p*) = (10a1+a\frac{10a}{1+a}, 101+a\frac{10}{1+a})
選択肢: a
選択肢: c
1

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