問題1: 質量$M = 1 \text{ kg}$の木片が軽い紐で吊り下げられている。質量$m = 30 \text{ g}$の矢が、速さ$v = 30 \text{ m/s}$で水平に飛んできて木片に刺さった。 a. 刺さった直後の木片と矢の速さを求めよ。 b. 矢の刺さった木片は枝を中心とする円弧上を運動する。最高点の高さを求めよ。 問題2: 質量が小さな物体が、質量の大きな物体に速度$v$で衝突したときは、小さな物体が跳ね返されるが、逆に質量が大きな物体が小さな物体に同じ速度$v$で衝突すると、小さな物体が弾き飛ばされる。作用反作用の法則から、両者の間に働く力は同じなのに、このようになる理由を説明せよ。

応用数学力学運動量保存則エネルギー保存則衝突物理
2025/7/17

1. 問題の内容

問題1: 質量M=1 kgM = 1 \text{ kg}の木片が軽い紐で吊り下げられている。質量m=30 gm = 30 \text{ g}の矢が、速さv=30 m/sv = 30 \text{ m/s}で水平に飛んできて木片に刺さった。
a. 刺さった直後の木片と矢の速さを求めよ。
b. 矢の刺さった木片は枝を中心とする円弧上を運動する。最高点の高さを求めよ。
問題2: 質量が小さな物体が、質量の大きな物体に速度vvで衝突したときは、小さな物体が跳ね返されるが、逆に質量が大きな物体が小さな物体に同じ速度vvで衝突すると、小さな物体が弾き飛ばされる。作用反作用の法則から、両者の間に働く力は同じなのに、このようになる理由を説明せよ。

2. 解き方の手順

問題1 a:
運動量保存則を適用する。矢が刺さる瞬間、系全体の運動量は保存される。
矢の初めの運動量はmvm \cdot v であり、木片は静止しているので運動量は0である。刺さった後の木片と矢の速さをVVとすると、運動量は(M+m)V(M+m) \cdot Vとなる。したがって、
mv=(M+m)Vm \cdot v = (M+m) \cdot V
V=mvM+mV = \frac{m \cdot v}{M+m}
問題1 b:
力学的エネルギー保存則を適用する。刺さった直後の運動エネルギーはKE=12(M+m)V2KE = \frac{1}{2} (M+m) V^2である。
最高点では運動エネルギーは0になり、位置エネルギーはPE=(M+m)ghPE = (M+m) \cdot g \cdot hとなる。ただし、hhは高さの変化、ggは重力加速度である。
高さhhは、紐の長さをLLとすると、h=LLcosθ=L(1cosθ)h = L - L \cos\theta = L(1 - \cos\theta)と表せる。ただし、θ\thetaは紐が鉛直方向となす角度である。
エネルギー保存則より、KE=PEKE = PEなので、
12(M+m)V2=(M+m)gh\frac{1}{2} (M+m) V^2 = (M+m) \cdot g \cdot h
h=V22gh = \frac{V^2}{2g}
問題2:
作用反作用の法則は、物体間に働く力の大きさが等しく、方向が反対であることを示す。しかし、力の及ぼす影響(加速度)は質量に依存する。
小さな物体が大きな物体に衝突する場合、小さな物体に大きな加速度が生じるため跳ね返される。
逆に、大きな物体が小さな物体に衝突する場合、小さな物体に非常に大きな加速度が生じるため、弾き飛ばされる。
作用反作用の法則から力は同じでも、質量が異なるため、加速度が異なり、結果として運動状態が大きく異なる。
また、運動量保存則の観点からも説明できる。

3. 最終的な答え

問題1 a:
V=mvM+m=0.03 kg30 m/s1 kg+0.03 kg=0.91.03 m/s0.874 m/sV = \frac{m \cdot v}{M+m} = \frac{0.03 \text{ kg} \cdot 30 \text{ m/s}}{1 \text{ kg} + 0.03 \text{ kg}} = \frac{0.9}{1.03} \text{ m/s} \approx 0.874 \text{ m/s}
問題1 b:
h=V22g=(0.874 m/s)229.8 m/s20.76419.6 m0.039 m=3.9 cmh = \frac{V^2}{2g} = \frac{(0.874 \text{ m/s})^2}{2 \cdot 9.8 \text{ m/s}^2} \approx \frac{0.764}{19.6} \text{ m} \approx 0.039 \text{ m} = 3.9 \text{ cm}
問題2:
作用反作用の法則では、物体間に働く力は等しい。しかし、物体の加速度は質量に反比例するため、質量が小さい物体は大きな加速度を受け、質量が大きい物体は小さな加速度を受ける。そのため、質量が小さい物体が跳ね返されたり、弾き飛ばされたりする。運動量保存則の観点からも説明できる。

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