質量 $m$ の質点が、ばね定数 $k$ のばねにつながれて水平面上に置かれている。質点に作用する力はばねの復元力のみと仮定し、水平方向の直線運動を考える。 (a) 運動方程式を立てよ。 (b) 運動方程式の一般解が $x = A \cos(\omega t + \phi)$ の形で与えられることを、方程式に代入することで示せ。 (c) 初期条件が $x(0) = x_0$, $v(0) = 0$ であるような解を求めよ。

## 問題1

1. 問題の内容

質量 $m$ の質点が、ばね定数 $k$ のばねにつながれて水平面上に置かれている。質点に作用する力はばねの復元力のみと仮定し、水平方向の直線運動を考える。

(a) 運動方程式を立てよ。

(b) 運動方程式の一般解が $x = A \cos(\omega t + \phi)$ の形で与えられることを、方程式に代入することで示せ。

(c) 初期条件が $x(0) = x_0$, $v(0) = 0$ であるような解を求めよ。

2. 解き方の手順

(a) 運動方程式

ばねの復元力は $F = -kx$ で表される。ニュートンの運動方程式 $F = ma$ より、

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ma = -kx

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加速度 $a$ は位置 $x$ の時間に関する二階微分 $\frac{d^2x}{dt^2}$ なので、運動方程式は

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m \frac{d^2x}{dt^2} = -kx

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または

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\frac{d^2x}{dt^2} + \frac{k}{m} x = 0

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(b) 一般解の検証

与えられた一般解 $x = A \cos(\omega t + \phi)$ を二回微分する。

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\frac{dx}{dt} = -A\omega \sin(\omega t + \phi)

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\frac{d^2x}{dt^2} = -A\omega^2 \cos(\omega t + \phi)

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これを運動方程式に代入すると

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-A\omega^2 \cos(\omega t + \phi) + \frac{k}{m} A \cos(\omega t + \phi) = 0

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A \cos(\omega t + \phi) \left(-\omega^2 + \frac{k}{m}\right) = 0

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これが任意の $t$ で成り立つためには、

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-\omega^2 + \frac{k}{m} = 0

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すなわち

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\omega^2 = \frac{k}{m}

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\omega = \sqrt{\frac{k}{m}}

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したがって、$x = A \cos(\omega t + \phi)$ は運動方程式の解であることが示された。

(c) 初期条件の適用

初期条件 $x(0) = x_0$, $v(0) = 0$ を適用する。

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x(0) = A \cos(\phi) = x_0

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速度は $v(t) = \frac{dx}{dt} = -A\omega \sin(\omega t + \phi)$ なので、

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v(0) = -A\omega \sin(\phi) = 0

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$A$と$\omega$はゼロではないので、 $\sin(\phi) = 0$。

したがって、$\phi = 0$ または $\phi = \pi$。

$\phi=0$のとき、$A \cos(0) = A = x_0$。つまり、$A = x_0$。

$\phi=\pi$のとき、$A \cos(\pi) = -A = x_0$。つまり、$A = -x_0$。

$A=x_0$、$\phi = 0$を代入すると、$x(t) = x_0 \cos(\omega t)$.

$A=-x_0$、$\phi = \pi$を代入すると、$x(t) = -x_0 \cos(\omega t + \pi) = -x_0 (-\cos(\omega t)) = x_0 \cos(\omega t)$.

どちらの場合も同じ解になるため、

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x(t) = x_0 \cos(\omega t) = x_0 \cos\left(\sqrt{\frac{k}{m}} t\right)

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3. 最終的な答え

(a) $\frac{d^2x}{dt^2} + \frac{k}{m} x = 0$

(b) $\omega = \sqrt{\frac{k}{m}}$ のとき、$x = A \cos(\omega t + \phi)$ は運動方程式の解である。

(c) $x(t) = x_0 \cos\left(\sqrt{\frac{k}{m}} t\right)$

## 問題2

1. 問題の内容

高さ $60$ m のビルの屋上から、質量 $120$ g の携帯電話を落とした。地面に衝突したときに地面にかかる平均の力の大きさを求めよ。ただし、衝突から静止するまでの時間は $1.0 \times 10^{-2}$ s とし、衝突後の跳ね返りはないものとする。重力加速度は $g = 9.8$ m/s$^2$ とする。

2. 解き方の手順

まず、携帯電話が地面に衝突する直前の速度 $v$ を求める。自由落下の式より、

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v^2 = v_0^2 + 2gh

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$v_0 = 0$ なので、

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v = \sqrt{2gh} = \sqrt{2 \times 9.8 \times 60} = \sqrt{1176} \approx 34.29 \text{ m/s}

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次に、運動量変化を求める。携帯電話の質量は $m = 120 \text{ g} = 0.12 \text{ kg}$。

衝突前の運動量は $p_1 = mv = 0.12 \times 34.29 \approx 4.11 \text{ kg m/s}$。

衝突後の運動量は $p_2 = 0$。

運動量変化は $\Delta p = p_2 - p_1 = 0 - 4.11 = -4.11 \text{ kg m/s}$。

力積は運動量変化に等しいので、

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F \Delta t = \Delta p

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したがって、平均の力 $F$ は

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F = \frac{\Delta p}{\Delta t} = \frac{-4.11}{1.0 \times 10^{-2}} = -411 \text{ N}

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力の大きさなので絶対値をとり、411 N.

3. 最終的な答え

地面にかかる平均の力の大きさは 411 N。