##
1. 問題の内容
質量 の質点を、ばね定数 のばねにつるしたときの運動について、以下の問いに答えます。変位 はばねの自然長からの鉛直下向きの距離として測ります。
a. 次の3つの場合について、質点の変位 を求めます。
1. つり合いの位置から $a$ だけ引っ張って、そっと手を離す。
2. つり合いの位置で初速 $v_0$ を与えて振動させる。
3. つり合いの位置で、そっと手を離す。
b. 最初に引っ張る長さを2倍にした場合と、初速を与えて振動させた場合に、周期がどのように変化するかを説明します。
##
2. 解き方の手順
**a. 質点の変位 x(t) を求める**
まず、つり合いの位置を求めます。つり合いの位置では、重力とばねの力がつり合います。重力は であり、ばねの力は です。したがって、つり合いの位置 は より、
となります。
変位 はつり合いの位置からのずれを表すものとすると、 に関する運動方程式は次のようになります。
ここで、、 なので、
この微分方程式の一般解は、
となります。ここで、とは初期条件によって決まる定数です。
(1) つり合いの位置から だけ引っ張って、そっと手を離す場合
初期条件は、、 です。
したがって、.
(2) つり合いの位置で初速 を与えて振動させる場合
初期条件は、、 です。
したがって、.
(3) つり合いの位置で、そっと手を離す場合
初期条件は、、 です。
したがって、.
この場合、質点はつり合いの位置に静止したままです。
**b. 周期の変化について**
単振動の周期 は、質量 とばね定数 によって決まり、次の式で表されます。
今回の問題では、、 なので、
周期は初期条件(引っ張る長さや初速)には依存しません。
したがって、最初に引っ張る長さを2倍にしても、周期は変化しません。また、初速を与えて振動させた場合も、周期は変化しません。
##
3. 最終的な答え
a.
1. $x(t) = a\cos(t)$
2. $x(t) = v_0\sin(t)$
3. $x(t) = 0$
b.
最初に引っ張る長さを2倍にしても、周期は1倍(変化しない)。
初速を与えて振動させた場合も、周期は1倍(変化しない)。