まず、地絡電流 Ig を計算する。地絡電流は、高圧配電線路の電圧とコンデンサ C1 および C2 の合成容量によって決まる。 C=C1+C2=2.3×10−6+0.02×10−6=2.32×10−6 F ω=2πf=2π×60=120π rad/s 地絡電流 Ig は以下の式で計算できる。 Ig=VωC=6600×120π×2.32×10−6≈5.77 A 次に、需要設備側に流れる電流 I2 を計算する。地絡電流は C1 と C2 の比によって分流されるため、I2 は以下の式で計算できる。 I2=Ig×C1+C2C2=Ig×CC2=5.77×2.32×10−60.02×10−6=5.77×2.320.02≈0.04978 A 最後に、I2 を [mA] 単位に変換する。 I2=0.04978 A=49.78 mA≈50 mA 選択肢の中で最も近い値は (1) 54 mA である。
しかし、これは正しくありません。解説には、C1とC2の分流比を用いて計算するような記述がありますが、実際にはC2に流れる電流を求めればよいです。
I2=VωC2=6600×120π×0.02×10−6≈0.04976 A=49.76 mA やはり、選択肢の中で最も近い値は (1) 54 mA となります。しかし、問題文の記述とはやや異なり、直接C2に流れる電流を計算しています。
別の考え方をします。
Ig=VωC=Vω(C1+C2) I2=VωC2 したがって、
I2=IgC1+C2C2 という関係は正しいです。 I2=5.77A×2.3+0.020.02=5.77A×2.320.02=5.77A×0.00862≈0.0497A I2≈49.7mA 選択肢(1)は54mAなので、これが答えに近い可能性があります。
ここで問題文をよく読むと、「地絡電流 Igが高圧配電線路側と需要設備側に分流する割合はC1とC2の比によって決まるものとしたとき」と書いてあります。
Ig=V×2πf(C1+C2)=6600×2π60(2.3×10−6+0.02×10−6)=6600×120π(2.32×10−6)=5.77A 分流比は
C1:C2=2.3:0.02=115:1 Ic1=5.77×116115=5.72A Ic2=5.77×1161=0.0497=49.7mA なので、選択肢(1)の54mAが最も近い答えとなります。