質量1kgの物体がxy平面上を運動しており、そのポテンシャルエネルギーが$U = x + \frac{1}{2}y^2$ [J]で与えられている。この物体について以下の問いに答える。 (1) 点(x, y)における質点に働く力Fと、原点(0, 0)に関する力FのモーメントNを求める。 (2) 力Fが点(1, 1)から(2, 2)を結ぶ直線上を移動したときの仕事Wを求める。 (3) この質点が満たす運動方程式を求める。 (4) 位置ベクトル $r = -\frac{1}{2}t^2i + \cos(t)j$が運動方程式の解の一つであることを示す。 (5) この質点の運動量が保存されるかどうかを理由とともに答える。 (6) この質点の力学的エネルギーが保存されるかどうかを理由とともに答える。

1. 問題の内容

質量1kgの物体がxy平面上を運動しており、そのポテンシャルエネルギーが$U = x + \frac{1}{2}y^2$ [J]で与えられている。この物体について以下の問いに答える。

(1) 点(x, y)における質点に働く力Fと、原点(0, 0)に関する力FのモーメントNを求める。

(2) 力Fが点(1, 1)から(2, 2)を結ぶ直線上を移動したときの仕事Wを求める。

(3) この質点が満たす運動方程式を求める。

(4) 位置ベクトル $r = -\frac{1}{2}t^2i + \cos(t)j$が運動方程式の解の一つであることを示す。

(5) この質点の運動量が保存されるかどうかを理由とともに答える。

(6) この質点の力学的エネルギーが保存されるかどうかを理由とともに答える。

2. 解き方の手順

(1) 力Fの計算

ポテンシャルエネルギー$U$と力$F$の関係は、$F = -\nabla U$で与えられる。したがって、

$F = -(\frac{\partial U}{\partial x}i + \frac{\partial U}{\partial y}j)$

$F = -(1i + yj) = -i - yj$

力のモーメントNの計算

力のモーメント$N$は、$N = r \times F$で与えられる。ここで、$r = xi + yj$なので、

$N = (xi + yj) \times (-i - yj) = -xy(i \times j) -y(j \times i) = -xyk + yk = (y - xy)k$

(2) 仕事Wの計算

仕事$W$は、$W = \int_{C} F \cdot dr$で与えられる。ここで、Cは(1, 1)から(2, 2)を結ぶ直線である。この直線は$y = x$で表せるので、$dr = dxi + dyj = dxi + dxj$となる。したがって、

$F \cdot dr = (-i - yj) \cdot (dxi + dyj) = -dx - ydy = -dx - xdx = -2xdx$

$W = \int_{1}^{2} -2xdx = -[x^2]_{1}^{2} = -(4 - 1) = -3$

(3) 運動方程式の計算

運動方程式は$F = ma$で与えられる。ここで、$m = 1$ kgなので、$a = F$となる。したがって、

$a = \ddot{r} = -i - yj$

$\ddot{x} = -1$

$\ddot{y} = -y$

(4) 解の確認

与えられた位置ベクトル$r = -\frac{1}{2}t^2i + \cos(t)j$が運動方程式を満たすことを示す。

$\dot{r} = -ti - \sin(t)j$

$\ddot{r} = -i - \cos(t)j$

一方、運動方程式から$\ddot{x} = -1$および$\ddot{y} = -y$である。

$r = -\frac{1}{2}t^2i + \cos(t)j$より、$x = -\frac{1}{2}t^2$および$y = \cos(t)$なので、

$\ddot{x} = -1$および$\ddot{y} = -\cos(t) = -y$となり、与えられた$r$は運動方程式の解の一つである。

(5) 運動量の保存

運動量が保存されるためには、系に働く外力が0である必要がある。しかし、この問題では$F = -i - yj$という力が働いているので、運動量は保存されない。

(6) 力学的エネルギーの保存

力学的エネルギーが保存されるためには、非保存力が働かない必要がある。この問題ではポテンシャルエネルギーが与えられており、力はポテンシャルから導かれる保存力なので、力学的エネルギーは保存される。

3. 最終的な答え

(1) $F = -i - yj$, $N = (y - xy)k$

(2) $W = -3$ [J]

(3) $\ddot{x} = -1$, $\ddot{y} = -y$

(4) $\ddot{r} = -i - \cos(t)j$であり、$y = \cos(t)$なので、運動方程式を満たす。

(5) 運動量は保存されない。なぜなら、外力$F = -i - yj$が働いているから。

(6) 力学的エネルギーは保存される。なぜなら、力はポテンシャルエネルギーから導かれる保存力だから。