四角形ABCDに対して、以下の問いに答える問題です。 (1) $\vec{AP} + \vec{BP} + \vec{CP} + \vec{DP} = \vec{0}$となる点Pについて、$\vec{AP}$を$\vec{AB}$, $\vec{AC}$, $\vec{AD}$を用いて表す。 (2) 線分ACと線分BDが交わり、その交点が(1)の点Pと一致するとき、四角形ABCDの形状を理由をつけて述べる。

幾何学ベクトル四角形平行四辺形ベクトルの分解
2025/7/17

1. 問題の内容

四角形ABCDに対して、以下の問いに答える問題です。
(1) AP+BP+CP+DP=0\vec{AP} + \vec{BP} + \vec{CP} + \vec{DP} = \vec{0}となる点Pについて、AP\vec{AP}AB\vec{AB}, AC\vec{AC}, AD\vec{AD}を用いて表す。
(2) 線分ACと線分BDが交わり、その交点が(1)の点Pと一致するとき、四角形ABCDの形状を理由をつけて述べる。

2. 解き方の手順

(1) AP+BP+CP+DP=0\vec{AP} + \vec{BP} + \vec{CP} + \vec{DP} = \vec{0}を変形します。始点をAに揃えるために、ベクトルを分解します。
BP=APAB\vec{BP} = \vec{AP} - \vec{AB}
CP=APAC\vec{CP} = \vec{AP} - \vec{AC}
DP=APAD\vec{DP} = \vec{AP} - \vec{AD}
これらをAP+BP+CP+DP=0\vec{AP} + \vec{BP} + \vec{CP} + \vec{DP} = \vec{0}に代入すると、
AP+(APAB)+(APAC)+(APAD)=0\vec{AP} + (\vec{AP} - \vec{AB}) + (\vec{AP} - \vec{AC}) + (\vec{AP} - \vec{AD}) = \vec{0}
4APABACAD=04\vec{AP} - \vec{AB} - \vec{AC} - \vec{AD} = \vec{0}
4AP=AB+AC+AD4\vec{AP} = \vec{AB} + \vec{AC} + \vec{AD}
AP=14AB+14AC+14AD\vec{AP} = \frac{1}{4}\vec{AB} + \frac{1}{4}\vec{AC} + \frac{1}{4}\vec{AD}
(2) 点Pは線分ACと線分BDの交点なので、AP\vec{AP}AC\vec{AC}のスカラー倍で表され、BP\vec{BP}BD\vec{BD}のスカラー倍で表されます。
AP=sAC\vec{AP} = s\vec{AC}
BP=tBD\vec{BP} = t\vec{BD} (s, tは実数)
(1)よりAP=14AB+14AC+14AD\vec{AP} = \frac{1}{4}\vec{AB} + \frac{1}{4}\vec{AC} + \frac{1}{4}\vec{AD}です。この式を変形してAP\vec{AP}AC\vec{AC}BD\vec{BD}で表すことを目指します。
BD=ADAB\vec{BD} = \vec{AD} - \vec{AB}なので、AD=AB+BD\vec{AD} = \vec{AB} + \vec{BD}を代入すると、
AP=14AB+14AC+14(AB+BD)\vec{AP} = \frac{1}{4}\vec{AB} + \frac{1}{4}\vec{AC} + \frac{1}{4}(\vec{AB} + \vec{BD})
AP=12AB+14AC+14BD\vec{AP} = \frac{1}{2}\vec{AB} + \frac{1}{4}\vec{AC} + \frac{1}{4}\vec{BD}
AP14AC=12AB+14BD\vec{AP} - \frac{1}{4}\vec{AC} = \frac{1}{2}\vec{AB} + \frac{1}{4}\vec{BD}
PA+14CA=12BA+14DB\vec{PA} + \frac{1}{4}\vec{CA} = \frac{1}{2}\vec{BA} + \frac{1}{4}\vec{DB}
AP14AC=12AB14BD-\vec{AP} - \frac{1}{4}\vec{AC} = -\frac{1}{2}\vec{AB} - \frac{1}{4}\vec{BD}
AP=12AB+14BD14AC\vec{AP} = \frac{1}{2}\vec{AB} + \frac{1}{4}\vec{BD} - \frac{1}{4}\vec{AC}
したがって、
sAC=12AB+14BD14ACs\vec{AC} = \frac{1}{2}\vec{AB} + \frac{1}{4}\vec{BD} - \frac{1}{4}\vec{AC}
(s+14)AC=12AB+14BD(s + \frac{1}{4})\vec{AC} = \frac{1}{2}\vec{AB} + \frac{1}{4}\vec{BD}
ここで、AC\vec{AC}AB\vec{AB}BD\vec{BD}は一次独立なので、
12=0\frac{1}{2} = 0
これは矛盾するので、AB\vec{AB}DC\vec{DC}が平行で長さが等しい必要があります。つまり、AB=DC\vec{AB} = \vec{DC}.
よって、四角形ABCDは平行四辺形。

3. 最終的な答え

(1) AP=14AB+14AC+14AD\vec{AP} = \frac{1}{4}\vec{AB} + \frac{1}{4}\vec{AC} + \frac{1}{4}\vec{AD}
(2) 平行四辺形

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