数ベクトルの組が一次独立であるとは、それらの線形結合がゼロベクトルになるのが、すべての係数がゼロの場合に限ることを意味します。逆に、係数がすべてゼロでなくても線形結合がゼロベクトルになる場合、それらのベクトルは一次従属です。
(1) [11], [1−1] に対して、c1[11]+c2[1−1]=[00] を考えます。 この式は、c1+c2=0 と c1−c2=0 を意味します。 これらの連立方程式を解くと、c1=0 かつ c2=0 となります。よって、一次独立です。 (2) [10], [−11], [01] に対して、c1[10]+c2[−11]+c3[01]=[00] を考えます。 この式は、c1−c2=0 と c2+c3=0 を意味します。 c1=c2 であり、c2=−c3 なので、c1=−c3 です。例えば、c1=1 ならば、c2=1 と c3=−1 が成り立ち、係数が全て0ではないにもかかわらず、線形結合がゼロベクトルになるので、一次従属です。より簡単に、2次元ベクトルが3つあるので、必ず一次従属になります。 (3) 203, 30−5 に対して、c1203+c230−5=000 を考えます。 この式は、2c1+3c2=0, 0=0, 3c1−5c2=0 を意味します。 2c1+3c2=0 と 3c1−5c2=0 を解くと、10c1+15c2=0 と 9c1−15c2=0 となります。 よって、19c1=0 となり、c1=0 が必要です。 したがって、c2=0 となります。よって、一次独立です。 (4) 00−1, −3−62, 12−1 に対して、c100−1+c2−3−62+c312−1=000 を考えます。 この式は、−3c2+c3=0, −6c2+2c3=0, −c1+2c2−c3=0 を意味します。 最初の2つの式は同じ情報を示しており、c3=3c2 です。 3番目の式に代入すると、−c1+2c2−3c2=0 となり、−c1−c2=0 となります。つまり、c1=−c2 です。 例えば、c2=1 とすると、c1=−1 かつ c3=3 となり、係数が全て0ではないにもかかわらず、線形結合がゼロベクトルになるので、一次従属です。