半径1の円に内接する二等辺三角形について、以下の問いに答えます。 (1) 三角形の面積 $S$ を頂角 $\theta$ の式で表す。 (2) $S$ が最大となるときの $\theta$ の値を求める。

幾何学三角比面積微分最大値
2025/7/19

1. 問題の内容

半径1の円に内接する二等辺三角形について、以下の問いに答えます。
(1) 三角形の面積 SS を頂角 θ\theta の式で表す。
(2) SS が最大となるときの θ\theta の値を求める。

2. 解き方の手順

(1) 頂角を θ\theta とし、二等辺三角形の等しい辺の長さを aa とします。また、底辺を bb とします。
正弦定理より、bsinθ=2×1=2\frac{b}{\sin \theta} = 2 \times 1 = 2 なので、b=2sinθb = 2\sin\thetaです。
次に、二等辺三角形の頂点から底辺に垂線を下ろすと、底辺を二等分します。この垂線の長さを hh とすると、sin(πθ2)=b/2a\sin(\frac{\pi - \theta}{2}) = \frac{b/2}{a}なので、a=b2sin(πθ2)=2sinθ2cos(θ/2)=sinθcos(θ/2)a = \frac{b}{2 \sin(\frac{\pi - \theta}{2})}= \frac{2 \sin \theta}{2 \cos(\theta/2)} = \frac{\sin \theta}{\cos(\theta/2)} となります。
また、h=acos(θ2)=sinθcos(θ/2)cos(θ2)=sinθh = a \cos(\frac{\theta}{2}) = \frac{\sin \theta}{\cos(\theta/2)} \cos(\frac{\theta}{2}) = \sin \theta です。
よって、三角形の面積 SSS=12bh=12(2sinθ)(sinθ)=sin2θS = \frac{1}{2} bh = \frac{1}{2} (2\sin\theta)(\sin \theta) = \sin^2\thetaです。
S=12×2sinθ×sinθ=sin2θS = \frac{1}{2} \times 2 \sin\theta \times \sin \theta = \sin^2 \theta
しかし、この解法は少し複雑なので、別の方法を使います。
円の中心を OO、二等辺三角形の頂点を AA、底辺の両端を B,CB, C とします。BAC=θ\angle BAC = \theta なので、BOC=2θ\angle BOC = 2\thetaです。
また、OB=OC=1OB = OC = 1 ですから、三角形 OBCOBC の面積は 12×1×1×sin(2θ)=12sin(2θ)\frac{1}{2} \times 1 \times 1 \times \sin(2\theta) = \frac{1}{2}\sin(2\theta) です。
同様に、三角形 OABOAB と三角形 OACOAC は合同で、BOA=COA=πθ\angle BOA = \angle COA = \pi - \theta ですから、それぞれの面積は 12sin(πθ)=12sinθ\frac{1}{2} \sin(\pi - \theta) = \frac{1}{2} \sin \theta です。
したがって、三角形 ABCABC の面積 SSS=12sin(2θ)+sinθ=12(2sinθcosθ)+sinθ=sinθcosθ+sinθ=sinθ(1+cosθ)S = \frac{1}{2}\sin(2\theta) + \sin \theta = \frac{1}{2}(2 \sin\theta \cos\theta) + \sin\theta = \sin\theta \cos\theta + \sin\theta = \sin\theta (1 + \cos\theta)となります。
(2) S=sinθ(1+cosθ)S = \sin\theta (1 + \cos\theta)θ\theta で微分すると、
dSdθ=cosθ(1+cosθ)+sinθ(sinθ)=cosθ+cos2θsin2θ=cosθ+cos2θ(1cos2θ)=2cos2θ+cosθ1=(2cosθ1)(cosθ+1)\frac{dS}{d\theta} = \cos\theta (1 + \cos\theta) + \sin\theta (-\sin\theta) = \cos\theta + \cos^2\theta - \sin^2\theta = \cos\theta + \cos^2\theta - (1 - \cos^2\theta) = 2\cos^2\theta + \cos\theta - 1 = (2\cos\theta - 1)(\cos\theta + 1)
dSdθ=0\frac{dS}{d\theta} = 0 となるのは、cosθ=12\cos\theta = \frac{1}{2} または cosθ=1\cos\theta = -1 のときです。
cosθ=12\cos\theta = \frac{1}{2} のとき、θ=π3\theta = \frac{\pi}{3} です。
cosθ=1\cos\theta = -1 のとき、θ=π\theta = \pi ですが、これは三角形にならないので不適です。
θ=π3\theta = \frac{\pi}{3} のとき、S=sin(π3)(1+cos(π3))=32(1+12)=334S = \sin(\frac{\pi}{3})(1 + \cos(\frac{\pi}{3})) = \frac{\sqrt{3}}{2}(1 + \frac{1}{2}) = \frac{3\sqrt{3}}{4}
θ\theta が 0 に近いとき、SS は 0 に近い値を取り、θ\thetaπ\pi に近いときも、SS は 0 に近い値を取ります。
したがって、SS が最大となるのは θ=π3\theta = \frac{\pi}{3} のときです。

3. 最終的な答え

(1) S=sinθ(1+cosθ)S = \sin\theta(1 + \cos\theta)
(2) θ=π3\theta = \frac{\pi}{3}

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